本澤二郎の「日本の風景」(4813)
<平和(原爆資料館)を呑み込んだ「神の国」靖国派(厳島神社)>
借金して大金をかけたG7ヒロシマ首脳会議は、誰が誰のために仕組んだ国際会議だったのか。一人浮かれていた岸田文雄は、非戦の国の宰相としてどうだったのか。新聞テレビは「原爆資料館を公開もしないで案内した」ことを大宣伝していたが、何か具体的ないい成果はあったのか。
結局のところ、本心から喜びを隠そうとしなかった人物は、ウクライナのゼレンスキー大統領だった。どうしてか?最新式の高価な武器弾薬を各国から無償提供するとの約束を取り付けただけではなく、地球規模でロシアの侵略戦争を宣伝した。ゼレンスキーを秘かに平和の地に呼び寄せた岸田を、ロシア叩きのワシントンの主を喜ばせていた。
ロシア・ウクライナ戦争を、今後さらに悪化させる材料をNATO諸国が提供したこと、それにアメリカのポチが狂奔し、悪しき成果を収めた。日本はロシアが瓦解しない限り、核兵器大国に公然と敵対したことになる。中国もまた、岸田・日本会議の手口に怒り狂った。在北京の日本大使をぼろくそに非難した。また政経分離のフランスやドイツとの格差を印象付け、世界最大の消費国との関係悪化をつくり上げてしまった。
誰も指摘しないが、日本の隠れた勝者は、岸信介や笹川良一が育んだ「神の国」清和会だ。日本会議は狂喜している。沈黙は金を口にした御仁は、清和会生みの親の福田赳夫である。「神の国」を公言した森喜朗ら神道政治連盟の原始カルト教信者。作戦は全て日本会議・靖国派。戦争神社の一翼を担った、宮島の厳島神社を舞台に繰り広げられた。安倍晋三の伊勢神宮サミットの二番煎じだ。新しい戦前ではなく、古い戦前がヒロシマで平和を駆逐して、戦争が抑え込んだ一番となった。歴史を知らないG7各国の首脳の愚かさが背景にあった。
<さらなる軍拡競争に警鐘を鳴らした国連事務総長>
一人警鐘を鳴らした人物がいた。国連事務総長のグティエレスだった。「軍拡競争を許せない」と会見で精一杯、警鐘を鳴らして抵抗した。彼の正論をNHKは報道しなかった。
プーチンを追い詰め過ぎると、必ず核のボタンを押すことになる。その原因を岸田とG7サミットは、世界に証拠を見せた。それが1年後か2年後なのか。その前にロシア内での内戦が勃発してプーチンを殺害するのか。それとも?風雲急を告げる分断した世界を、G7が生み出した厳島サミットである。
後世の歴史家は、政教分離を破って実施されたヒロシマ・厳島サミットについて厳しい評価をするだろう。
<狂喜した武器弾薬交渉成立にこぎつけたゼレンスキー大統領>
米国が誇る最新鋭爆撃機F16を、ヒロシマの平和の地を袖にしたバイデンが提供すると明らかにした。電子機器の塊であるF16の操縦は容易ではない。自衛隊のベテラン操縦士でも海中に突っ込んでいる。
ウクライナ兵士とって容易なことではない。訓練期間はいつまでか。これがロシアの上空を飛来すれば、当事国の死闘は勝者のいない「生か死か」で繰り広げられるだろう。劣勢になれば、プーチンは「窮鼠猫を嚙む」ことになる。最初は戦術核から始まる。これにNATOも応戦すれば、地球は死の灰で覆われて、生き物は生きられない。
目前のフクシマの猛毒トリチウム汚染水が垂れ流されるだけでも、魚もSOSだ。人間は魚貝類を食べることが出来なくなる。隣国では「日本が安全というのであれば水道水として日本人が飲め」と反発している。それでも海洋投棄をするのであろうか。人類も地球も死の一歩手前にいることが理解できるだろう。
それとも原始のカルト教「神の国」は放射能を消し去るのであろうか。
ゼレンスキーはただひたすら西側諸国に武器弾薬を求めた、そのためのG7サミットだった。非公開の原爆資料館見学に意味などないに等しい。彼は既にチェルノブイリを直接肌で感じている。沢山の奇形児の存在を承知している。山林火災でも、放射能が人と生き物を殺していることを熟知している。そこからもフクシマの現状と厳しい将来を予見できる。日本の為政者すべてが、フクシマから逃げて真実を知らない。医療・科学者らもそうである。住んではならない地に日本政府は、住まわせ食糧生産をさせて、恐ろしい内部被ばくを日本人に強いている。
プーチンもゼレンスキーも共に精神が崩壊している。正常な人間ではない。悪魔が乗り移っているとしか思えない。そこに武器弾薬と資金の提供で、プーチンのいないロシアへと解体できるか。第二のプーチンが誕生するのではないか。泥沼の戦争へと駆り立てたG7、それを主導した岸田と背後の日本会議・国家神道派に、日本国民は、そっくり運命を委ねてしまうのか。
<隠れた勝者は自民党清和会・神社本庁(戦争神社)・日本会議>
人は変身するのであろうが、それが極端だと、相手を見放して立場を変える。平和政党だった公明党創価学会が「戦争三法」を安倍と共に強行した。戦争党に変身した。もはや信用するに値しない。
岸田は護憲リベラルの宏池会を率いてきた。しかし、その人物が改憲を口走って安倍路線を走りだした。その先に43兆円の超軍拡・軍事大国政策を打ち出した。極右も仰天する変身である。岸田は危険な政治屋に変身した。到底彼を容認することは出来ない。
岸田・自民党と公明党創価学会を操っている危険極まりない黒幕がいる。国民は気付くべきだが、新聞テレビのお陰でいまだゆでガエルを決め込んで、G7サミットを評価する者も現れている。しかし、専門家には通用しない。
神社本庁・日本会議の原始カルト天皇教である。古い戦前の再来・ゾンビ勢力だ。その背後の黒幕は財閥である。国民のカネを懐に入れる吸血鬼であろう。戦争屋とも死の商人とも呼んでいる。その根っこはアメリカの産軍複合体。それさえも牛耳るとてつもない巨大な財閥、世界の富の大半を保有・操作する1%。正体を誰も分析できない。
日本を操縦する、極右の天皇狂カルトの日本会議・靖国派と財閥の連携が見て取れる今回のG7サミット。森喜朗の「神の国」といういかがわしい国家神道そのものだ。彼らの広告塔の桜井某も沈黙している。岸田に大満足しているはずである。
<NHK含めた新聞テレビ報道に失望した海外メディアや識者>
歴史を紐解くまでもない。政治と宗教は、即戦争と宗教である。独裁者でもカルト宗教を活用しない限り、若者を戦場に狩り出すことは出来ない。
筆者は自衛隊基地を見学するうちに、司令官の部屋に神棚があることを知った。基地内に神社も存在した。なんのことはない、戦前の日本軍が、そっくりそのまま自衛隊になっている。
神風どころか米軍の二発の原爆に対して「国家神道の必勝祈願」は無力だった。当たり前であろう。神道に何がしかの威力などない。今回の厳島神社に威力などないが、それでも岸田とG7首脳は「必勝祈願」した。ロシアを駆逐できるのであろうか。
それよりも多くの人の命を失うだけである。都市も農村も森も破壊しつくすことになろう。これほど愚かな人間もいない。岸田はその場を提供し、事態を悪化させることに狂奔した。「神の国」は喜んだのだろうが、外国人記者は首をひねっていた。戦争を止めるための相談は全くなかった。その反対だった。これが「神の国」の消すことのできない史実となって閉幕した。
日本国憲法を理解してる法律家は政教分離違反の厳島サミットに眉をひそめただろうが、声を上げたのは筆者一人。中央大学で法律を少しだけかじった成果である。
<ボンクラ野党は憲法の政教分離さえ認識していない!繰り返す戦争>
日本会議主導の厳島サミットに不勉強な野党は、異論をさしはさまなかった。日本会議・神の国主導のG7サミットをただ眺めているだけだった。歴史の教訓は、日本国憲法の二つの条文に集約される。非戦の9条と政教分離の20条である。
自公維民各党は、このもっとも大事な規定を破壊している。戦争国家へと驀進している!歴史を学ばない国民と政府は、未来に対して盲目、したがって再び過ちを繰り返すことになろう。財閥は肥えて民衆は命までも失うことになる。強く警鐘を鳴らしておきたい。
2023年5月23日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
I can がG7に失望
https://www.jiji.com/sp/article?k=2023052000364&g=int
G7デモ
https://twitter.com/BBCWorld/status/1660302220041043969?s=20
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