チャイコフスキーと言えば後期の3大交響曲(4番、5番、6番)があまりにも有名ですが、もう一つ番号の付いていない交響曲があります。それが今日ご紹介する「マンフレッド交響曲」です。有名な詩人バイロンが書いた劇詩「マンフレッド」にインスパイアされて作った曲で、順番的には第4番と第5番の間に書かれています。普通なら第5番「マンフレッド」と言う風に呼ばれてもおかしくないのですが、なぜかチャイコフスキーは番号を付しませんでした。そういう変則的な扱いゆえかチャイコフスキーの作品群の中でもお世辞にもメジャーとは言えず、つい忘れられがちな存在です。ただ、作曲されたのは大傑作である第5番のわずか3年前とあって、出来自体そんなに悪いはずもなく、規模的にも実に堂々とした交響曲だと思います。
第1楽章は17分近くもある長大な楽章。いきなり不安げな旋律で幕を開けますが、これが主人公マンフレッドの主題で作品全体を支配します。その後強弱を繰り返しながら同主題が繰り返されますが、特にラスト2分あまりの盛り上がりがドラマチックですね。第2楽章は一転してスケルツォなんですが、そんなに楽しげではなく、どことなく不安げな感じが続きます。第3楽章はこの曲の中で唯一明るく牧歌的な楽章で、アルプスの草原を思わせる優美な旋律が一服の清涼剤の役割を果たしてくれます。第4楽章は再び重苦しいムードで、最後に冒頭のマンフレッド主題がフルオーケストラで再現され、壮麗なフィナーレを迎えます。CDはユージーン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のものを買いました。3大交響曲と比べてマンフレッド交響曲は録音も少ないですが、その中では唯一とも言える巨匠による演奏です。
第1楽章は17分近くもある長大な楽章。いきなり不安げな旋律で幕を開けますが、これが主人公マンフレッドの主題で作品全体を支配します。その後強弱を繰り返しながら同主題が繰り返されますが、特にラスト2分あまりの盛り上がりがドラマチックですね。第2楽章は一転してスケルツォなんですが、そんなに楽しげではなく、どことなく不安げな感じが続きます。第3楽章はこの曲の中で唯一明るく牧歌的な楽章で、アルプスの草原を思わせる優美な旋律が一服の清涼剤の役割を果たしてくれます。第4楽章は再び重苦しいムードで、最後に冒頭のマンフレッド主題がフルオーケストラで再現され、壮麗なフィナーレを迎えます。CDはユージーン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のものを買いました。3大交響曲と比べてマンフレッド交響曲は録音も少ないですが、その中では唯一とも言える巨匠による演奏です。