本日はロンドン交響楽団が1971年に開いたガラ・コンサートを収録したCDをご紹介します。ガラ・コンサートとは交響曲や協奏曲など特定の作品の演奏会ではなく、オムニバス形式で色々な作曲家の曲を演奏するスタイルのことを指します。本盤に収録されているのはエドワード・エルガーの序曲「コケイン」、レナード・バーンスタインの「キャンディード」序曲、レイフ・ヴォーン=ウィリアムズの「グリーンスリーブスによる幻想曲」、ジョルジェ・エネスクの「ルーマニア狂詩曲第1番」の計4曲。どれも決してメジャーとは言えないものの、それぞれ味わいのある隠れた名曲です。この演奏会のユニークなところは、最初の「コケイン」を指揮しているのがプロの指揮者ではなく、当時のイギリス首相であるエドワード・ヒースだということ。学生時代にオルガン奏者をしていたらしいですが、本職ではない政治家のタクトで大丈夫かいなと思いますが、意外と無難に聴けます。まあ、演奏が世界有数のオケであるロンドン交響楽団だからと言うのもありますが。なお、残りの3曲は当時の常任指揮者であったアンドレ・プレヴィンが指揮しています。
まず、エルガーの「コケイン」ですが、別名を「ロンドン讃歌」とも言い、20世紀初頭のロンドンの下町の様子を活き活きと描写した明るい曲です。アルファベットはCockaigne(ロンドンの別名)で、麻薬のcocaineとは違いますのであしからず。エルガーと言えば「威風堂々」を真っ先に思い出しますが、この曲も実に力強く雄大な雰囲気に満ちた名曲です。続く「キャンディード」序曲は偉大なる指揮者バーンスタインが作曲家としての才能を発揮した同名のオペラからの曲。代表作「ウェスト・サイド・ストーリー」に比べるとマイナーですが、この序曲は文句なしの名曲で独立して使われることも多いようです。4分余りの小品ですが、次々と飛び出す陽気なメロディと色彩豊かなオーケストレーションに心が浮き立つこと間違いなしです。続く「グリーンスリーヴス」は以前ヴォーン=ウィリアムズ作品集で取り上げたのでパス。最後の「ルーマニア狂詩曲第1番」はエネスクが故郷ルーマニアの民俗舞踊の旋律をふんだんに使って作り上げられた実に楽しい曲。生前のエネスクは作曲家としてよりヴァイオリニストとして名高かったようですが、ここではヴァイオリンはさほど活躍せず、オーケストラ全体で序盤の牧歌的な旋律から終盤の急速調な展開へと徐々に盛り上げて行きます。全4曲、合計しても38分ほどの短さですが、中身のなかなか詰まった隠れ名盤だと思います。
まず、エルガーの「コケイン」ですが、別名を「ロンドン讃歌」とも言い、20世紀初頭のロンドンの下町の様子を活き活きと描写した明るい曲です。アルファベットはCockaigne(ロンドンの別名)で、麻薬のcocaineとは違いますのであしからず。エルガーと言えば「威風堂々」を真っ先に思い出しますが、この曲も実に力強く雄大な雰囲気に満ちた名曲です。続く「キャンディード」序曲は偉大なる指揮者バーンスタインが作曲家としての才能を発揮した同名のオペラからの曲。代表作「ウェスト・サイド・ストーリー」に比べるとマイナーですが、この序曲は文句なしの名曲で独立して使われることも多いようです。4分余りの小品ですが、次々と飛び出す陽気なメロディと色彩豊かなオーケストレーションに心が浮き立つこと間違いなしです。続く「グリーンスリーヴス」は以前ヴォーン=ウィリアムズ作品集で取り上げたのでパス。最後の「ルーマニア狂詩曲第1番」はエネスクが故郷ルーマニアの民俗舞踊の旋律をふんだんに使って作り上げられた実に楽しい曲。生前のエネスクは作曲家としてよりヴァイオリニストとして名高かったようですが、ここではヴァイオリンはさほど活躍せず、オーケストラ全体で序盤の牧歌的な旋律から終盤の急速調な展開へと徐々に盛り上げて行きます。全4曲、合計しても38分ほどの短さですが、中身のなかなか詰まった隠れ名盤だと思います。