ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ショパン/ピアノ協奏曲第1番&第2番

2013-11-03 12:56:03 | クラシック(協奏曲)
ブーニンをご存知ですか?このブログを見てくださっているようなクラシック好きの方ならもちろんYESでしょうが、私と同じアラフォー世代ならたぶんクラシックに何の興味もない人でもおそらく知っていると思います。1985年のショパンコンクールで優勝。その様子が日本でも放映され、天才ピアニストとして瞬く間に時代の寵児となりました。当時中学生だった私はプロ野球が最大の関心事で、クラシックなど全く興味の範疇外だったのですがそれでもブーニン待望の来日!などとCMでやっていたのをよく覚えています。かつての諏訪内晶子さんとか最近の辻井伸行さんとか日本人演奏家が海外のコンクールで優勝してニュースになるのはよくあることなんですが、外国人の演奏家でなぜあそこまでフィーバーになったのかは正直謎ですね。その後のブーニンはと言うと、次々と出現する若手に押され、かと言って熟練したヴィルトゥオーゾと呼ばれる存在になった訳でもなく、もはや完全に過去の人という扱いですね。大成しなかった早熟の天才というのが冷徹な評価でしょうか?



さて、前置きが長くなりましたが、今日ご紹介するのはそんなブーニンが演奏したショパンのピアノ協奏曲第1番&第2番。演奏はカジミエシュ・コルド指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団です。録音は2001年、日本でのライブです。既に80年代のフィーバーからかなり時が過ぎていますが、日本での人気は根強く頻繁に演奏に訪れていたようですね。ブーニン同様、ショパンのコンチェルト自体も評論家の受けは決して良くないのですが、私のような素人からすれば曲も演奏もとても素晴らしいと思います。ショパンはオーケストラ作品をほとんど残さずほぼ全てがピアノ独奏曲ということもあり、2曲だけ残された協奏曲もオーケストレーションが稚拙であるというのが低評価の原因だそうですが、確かにグリーグやチャイコフスキー、ラフマニノフには劣るにせよ、メロディの美しさで十分にカバーしていると思います。2曲とも構成はほぼ一緒でやや哀調を帯びたドラマチックな第1楽章、ひたすら甘くロマンチックな第2楽章、そしてきらびやかなロンド形式の第3楽章で締めくくります。ライブ録音だけあって2曲とも観客の拍手が収められていますが、思わず一緒に拍手したくなる名曲・名演だと思います。
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