ハードバピッシュ&アレグロな日々

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ベルリオーズ/イタリアのハロルド

2013-11-27 23:14:35 | クラシック(交響曲)
本日はエクトル・ベルリオーズの交響曲「イタリアのハロルド」をご紹介します。ベルリオーズと言えば「幻想交響曲」ばかりが有名ですが、個人的にはむしろ本作の方が完成度が上では?と思います。有名な詩人バイロンの長編詩「チャイルド・ハロルドの巡礼」にインスパイアされて作曲されたもので、4楽章とも詩に基づいた副題が付いていますが、特に予備知識がなく音楽だけ聴いても十分楽しめる内容です。元々は伝説的なバイオリン奏者でヴィオラの名手でもあったパガニーニに依頼されて作った曲だけあって、ヴィオラが大きくフィーチャーされており、独奏の時間もたっぷり与えられています。



第1楽章「山におけるハロルド」は冒頭不安げな旋律で始まりますが、3分過ぎからヴィオラが美しい主題を奏で、終盤はエネルギッシュな展開に。ヴィオラは最後まで大活躍します。第2楽章「夕べの祈祷を歌う巡礼の行列」は一転して黄昏時を想い起させるゆったりした旋律。ここでもヴィオラが大きな役割を果たしています。第3楽章「セレナード」は明るく軽快な冒頭部の後に牧歌的な主題が現れます。第4楽章「山賊の饗宴」はフィナーレを飾るにふさわしいドラマチックな展開で、荒々しい山賊の主題に続き、狂乱の宴を思わせる盛大なオーケストレーションでド派手に締めくくります。ちなみに終盤はヴィオラ独奏はほとんど出てきません。CDはレナード・バーンスタイン指揮フランス国立管弦楽団のものを買いました。「幻想交響曲」と違ってディスクの数も決して多くはないですが、巨匠バーンスタインとフランスの名門オケとの共演ということでイチ押しの1枚です。
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