ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

アート・テイラー/テイラーズ・テナーズ

2013-12-04 21:35:06 | ジャズ(ハードバップ)

半年以上クラシックばかりUPしてきましたが、その間にジャズCDの旧譜も随分発売されていましたので、またしばらくジャズに戻りたいと思います。特に最近はプレスティッジの50年代の作品が続々と再発されており、ハードバップマニアなら思わず食指が伸びる魅惑のラインナップとなっています。今日ご紹介するのはモダンジャズを代表する名ドラマーであるアート・テイラーがプレスティッジの傍系レーベルであるニュージャズに1959年に吹き込んだ1枚です。テイラーと言えばブルーノート盤「AT’Sデライト」、プレスティッジ盤「テイラーズ・ウェイラーズ」あたりはこれまでもたびたび再発されていましたが、本作は入手困難な1枚でしたので待望のゲットですね。



タイトル通りテイラーが2人のテナー奏者と共演した作品で、その2人とはフランク・フォスターとチャーリー・ラウズ。前者はカウント・ベイシー楽団で長らくフロントマンとして活躍し、後者はセロニアス・モンクの相棒として知られています。一見相反するスタイルの持ち主のように思えますが、作品のフォーマットが典型的ハードバップなので、互いに強烈な個性のようなものを前面に出さず、あくまで軽快なブロウに徹しています。なので正直ソロもどっちがどっちだか私にはわかりません。リズム・セクションはウォルター・デイヴィス・ジュニア(ピアノ)、サム・ジョーンズ(ベース)、そしてテイラーで、スインギーなデイヴィスのピアノも素晴らしいですね。なお、テイラーは特に目立ったドラムソロを披露するわけでもなく(あえて言うならラストの“Dacor”ぐらいか?)、もっぱら裏方に徹しています。リーダーというのは名目上だけみたいですね。全6曲、“Rhhythm-A-Ning”“Straight, No Chaser”という2曲のモンク・ナンバーもいいですが、個人的にはこれぞ王道ハードバップと言うべき“Cape Millie”“Fidel”がお薦めです。

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