ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

エルモ・ホープ/ホープ・ミーツ・フォスター

2013-12-21 18:19:00 | ジャズ(ハードバップ)

昨日に引き続きプレスティッジ7000番台シリーズから通好みのピアニスト、エルモ・ホープをご紹介します。活躍期間も短く、録音数も決して多いとは言えませんが、クリフォード・ブラウン「メモリアル・アルバム」、ソニー・ロリンズ「ムーヴィン・アウト」、ジャッキー・マクリーン「ライツ・アウト!」等で印象深いプレイを聴かせてくれます。リーダー作では何と言ってもジョン・コルトレーン、ハンク・モブレー、ドナルド・バードら豪華メンバーを従えた「インフォーマル・ジャズ」が名盤の誉れが高いですね。今日取り上げる「ホープ・ミーツ・フォスター」はカウント・ベイシー楽団のテナー奏者フランク・フォスターとの共演作で、他のメンバーはトランペットがフリーマン・リー、ベースがジョン・オー、ドラムがアート・テイラーとなっています。録音は1955年10月です。



正直、メンバーだけを見ると「インフォーマル・ジャズ」より数段格落ちしますが、内容は決して悪くないですよ。まず、コ・リーダーであるフォスターのテナーが素晴らしい。ベイシー楽団ではアンサンブル重視なのでソロを取る機会は限られますが、ここでは思う存分に吹きまくっています。特にホープ作のワンホーン“Wail Frank Wail”はフォスターのテナーの腕を見せつけるショウケース的なナンバーです。意外と軽やかなタッチのホープのソロも素晴らしいですね。続く“Zarou”もホープ作で、こちらは典型的バップナンバー。この曲を含めて3曲にフリーマン・リーという素姓の知れないトランペッターが参加しますが、正直印象は薄いです。フォスターとのワンホーンの方がいいですね。4曲目の“Georgia On My Mind”は後にレイ・チャールズが全米No.1ヒットを放ち今ではそちらが本家みたいになっていますが、元々はホーギー・カーマイケルが作曲したスタンダード曲です。ここではミディアムテンポのスインギーな仕上がりになっており、うっかりするとレイ・チャールズのと同一曲とは思えません。ラストの“Yaho”はこってりしたブルースで、フォスターの力強いテナーとホープのブルージーなソロで締めくくります。ジャケットは全くの謎(白人と原住民の出会い?)ですし、メンバーも地味ですが意外と拾い物の一枚でした。

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