ハードバピッシュ&アレグロな日々

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ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番&第2番

2013-05-26 21:20:21 | クラシック(協奏曲)
生涯に多くの傑作を残したベートーヴェンですが、有名なものは30代半ば以降に集中しています。交響曲第3番「英雄」が34歳、ヴァイオリン協奏曲が36歳の頃で、ここから「運命」「田園」、そしてピアノ協奏曲「皇帝」と人類の遺産とも言うべき名作が続々と生み出されます。一方で、それ以前の20代のベートーヴェンについては軽く扱われがちですね。このピアノ協奏曲第1番&第2番は彼が25歳の時に作曲したもので、キャリア最初期の作品とあってかディスクの数も決して多いとは言えません。ただ、内容は素晴らしいですよ。青年時代の作品だけあって、後期のベートーヴェンにありがちな苦悩の要素は感じられず、ひたすら天国的な明るさに満ちあふれています。



1番&2番ともに同時期の作曲だけあって良く似た曲調で、雄大な第1楽章、ひたすら美しい緩徐楽章の第2楽章、そして跳ねるようなリズムが楽しいロンド形式の第3楽章、という構成です。メロディなど一瞬モーツァルトを思い出せる部分もありますが、勇壮なオーケストレーションなどはこの頃からベートーヴェンの個性が滲み出ています。CDはフリードリヒ・グルダのピアノ、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルのものを買いました。オーストリア出身の名ピアニストですが、特にモーツァルトとベートーヴェンに関しては世界的な大家として知られています。1200円の廉価版ですし、この曲を知るにはもってこいの名盤ですね。
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