「四季」は同名のバレエのために作曲された音楽で、文字通り冬、春、夏、秋の四季をオーケストラで表現していきます。日本なら春夏秋冬ですが、冬から始まるのがロシアらしいですね。ただ、冬だからと言って特段に重苦しい訳でもなく、わりと軽快なテンポで進んでいきます。考えて見ればバレエを踊るための音楽なんで、陰鬱な曲ではダメですね。続く春はいかにも春らしい花の咲くイメージで、そのまま夏に突入。中盤部分の徐々に盛り上がるオーケストラが感動的です。最後の秋は本作のハイライトと言っていい部分で、華やかなバッカナール、美しいアダージョと魅力的な旋律が続きます。どの曲も明るく華やかな曲風で、正直四季の移り変わりはあまり感じられませんが、標題音楽として鑑賞するのではなく、色彩豊かなオーケストラサウンドを楽しむのが正解でしょう。CDはエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮フィルハーモニア管弦楽団のものを買いました。旧ソ連を代表する指揮者で、ロシア音楽は当然ながらお手の物です。「四季」はCDの種類も少ないので本盤がまさに決定盤ですね。おまけに入っている2曲の演奏会用ワルツもなかなか魅力的な小品です。
「四季」は同名のバレエのために作曲された音楽で、文字通り冬、春、夏、秋の四季をオーケストラで表現していきます。日本なら春夏秋冬ですが、冬から始まるのがロシアらしいですね。ただ、冬だからと言って特段に重苦しい訳でもなく、わりと軽快なテンポで進んでいきます。考えて見ればバレエを踊るための音楽なんで、陰鬱な曲ではダメですね。続く春はいかにも春らしい花の咲くイメージで、そのまま夏に突入。中盤部分の徐々に盛り上がるオーケストラが感動的です。最後の秋は本作のハイライトと言っていい部分で、華やかなバッカナール、美しいアダージョと魅力的な旋律が続きます。どの曲も明るく華やかな曲風で、正直四季の移り変わりはあまり感じられませんが、標題音楽として鑑賞するのではなく、色彩豊かなオーケストラサウンドを楽しむのが正解でしょう。CDはエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮フィルハーモニア管弦楽団のものを買いました。旧ソ連を代表する指揮者で、ロシア音楽は当然ながらお手の物です。「四季」はCDの種類も少ないので本盤がまさに決定盤ですね。おまけに入っている2曲の演奏会用ワルツもなかなか魅力的な小品です。
レナード・スラットキン指揮セントルイス交響楽団による本CDはそんなコープランドの決定盤と言っていいでしょう。2曲ともバレエ音楽らしいですが、20世紀らしい現代的な響きの中に親しみやすいメロディを持った佳曲です。「ビリー・ザ・キッド」は開拓時代の西部に実在したという伝説のならず者をテーマにした曲で、大平原を想起させる雄大なオーケストラサウンドが堪能できます。途中、ガンファイトの場面で荒々しい展開になりますが、その後に流れる甘美なワルツが美しいです。「ロデオ」も同じくカウボーイをテーマにした曲ですが、途中ジャズ調のホンキートンクピアノが現れたりとこちらもバラエティに富んだ曲調。ダイナミックな最終楽章「ホーダウン」が圧巻です。正直バレエ音楽と思って聴くとピンと来ませんが、管弦楽組曲として聴くと十分楽しめます。
さて、本作は1966年にマイルストーンから発表された作品。長いムーディのキャリアでは中期にあたる作品ですね。全9曲、うち4曲がカルテット編成で、ケニー・バロン(ピアノ)、ボブ・クランショー(ベース)、メル・ルイス(ドラム)がリズムセクションを務めています。残りの5曲はトム・マッキントッシュがアレンジャーを務めた5名のブラスセクションが加わります。トランペットがジミー・オーウェンス、ジョー・ニューマン、スヌーキー・ヤング、トロンボーンがジミー・クリーヴランド、チューバのドン・バターフィールドという豪華メンバーですが、彼らがソロを取る機会はほぼなく、あくまでアンサンブル要員です。他ではピアノのバロンが時折ソロを取りますが、それ以外はあくまでムーディが主役。全編にわたって歌心あふれるテナーソロが堪能できます。演奏は全て水準以上ですが、昭和歌謡っぽいメロディが印象的な“The Moon Was Yellow”、ゴスペル風の自作曲“Never Again”が出色の出来です。1曲だけフルートを吹く“Cherokee”がまた素晴らしく、緩急自在のフルートソロが圧巻です。
これまで何度も取り上げてきた澤野工房に新譜が出たので買ってみました。フランスのピアニスト、アンリー・ルノーが1957年にデュクレテ・トムソンというレーベルに残した1枚だそうです。ルノーと言えば、ルネ・ユルトルジェ、ジョルジュ・アルヴァニタスとともに50年代のフランスを代表するジャズピアニストで、以前当ブログで紹介したクリフォード・ブラウンのパリ・セッションやズート・シムズとの2枚の共演盤(デュクレテ・トムソン盤とUA盤「ズート・シムズ・イン・パリ」)で名を知られています。本作はタイトル通り前半5曲で5人のホーン奏者が加わった小型オーケストラ編成になっています。なお、後半5曲は普通のピアノトリオです。
メンバーはリズム・セクションが全曲ルノーとジャン・ヴァルラン(ベース)、ケニー・クラーク(ドラム)。前半はその3人にビリー・バイヤーズ&シャルル・ヴェルストラート(トロンボーン)、フェルナン・ヴェルストラート(トランペット)、アレン・イーガー(テナー)、ジャン=ルイ・ショータン(バリトン)が加わるオクテット編成です。聴き所はやはり前半部分ですね。曲は全てルノーまたはバイヤーズのオリジナルで、“Meet Quincy Jones”“Dillon”などスイング感たっぷりのビッグバンドサウンドが繰り広げられます。管楽器ではバイヤーズとイーガーが随所でソロを取りますが、あまり主張し過ぎることもなく、うまくアンサンブルに溶け込んでいます。後半はルノーの流麗なソロが堪能できるピアノトリオ。スタンダード曲も演奏していますが、ここでもお薦めは自作曲の“Klook's Clock”“Wallington Special”です。譜面にペンを走らせるジャケットの通り、ルノーの作曲センスが強く感じられる1枚ですね。