ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

シベリウス/レンミンカイネン組曲

2013-05-28 22:57:03 | クラシック(管弦楽作品)
最近、個人的にはまりつつあるのがフィンランドの作曲家シベリウスです。以前から交響曲第2番やヴァイオリン協奏曲は愛聴していましたが、以前に当ブログでも紹介した交響曲第5番&第7番も素晴らしかったですし、今日取り上げる「レンミンカイネン組曲」も期待を上回る内容でした。フィンランドの民族叙事詩に出てくる英雄レンミンカイネンを題材にした全4曲の組曲で、中でも物哀しい旋律が印象的な「トゥオネラの白鳥」は単独で取り上げられることも多いようです。ただ、僕としては4曲全体で聴くことをお薦めします。特に1曲目の「レンミンカイネンと島の乙女たち」はいかにも冒険の始まりを思わせるような明るく力強い曲で、個人的にはこの曲こそがハイライトだと思います。続く死をテーマにした「トゥオネラのレンミンカイネン」はやや陰鬱すぎますが、最後の「レンミンカイネンの帰郷」で再び勇壮なクライマックスを迎えます。組曲ながら46分を超える大作で、スケール的にも他の交響曲群と肩を並べる傑作だと思います。



CDはユッカ=ペッカ・サラステ指揮トロント交響楽団のものを買いました。「トゥオネラの白鳥」の収録されているCDはたくさんありますが、組曲全曲となると種類も限られており、中でも廉価盤シリーズで出回っている本作が最も手頃でしょう。サラステはフィンランド出身の名指揮者で、同国人のシベリウスはお手の物ですね。本CDにはさらに交響詩「夜の騎行と日の出」も収録されています。シベリウス作品の中でも比較的マイナーな曲ですが、この曲も悪くない。前半の「夜の騎行」の部分は執拗に繰り返される弦の響きが不安げなムードを醸し出しますが、後半の「日の出」の場面では一転して美しく雄大なシベリウス節でラストを締めくくります。
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