広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

駅名板

2008-12-13 10:43:04 | 旅行記
 
左は秋田県、右は青森津軽地方のJR駅にある駅名板(?正式名称が分からないので仮称。両隣の駅名を書いた横書きの看板は「駅名標」というのだけど・・・)。
JR東日本のイメージカラーのつもりなのか緑色で、下のJRマークの背景が秋田県内の駅は秋田蕗、青森県内はリンゴのシルエットになっている。
JRに民営化された直後から設置され、子供の頃、奥羽本線を北上していて、蕗からリンゴにマークが変わって、青森へ来たんだと実感したのを思い出す。
【だいぶ経った2022年1月11日追記】アップ当時のコメント欄でも話題になっていたが、秋田版のマークが秋田蕗だということを分かってもらえない場合が少なくないようだ。我々秋田県民は、秋田名物の1つで県外でも知名度が高いと思いこんでしまっているようだ。リンゴと比べると、デザインの都合やそもそも蕗という植物をよく知らない人が多いこともあるだろう。
秋田では一般に「あきたふき」と呼ぶが、植物学上の和名は「アキタブキ」。写真等は、この記事後半参照。


では、例えば岩手県や宮城県は何のマークなのか気になるが、知る限りでは、秋田・青森・山形以外には、このタイプの駅名板は存在しない。民営化後、JR各社ごとに駅名板のデザインが統一された所もあるが、JR東日本の場合、駅名板のデザインは各支社に裁量が任されているようだ。つまり、この駅名標は秋田支社管轄である秋田県(花輪・北上線を除く)、青森県の西側、山形県の秋田寄りにしかない。ちなみに山形県の秋田支社管轄の駅では、山形独自のものでなく、秋田蕗のマークが使われているようだ(羽越本線の吹浦・遊佐など)。

考えてみれば、比較的最近新設されたウェスパ椿山やあきた白神のような駅には設置されていなかった気がするし、大きな駅でも以前より設置数が減っている感じがする。(上の写真の東能代駅の目に付きにくい場所には、色あせて、フォントが違う古い駅名板もあったから、現在も必要な箇所については、交換が行われているようだ)昔のような長い編成の長距離列車が少なくなり、駅構内の端にまで設置する必要性がなくなっているということかもしれない。
【2009年8月23日追記】秋田支社の駅で新しいタイプが登場した。こちら

この機会に、今まで旅先で撮った写真から、各地の駅名板をご紹介したいと思う。

車両は新しいが、木造のホーム屋根や駅名板の書体やデザインが「国鉄」を思わせる懐かしい雰囲気。下に天竜川の川下りの広告が付いているがやや色あせ気味。
ここはJRではなく、国鉄から第3セクターに転換した、静岡の「天竜浜名湖鉄道」の天竜二俣駅。駅名板はきれいに手入れされていて、光沢がある。

以下は駅名板以外がメインの画像からトリミングしたため、写りが悪いです。縮尺は同一ではありません。かなり以前に撮影したものもあり、現在も同じものが設置されているとは限りません。
   
はすだ(蓮田・埼玉県・東北本線)、うみしばうら(海芝浦・横浜市・鶴見線):関東でよく見るJR東日本全体で考えれば主流のタイプ。上に路線ごとのカラー。文字は太めの今風のゴシック体で下にローマ字が入っている。
とまこまい(苫小牧):JR北海道では、おそらく全駅でこのタイプが採用されている。地色・フォントに国鉄時代の面影を強く残している。下に「本場の味サッポロビール」とあるのが北海道らしいが、おそらく、全部の駅名板の広告がこれだと思う。広告料どれくらいかかってるんだろう。
とおとうみいちのみや(遠江一宮・天竜浜名湖鉄道・静岡県):上の天竜二俣と同じ路線。写真は下部が空白だが、リコーの古めかしい広告が入ったのもあった。北海道のに似ていて、同社もこのタイプで統一されているようだ。オレンジ(黄色)の枠で囲まれているのも国鉄時代の名残なのだろうか。ただし似たフォントだが「い」の文字が苫小牧とは微妙に違うのがおもしろい。それにしても、“遠江”は言いにくい。

以下4つはJR東日本盛岡支社管内(岩手全域・青森東側・秋田の一部)のもの。
   
すえひろ(末広・花輪線・秋田県鹿角市):おそらく国鉄時代のものそのままではないだろうか。ホーローの板、紺色の地色、独特のフォント、どれも味がある。
おおじや(おおじゃ大蛇・八戸線・青森県):小さな「ゃ」を大きく「や」と書いていて、国鉄時代のものに間違いなさそう。この手のものは秋田支社エリアにはないと思う。
ほんはちのへ(本八戸・八戸線・青森県):東能代と能代の関係のように、本線上の八戸駅よりも市街地に近いのが、ローカル線の本八戸。1977年に高架駅になったようだが、その時取り付けられたままなのだろうか。国鉄タイプのもの。屋根の下なので、錆などはなく、きれい。
この国鉄タイプ3駅のものを比べてみると、フォントが微妙に異なる。大蛇がいちばん丸っこく本八戸は角張った字体だ。設置時期や書き手の違いによるものなのだろう。
はるきば(春木場・田沢湖線・岩手県):田沢湖線内の盛岡支社管轄駅や常磐線(仙台支社か水戸支社管轄)でわりと見かけるタイプ。デザイン的には面白味に欠けるが、オーソドックスなゴシック体で若干サイズが大きい。中に蛍光灯が入っていて、光るのだと思う。田沢湖駅から岩手県境に入ると、秋田支社から盛岡支社に代わり、「志度内(しどない)」「大地沢(おおちさわ)」という2つの信号場があり(列車によっては「こまち」も停車する)、作業員用に短いホームがあるのだが、そこにも同じ形の駅名板(駅じゃないけど)が付いている。

秋田支社のものは、平面でなく、1つで2面(上や下から見るとL字型)になっているが、全国的には珍しいようだ。緑色なのも珍しい。
隣の盛岡支社では、国鉄のものが残る駅がある一方、信号場に立派なものを付けてギャップが激しい。こんなところにも同じ会社内の各支社の方針の違いが現れている。

今まで、駅名板にはあまり関心がなかったが、なかなか個性があって楽しい。これから旅先で気をつけて見ることにしよう。
こちらの記事もご覧ください。
コメント (4)
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