秋田駅北側の東西連絡橋「WEロード」が自転車通行可能になり、西側に新しい階段ができた。その付近から、秋田駅のホーム内や東側が見渡せる。
いちばん向こう、8番線の東側に「電留線」というのだと思うが、列車が待機する数本の線路があり、昼間に普通列車用の電車がよく休憩している。
手前にはおなじみ奥羽本線・羽越本線の普通列車用のステンレス車体にピンクのライン(帯)の「701系電車」。その向こうには、よく似ているが水色の帯の電車がいる! 701系も青森や仙台など他の地域では帯の色が違うが、水色帯のものはない。「水色の電車」といえば京浜東北線くらいしか思い浮かばないけれど・・・
WEロードに上がって近くへ行ってみる。701系に囲まれて1本だけぽつんと停まっていたのは、やっぱり京浜東北線の「209系電車」だ!!
行き先は「回送」だが、路線名は「京浜東北線」を表示している!
この電車は直流1500ボルトの電源で動くため、交流2万ボルト電化の東北地方では、自力で走行できない。したがって秋田まで機関車に引かれてここまで来たことになるが、その機関車は外されて秋田駅構内にはいなかった。赤い2つの「●」は、最後部を示す反射板。
以前、広島旅行記で少し触れたが、京浜東北線は車両の更新が行われており、この209系電車が次々に引退している。しかし首都圏には引退した車両の置き場所がなく、解体も一斉にはできないので、東日本各地にとりあえず移動させる措置がとられているという情報をネットで見たが、秋田にも来たのかと思った。
ところが、本来10両編成の電車なのに4両しかなく、その両端には運転台付きの車両があって、ちゃんと走行できる状態に組みかえられている。廃車にするのなら、組み替えて短くするなど、面倒なことはしないはず。
後でさらにネットで調べると、209系は全車両廃車でなく、一部は関東のローカル線車両(前の山手線の車両が仙台の仙石線で走っているように)や訓練車(乗務員のいわば教習車)に改造・整備して、使い続ける車両もあるようだ。とすれば、秋田には秋田総合車両センター(旧土崎工場)があるから、改造を受けに秋田まで来た、“生き残る”車両なのだろうか。
背景にはアルスとフォーラス。間違いなく秋田駅の風景だけど、ここに京浜東北の車両がいるのには違和感。
ほぼ正面が新幹線の12番線。「こまち」と対面。
こうして側面から見ると、209系と701系はドアの数が違うくらいで、帯の高さ、窓の感じがほぼ同じだ。
実は両形式とも1993年製造開始で、部品も共通化されたものが多く、走るエリアが違うものの兄弟ともいえる間柄。こうして並ぶと、よく分かる。
西側から。
こちらは反対側の先頭車。機関車と接していた側なので、赤い後部標識がなくて、現役そのままの姿。今にも動きそう。
701系の上り電車が到着し、兄弟が一瞬並ぶ。正面の“顔”は別物で、屋根上の機器配置も違うが、ドアの構造と位置が一緒なのが分かる。前面の車体下、線路際に「スカート(排障器)」という、障害物を巻き込まないための金属器具が付いていて、製造当初は両車同じタイプだったが、秋田の701系はちょっとした雪ならはね飛ばせるよう、「雪かき」形に交換されている。
翌日、209系は秋田駅から姿を消していた。再び機関車に引かれて、隣駅の土崎へ行き、改造を受けているのだろうか。
いずれにしてもこの写真に写っている電車が、水色の帯で京浜東北線を走ることは2度とないはず。なんとなく童話の「きかんしゃやえもん」を思い出してしまう。
この電車は簡単に言えば「頑丈に作って何十年も使う」という旧来の考えを改め、「安く作って更新サイクルを短くする」というコンセプトに基づいているため、「安っぽい」見られてしまうこともある。
ただ、従来の約半分の消費電力という省エネや廃車時のリサイクルが考慮された設計で、時代にあった電車であるとも言えるし、常に新しい車両を提供できるという利点もある。
個人的には、ボロボロの車両に乗せられるよりは快適だし、そんなに悪い車両ではないと思うが、15年で廃車というのは、リサイクルされさらに時代に則した新車に置き換わるといっても、単純に「もったいない」と思ってしまうのは、考え方が古いのか。
では、209系が廃車になるのなら、同い年の701系はどうなるのだろう。
209系をローカル線に転用するように、701系も電気系統など老朽部分を更新・整備して引き続き使用という手もあるから、新車導入かは分からないが、近い将来、何らかの動きがあるのかもしれない。
いちばん向こう、8番線の東側に「電留線」というのだと思うが、列車が待機する数本の線路があり、昼間に普通列車用の電車がよく休憩している。
手前にはおなじみ奥羽本線・羽越本線の普通列車用のステンレス車体にピンクのライン(帯)の「701系電車」。その向こうには、よく似ているが水色の帯の電車がいる! 701系も青森や仙台など他の地域では帯の色が違うが、水色帯のものはない。「水色の電車」といえば京浜東北線くらいしか思い浮かばないけれど・・・
WEロードに上がって近くへ行ってみる。701系に囲まれて1本だけぽつんと停まっていたのは、やっぱり京浜東北線の「209系電車」だ!!
行き先は「回送」だが、路線名は「京浜東北線」を表示している!
この電車は直流1500ボルトの電源で動くため、交流2万ボルト電化の東北地方では、自力で走行できない。したがって秋田まで機関車に引かれてここまで来たことになるが、その機関車は外されて秋田駅構内にはいなかった。赤い2つの「●」は、最後部を示す反射板。
以前、広島旅行記で少し触れたが、京浜東北線は車両の更新が行われており、この209系電車が次々に引退している。しかし首都圏には引退した車両の置き場所がなく、解体も一斉にはできないので、東日本各地にとりあえず移動させる措置がとられているという情報をネットで見たが、秋田にも来たのかと思った。
ところが、本来10両編成の電車なのに4両しかなく、その両端には運転台付きの車両があって、ちゃんと走行できる状態に組みかえられている。廃車にするのなら、組み替えて短くするなど、面倒なことはしないはず。
後でさらにネットで調べると、209系は全車両廃車でなく、一部は関東のローカル線車両(前の山手線の車両が仙台の仙石線で走っているように)や訓練車(乗務員のいわば教習車)に改造・整備して、使い続ける車両もあるようだ。とすれば、秋田には秋田総合車両センター(旧土崎工場)があるから、改造を受けに秋田まで来た、“生き残る”車両なのだろうか。
背景にはアルスとフォーラス。間違いなく秋田駅の風景だけど、ここに京浜東北の車両がいるのには違和感。
ほぼ正面が新幹線の12番線。「こまち」と対面。
こうして側面から見ると、209系と701系はドアの数が違うくらいで、帯の高さ、窓の感じがほぼ同じだ。
実は両形式とも1993年製造開始で、部品も共通化されたものが多く、走るエリアが違うものの兄弟ともいえる間柄。こうして並ぶと、よく分かる。
西側から。
こちらは反対側の先頭車。機関車と接していた側なので、赤い後部標識がなくて、現役そのままの姿。今にも動きそう。
701系の上り電車が到着し、兄弟が一瞬並ぶ。正面の“顔”は別物で、屋根上の機器配置も違うが、ドアの構造と位置が一緒なのが分かる。前面の車体下、線路際に「スカート(排障器)」という、障害物を巻き込まないための金属器具が付いていて、製造当初は両車同じタイプだったが、秋田の701系はちょっとした雪ならはね飛ばせるよう、「雪かき」形に交換されている。
翌日、209系は秋田駅から姿を消していた。再び機関車に引かれて、隣駅の土崎へ行き、改造を受けているのだろうか。
いずれにしてもこの写真に写っている電車が、水色の帯で京浜東北線を走ることは2度とないはず。なんとなく童話の「きかんしゃやえもん」を思い出してしまう。
この電車は簡単に言えば「頑丈に作って何十年も使う」という旧来の考えを改め、「安く作って更新サイクルを短くする」というコンセプトに基づいているため、「安っぽい」見られてしまうこともある。
ただ、従来の約半分の消費電力という省エネや廃車時のリサイクルが考慮された設計で、時代にあった電車であるとも言えるし、常に新しい車両を提供できるという利点もある。
個人的には、ボロボロの車両に乗せられるよりは快適だし、そんなに悪い車両ではないと思うが、15年で廃車というのは、リサイクルされさらに時代に則した新車に置き換わるといっても、単純に「もったいない」と思ってしまうのは、考え方が古いのか。
では、209系が廃車になるのなら、同い年の701系はどうなるのだろう。
209系をローカル線に転用するように、701系も電気系統など老朽部分を更新・整備して引き続き使用という手もあるから、新車導入かは分からないが、近い将来、何らかの動きがあるのかもしれない。