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広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

WeSPa椿山

2008-12-04 19:38:02 | 津軽のいろいろ
五能線の旅の帰り、以前から気になっていた深浦町の「ウェスパ椿山」に立ち寄ってみた。
1995年にオープンした観光施設で、町の第3セクターの経営。温泉・コテージ・ガラス工房などがある。施設の中を国道101号と五能線が貫いていて、2001年には「ウェスパ椿山駅」という施設名そのままの駅が開業。現在はリゾートしらかみを含む全列車が停車している-といっても絶対的な本数が少ないので、ご利用は計画的に。
駅の時刻表。
水色の「快速リゾートしらかみ」は運休日あり。全席指定だが、ウェスパ椿山駅周辺では指定席券を購入できる場所がない点も注意。ちなみに、上り最終の20:37では、東能代駅で接続する秋田行きがない。普通列車で秋田に当日中に戻るには、15:01が最終列車になる。(弘前へは下り最終19:44で到達可能)


深浦から上り普通列車で3駅目、20分弱で到着。無人駅なので車掌にフリーきっぷを見せて下車。カーブの途中に駅があり、ホームはベンチを置くスペースもないほど狭く簡素だが、五能線に場違いといっては失礼だけど明るくきれいな駅でバリアフリー対応のスロープもある。

駅名標の英語表記は「WeSPa」と大文字・小文字の区別まで正式表記なのは、さすがJR。秋田の某バス会社なら「Uesupa」とか書きそう・・・
降りて目に飛び込むレンガ色の建物が「物産館コロボックル」。屋根の上でコロボックル達が遊んでいる。向かいに「白神ガラス工房HOO」、正面に総合案内所がある。後ろ側の線路と国道101号の向こうは山になっていて、頂上に風力発電の風車と展望台があり、駅からスロープカーで登ることができる。物産館前には弘南バスのバス停もあり、不老ふ死温泉や奥十二湖(青池)行きのバスが立ち寄るようだが、こちらも非常に本数が少ない。
駅名の通り、この施設のためだけに存在する駅のようで、周りに人家などは見えない。

訪れた時間帯は、列車間隔が珍しく接近していて、滞在時間は1時間。少なくとも温泉に入って、お土産を買いたい。
まずは、温泉へ。案内所の横に海の方への道が続いていて、レストランやコテージ、1リットル1円の温泉スタンドがあって、海沿いに「展望風呂」と言う温泉がある。駅から2~3分はかかる。日帰り入浴は500円だが、「北東北の日帰り温泉」という本の特典で無料で入らせてもらう。休憩所内に無料ロッカーがあり、石鹸類も備え付け。(※追記・リゾートしらかみ利用者やJAF会員は入浴料が割引になるようだ)

浴室は海に面した「ドーム型開閉式展望露天風呂」で、夏場の天気のいい日は、外との仕切りが取り払われるそうだ。今の時期は閉め切りだが、ガラス張りなので、景色は良く見える。
お湯は「鍋石温泉」という源泉名のナトリウム塩化物強塩泉。秋田市内の温泉施設でもおなじみのしょっぱくて体が温まる泉質だ。無色透明だが、日帰り温泉の本には「泉質はそのままに色だけを取り除いてある」旨の記述があったけど、無駄なことをしているような・・・ 秋田のNaCl強塩泉はもう少し塩味が薄く、苦味もあったりするが、ここはとにかくしょっぱい。入った瞬間に傷口がぴりっとした気がした。でも入っていると肌がすべすべしてくるし、浴室の温度もお湯の温度もやや低めで、熱いのが苦手なので快適。景色も岬と沖合いの雲の切れ間から海に日が差して美しい。風呂上りに海水浴後のように体がベタついたのにはちょっとびっくり。軽くシャワーで流した方がいいかもしれない。
休憩コーナーは海が見えてしゃれた感じ。「ウェスパ椿山オリジナル」とかいうカップアイスを売っていたが、今は我慢。
あまり広くないので、夏休みなどは大混雑するらしいが、今は地元のお年寄りが車で入浴に来ていたくらいで、のんびりと入れた。

温泉よりさらに海寄りのコテージの近くで海を眺める。温泉からの景色とほぼ同じ。
プログラムオート F8 1/400

プログラムオート F7.1 1/250 露出-1.7
ここは海に突き出した崖の上にあり、地形的にはおそらく男鹿半島の入道崎や八戸の種差海岸のような「海岸段丘」だろう。岬の先端は枯れ草で覆われていたから、入道崎・種差と同じく、夏は草原になるのだろう。
下の写真の先端部が「椿山」らしい。時間がなく行かなかったが、陸続きになっていて、階段や鳥居が見えた。右側に小さく見える建物が展望風呂。


最後に駅隣接の物産館「コロボックル」に寄る。わかめや魚などの加工品をはじめとする海産物やガラス製品といったここならではの品が多い。お菓子も青森県内ではわりと見かけるものもあったが、「ウェスパ椿山オリジナル」と銘打ったものがいくつかあり、そのうち2つを購入。

生チョコinクッキー525円。お菓子部門で人気ナンバー1だそうだ。
箱に“ゆるキャラ”らしきものが写っている。青いのが「ビートルくん」、ピンクのが「モモちゃん」で、施設内にある昆虫館のマスコットらしい。ビートルくんの後ろに写っているのがスロープカー。

個包装で10個入り。クッキーはサクッとして、生チョコもおいしい。



ミルククリームサンドバウム「ぶなの峯々」630円。
僕はバウムクーヘンが好きというか憧れのようなものがあり、つい買ってしまった。

2枚重ねになっているように見えるが、間に薄くクリームが入っていてくっ付いている。
クリームの存在感はあまりないが、バウムクーヘン自体がしっとりして、おいしい。高級品にはかなわないが、これもおいしい。
どちらも青森とはあまり関連性がないが、お菓子のお土産としてはお薦めできる。ほかにもリンゴやにんにくなど青森県特産品のお菓子も置いてあるので、選択肢は多い。

さて、さっき温泉でアイスを我慢したのは理由があって、物産館で売っているソフトクリームを食べたかったから。

オレンジでも赤メロンでもなく、なんとニンジンソフトクリーム(バニラとバニラ・ニンジンのミックスもあり、いずれも250円)。
深浦はニンジンの産地であり、地元産のニンジンを原料にしているそうだ。味はニンジンベースのミックスジュースみたいな味。カロテンのためかカボチャっぽい味も少しした。味付きソフトは食べているうちに、冷たさで麻痺して味が分からなってきてしまう。
「充実野菜」のようなジュースが飲める人なら大丈夫だと思うが、ニンジンが苦手な人にはやっぱりダメかもしれない。(※物産館は休業日あり)

ちょうど1時間が経過。車体を傾けながら列車が来た。

ホームの狭さに注目。黄色い線の内側と外側が同じくらいの幅。

今回、ウェスパ椿山を見て、弘前市(旧相馬村)の「星と森のロマントピア・そうま」によく似ていると思った。あちらは岩木山を望む内陸でホテルを併設するが、開業年が同じで、第3セクターの経営、温泉の雰囲気や独立した宿泊棟など共通点が多い。ロマントピアのホテルに泊まったことがあるが、なかなか良かったので、椿山にも期待してしまう。

ウェスパ椿山のコテージは1人でも利用できるそうで(1泊2食9000円から)、各棟に温泉が引かれている。夕焼け、波の音しかしない静かな夜、星空のもとで、日常の喧騒から離れてゆっくりするのもいいかもしれない。
コメント (2)
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