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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

やまびこ号・まんたらめ号

2008-12-21 18:08:39 | 秋田のいろいろ
やまびこ号」といえば、東北新幹線の各駅停車だが、秋田には別のやまびこ号がある。

列車ではなくバス。大町のニューシティで降車中。
ヘッドライトの間の“行灯(あんどん)”に「秋田市」と表示されていて、市の自家用バスだ。

車体は黄色というかカラシ色。
白と水色の直線が迷路みたいに見えるけど、何か意味を持っているのか。そして直線的で単純化された白い人と犬。犬がNHK教育のピタゴラスイッチの「フレーミー」みたいでかわいい。
【2017年9月23日追記】1980年代のアメリカのポップアート画家・キース・ヘリングという人の絵に、どこか似ている。人物や犬を好んで描いた人だそうで、やまびこ号のデザインに通ずる。


後部
屋根の一部が水色のアクセント。リヤウインドウ下の四角い箱みたいのは太陽?
使用目的を検索しても詳細は分からなかったが、秋田市教育委員会管轄の中央公民館が運行と管理を行っているという2004年度の情報があった。利用者の送迎とか、公民館外で行う行事の輸送用なのだろうか。ニューシティには中央公民館が入居しているから、ここで人を降ろしていたのは納得。
秋田市(特に中心部)で走っているのをたまに見かける。


まんたらめ号」というバスもある。

「まんたらめ」とは、秋田市東部、太平山麓に2003年開業したこちらも市教委管轄の「秋田市太平山自然学習センター」の愛称。所在地の「秋田市仁別字マンタラメ」に由来するが、アイヌ語で「源流」の意味だという。
同館の主な使用目的は、いわゆる林間学校(秋田ではそう呼ばないけど)で、市内の小学校5年生が屋内、中学校1年生が屋外キャンプで、学校ごとに1泊して活動を行う。バスは各学校とまんたらめの送迎用だが、年に数回、市民向けのイベント開催時は、秋田駅などとの間の送迎を行っているようだ。「やまびこ号」より見る機会が少ないかもしれない。僕は撮影時に初めて見た。

2003年度に秋田市立御所野中学校美術部員が共同でデザインし、2004年春から走っているようだ。
バスには珍しく中間色を多用した、メルヘンチックなデザインで、バンパーにまで描かれていて、ボディを有効に使っている。
行灯にも「まんたらめ号」

正面が学習館のある太平山
同館ができる前は「大森山少年の家」があり、同様に宿泊研修や宿泊訓練という行事があった。僕たちの頃は、送迎バスはなく、貸切バスで行き来したので、後でバス代を集金された。
現在、まんたらめ号になって無料で利用できるのなら、負担軽減にはなっているが、1台しかないようなので、児童・生徒数の多い学校ではピストン輸送しているのだろうか。
【2021年2月25日追記】2021年度時点では、ピストン輸送ではなく、まんたらめ号で運びきれない分は、民間の貸切バスを使うようだ。年度分の日時や必要台数を示した上で一括して、秋田市が入札を行っていた。児童生徒の費用負担は不明。


さて、秋田市所有の2台のバスを紹介したが、「やまびこ号」は日野セレガ、「まんたらめ号」は今は生産されていない、いすゞスーパークルーザーという、古めではあるが、新車で数千万円すると思われる、大型観光仕様のバス。
秋田市内の移動用にこんなに立派な車両でなくても、と思われるかもしれないが、これにはからくりがある。

どちらも中古車、しかも今はなき秋田市交通局の貸切車両だったのだ。秋田市営バスは、観光・貸切事業もしていて、立派な専用車両を保有していた。

「やまびこ号」の方は1990年代前半に購入した車両の1台だと思われる。
この頃導入された車両は、従来の貸切バスの塗装を少し変えて、「AKITA CITY」という表記と3つ星「★☆★」を書き加えていて、中学生だった僕は「かっこいい。乗ってみたい」と思ったのだが、これより古い貸切バスには遠足などで何度も乗ったが、このタイプの車両には乗らずじまいだった。
昔の回数券の表紙のスキャン画像。スタンプの文言が哀しい。
上の画像は別の車両だが、「やまびこ号」も交通局時代はこの塗装だったはず。

「まんたらめ号」はドアに注目。観光バス主流の、車外にせり出して開く「プラグドア」ではなく、路線バスと同じ、折り戸。もう1点、祝日に国旗・市旗を付けて走るための棒がヘッドライトの横に付いている。(追記・フロントガラスが2分割なのも特徴。貸切用なら1枚ガラスでワイパーの付き方が違うものが多い)この特徴から、貸切用ではなく秋田市内と秋田空港間で運行していた空港リムジンバス用車両の更新のため、1993年に購入した2台のうちの1台に間違いない。従来の交通局のものと違うシンプルな塗装で導入され、「ちょっと変わった車だな」と思っていた。その数年後、交通局の行政改革・合理化が始まり、中央交通と共同運行だったリムジンが真っ先に中央交通に移管され、新しいのに行き場のなくなったこのバスは、貸切に活躍の場を移した。【下の追記参照】

ところが、行革の波がさらに押し寄せ、1998年交通局は観光事業を廃止。秋田市の貸切車両は豪華で新しい車両が多かったので、多くが県内外のバス会社や観光施設(送迎用)など新しい所有者へ売却されたが、(交通局という部局から離れたとはいえ)秋田市の元に残った車両がこの2台であり、交通局自体がなくなった今となっては、秋田市が所有する数少ない交通局の“形見”ではないだろうか。

不思議なのは、1998年から2003年のまんたらめ開業までの5年間、「まんたらめ号」は何をしていたのか? 大森山少年の家にでもいたのだろうか。ともかく、路線用の中でも特殊なリムジン→貸切→空白の5年→市施設の自家用 とめまぐるしい変遷をたどっていることになる。もう1台の元リムジンの車両はどこへ行ってしまったのかも気になる。
【2014年4月6日訂正・追記】
リムジンからまんたらめ号になる間のことが分かった。
秋田市では1998年度に、老人クラブが活動する際に無料で利用できる「いきいきふれあいバス」事業を開始。(2000年度からは1割負担に変更)
その車両として、元リムジンの2台が使われていたようだ。塗装は別のものに変えられ(2台で色違い)たものの、緑ナンバーのままで「秋田市営」の行灯もあった。(秋田22 い444と445。444のほうがまんたらめ号になったようだ)
つまり、リムジンの後は「貸切用」ではあるものの、特殊な貸切用だった。変遷は、リムジン(路線)→いきいきふれあいバス(貸切)→まんたらめ号(自家用)ということになるのだろうか。
【2016年7月25日追記】空港リムジンから交通局が撤退したのは1995年春らしい。いきいきふれあいバスは1998年開始。1995~1997年は、一般貸切だったのか?

【2014年11月11日追記】
まんたらめ号は、いすゞの純正車体ではなく、“準純正”ともいえる富士重工が架装した「マキシオン」というボディタイプのようだ。この記事中ほども参照。


以前、同じく市教委管轄の自然科学学習館の送迎バス(これは新車購入)でも書いたが、この車両も「秋田市中央公民館」とか「秋田市太平山自然学習センター」という表示がどこにもない。「まんたらめ」なんて分からない人が多いのだから表示があってもいい。
それに秋田市の車両なのだから、市章があってもいい。市営バスの路線バスは正面に、貸切バスも側面にきちんと市章があり、この2台もかつては付けていたはずだ。

※その後(2012年)も活躍するやまびこ号の姿
2014年のまんたらめ号はリンク先後半

※直接の関係はないが、県が保有する自家用バスに「のーまらいなー」なるものがある。

※やまびこ号は2019年度に廃車となった。後継の2代目(?)やまびこ号を2019年10月3日に目撃。中型の「日野メルファ」で水色系の塗装で、先代との共通性はなさそう。正面の行灯は「秋田市」。ナンバーは「393」だったか。→この記事にて
2020年にはまんたらめ号も代替わりした
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ファイト一発!

2008-12-21 00:08:12 | 動物・植物
秋田市の中心部を流れる旭川は、両岸を護岸で固められている区間が多く、高い位置の道路から川面を見下ろすことが多い。しかし、狭いながらも河川敷があって降りられる場所がある。そこは僕が小学生の頃、中洲と河川敷の間にせせらぎを作り、飛び石で渡るちょっとした公園風に整備されたのだが、「子供が遊ぶには危険」との声が出て、川への立ち入りを学校が禁止したことがあった。現在も、河川敷の部分は散歩途中の休憩やストレッチする人がいるが、せせらぎや中洲は草が茂って、散歩中のラブラドールレトリバーが泳ぐくらいで、子供はもちろん、大人も立ち入っている気配はない。

先日、川岸の道から階段を降りてそこへ入ってみると、中州への飛び石の上にネコがいた。

川岸のお宅で飼われているネコだ。警戒心の強い子だったなと思いながら、撮影。

頭の一部としっぽが黒く、他は白の珍しい柄。顔つきは女の子っぽいかな。顔だちがよく、白い部分が真っ白できれい。

この後、やはり警戒されてしまったようで、岸に戻ってきた。中州にいた方が人間が近寄らないから安全なのに。

ネコの自宅へ戻るためには、僕の後ろにある階段かはるか先の別の階段へ遠回りするしかなく、どうするのかなと思っていると・・・

護岸に飛び乗った!
石垣風でつかまる場所があるとはいえ、急角度でかなりの高さがある。
上の画像のネコの部分を拡大。
後足を一生懸命広げて登っているけど、カメラ目線。

あと少し。

ふぅ~
左後足の肉球が見えてる。この格好でじっとして、川岸の道の様子を伺っている。犬が通ったのでやり過ごしていたようだ。

 
犬がいなくなって、無事到着。
僕は階段で道に上がると、逃げずに生垣の影からじっとこっちを見ていた。

下は少し離れた所から以前撮影した画像。
橋の下の茂みから橋のたもとの道までよじ登った。こんなに高くて急角度なのに。

大森山動物園にもいるユキヒョウというネコ科動物は、山岳地帯の急斜面で生活し、身のこなしが軽いというが、小さなネコにしてみれば、この護岸だって似たようなものだ。人間でいえばファイトイッパーツのCMくらいかも。
ネコの身軽さを見せてもらった。
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