広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

日本最大

2008-12-02 22:13:01 | 津軽のいろいろ
ネットで「青森県深浦町にある日本最大のイチョウの黄葉が見ごろ」という情報を入手した。何年か前から(秋田市内のイチョウよりも見ごろになるのが遅い)気になっていたが、行く機会がなく、2007年は黄葉する前に風が吹いて一晩で落葉するなど、タイミングが難しかったが、ついに行くことができた。

イチョウは深浦町北金ヶ沢地区にあり、最寄り駅は五能線の北金ケ沢駅(地名はヶと小さく、駅名はケと大きく書くようだ)。秋田からは弘前回りの五所川原・鰺ヶ沢経由よりも東能代から五能線に入って、岩館・深浦経由の方が近い。といっても150km弱、奥羽本線回りの秋田-弘前とほぼ同じ距離。乗り換えの待ち時間を含めて全区間普通列車で4時間ほど。きっぷは秋田から北金ケ沢の1つ手前の千畳敷駅までが乗り放題の「五能線パス(B)」3000円に乗り越し分千畳敷-北金ケ沢往復の360円を使用したので、普通乗車券よりも1500円以上得。
五能線の海沿いの車窓はやはり素晴らしかった。別記事でご紹介したい。

北金ケ沢駅の到着直前、右側に大きな黄色い茂みが見えた。これがイチョウだろう。
北金ケ沢は簡易委託駅できっぷの販売窓口はあるが改札・集札業務はしていない。こういうタイプの駅では、車掌がきっぷの回収を行う。乗ってきた列車はワンマンでなく車掌が乗務していたが、ホームに下りてこない。仕方ないので、回収箱にきっぷを入れる。
駅のすぐ能代方向に踏切があり、それを渡ってもイチョウに行けそうだったが、駅の正面へ出てみる。海側が正面、左右方向の道路に商店街というほどでもないが商店や役場の支所などが並ぶ。鰺ヶ沢と深浦を結ぶ弘南バスもここを通る。おそらく「大間越街道」の旧道。
左に曲がってしばらく行くと、「バイパス入口」というバス停があり、「日本一の大イチョウ」という矢印標識も出ているので、左折。跨線橋を渡る。岩木山が見えた。雲で頂上は隠れているが、雪を頂いている。ここから見る岩木山は弘前市街のちょうど裏側になるはずだが、岩木山と海が一緒に見えるというのは、弘前側の感覚にはなく、斬新。

プログラムオート F6.3 1/160

岩木山の反対側に大イチョウ。ここからでも存在感充分。
プログラムオート F6.3 1/100 露出-0.7
跨線橋の突き当りが現在の大間越街道、国道101号線(上の写真でイチョウの樹冠左側の白いガードレール)で、深浦に向かって上り坂になっている。突き当たる直前を右折(上の写真で線路沿いの下り坂の道)すれば大イチョウ。駅から10分ほどで到着。

道はイチョウの先で行き止まりになっているようで、トイレと駐車場が整備されている。車で見に来た人、三脚を構えて撮影する人、タクシーで来て「来てよかった」とドライバーに話す旅行客もいた。飲食物や産直の出店があってもよさそうだが、さすがに寒い時期のためかなかった。
プログラムオート F5 1/160 露出-0.3
落葉が進み、黄葉の最盛期は過ぎている感じ。でも、この“茂み”が1本の木とは思えない、すごい迫力だ。この「北金ヶ沢のイチョウ」は天然記念物に指定されており、高さ31m、幹回り22m、樹齢はなんと1000年以上!

道路よりもイチョウのある部分は低くなっているが、びっしりと落ち葉で黄色いじゅうたんになっている。イチョウの葉は油分があるから、気をつけないと滑る。
下の写真左端に三脚が写っていて、木の大きさが分かる。

プログラムオート F3.2 1/60 露出-0.3

このイチョウの特徴がこれ。
プログラムオート F3.5 1/80 露出-0.7
気根(きこん)といって、幹から空気中に根が出ている。ガジュマルとか熱帯性の樹木ではよく見るが、温帯の木では珍しいと思う。この姿から「垂乳根のイチョウ」とも呼ばれ、母乳がよく出るようにと、信仰の対象として大事にされてきたようだ。

最後に国道に上って海とイチョウを見下ろす。やっぱり大きい。
プログラムオート F6.3 1/100 露出-1.3


プログラムオート F5.6 1/200 露出-1.3
海の向こうに陸地がうっすら見える。50キロほど向こうの津軽半島の小泊のようだ。

滞在時間は1時間。ちょうどいい時間だった。反対方向の列車で戻る。
今年は秋田の街路樹のイチョウも黄葉がきれいだったが、最後に素晴らしいものを見られた。できれば青空に映える黄金色の所を見たかったし、夏の木陰も気持ちいいかもしれない。それに深浦周辺は他のイチョウや杉など有名な巨木が多いので、見てみたい。
コメント (6)
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