広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

余震の被害

2011-04-09 20:09:58 | 地震

秋田ケーブルテレビの回線トラブル(後述)により、追記が遅れてしまいましたので、続きを別記事にします。
今さら感もありますが、7日夜の余震の秋田の状況をまとめておきます。

・秋田県内では死者なし。県警によれば6人がけが(いずれも秋田市外)としていたが、今日になって4人に訂正。
・停電による設備停止により、秋田市内の製紙工場で火災が発生。停電による信号機停止による交通事故や工場業務への支障もあった。

・秋田駅自由通路の天井パネルが落下(前回と同じ?)したり、本震で被害が出て修理を終えた広面小学校では再び液状化が発生するなどの被害が発生。
民家などでもブロックの一部が崩れるなどの被害を見かけた。
秋田市内某所
道路沿いの民家のお庭? の隅に、小さなお堂があるのだが、ひっくり返って(というか横倒しか)しまった。
たまにしか通らない場所で、3月11日以後は1度しか通っておらず、その時は気付かなかったので、おそらく7日の余震で倒れたのではないだろうか。
 土台を残して上がコロンと倒れてしまった

道路側に倒れなくてよかった

・秋田市は停電のみ。ガス・水道の供給停止はなし(ごく一部で断水があったようだ)。
県全体では五城目町や八郎潟町など6市町1万2千世帯で断水した。五城目町では前回も断水していたが、非常用発電機がないため(費用の面から)、停電すると必ず断水してしまうからだそうだ。

・停電は、地震発生時に秋田・能代(秋田県)・八戸の各火力発電所(計240万キロワット)が自動停止したのが直接的な停電の原因のようだ。(他の東北電力の火力発電所は本震の時から停止したまま)
発電機自体の“耐震装置”みたいなのが作動したのかと思っていたが、宮城県内などの一部の変電・送電設備が地震で損傷し、そこに電力を送りすぎるのを防ぐために停止したとのこと。
北東北3県は全域で停電したが、翌朝には各発電所が順次発電を再開し、設備の点検が終わった変電所ごとに送電が再開された。
ラジオで「復旧作業に当たっていますが、送電再開のめどは立っていません」と言っていた10分後に、秋田市中心部の送電が再開された。

前回もそうだったが、東北電力の現場の皆さんの尽力には、こっちは客とはいえ頭が下がる。
もちろん、水道やガス事業者でもライフライン確保のために努力を続けた方々がいたからこそ、秋田市では水もガスも止まらなかったわけです。

・秋田県立の全学校と秋田市立の全学校は8日は休校。入学式を延期した小学校も多い。
・県議会議員選挙の期日前投票所、医療機関、銀行などは、停電中は場所や業務内容を限定して営業。復旧後は通常に。
・秋田のJR各線は8日は終日全線運休としていたが、停電の復旧が早かったため、在来線の一部は、8日18時以降に順次運転再開。今日9日はほぼ通常通り(=余震発生前)運転の予定だったが、土砂崩れ発生で弘前-青森間が運休するなどしたため、一部運休。


・停電復旧後、秋田ケーブルテレビのテレビ放送受信やインターネット接続ができない地域が発生
我が家では、昨日、テレビは正常だが、ネットがつながらなかった。

コミュニティチャンネルのデータ放送では、ネットに「接続しにくい状況となっております」となっていた。8日12時以降、ネット接続サービス利用者すべてに障害が出ており、障害原因は調査中、「復旧まで今しばらくお待ちください」としている。(復旧した9日19時現在もこの画面のまま)
そもそも“接続しにくい”じゃなく、まったくつながりませんでした!

デジタル放送123chのコミュニティチャンネルサブチャンネルの天気予報チャンネル(アナログでは12ch)の画面下の告知では、ネット接続できないのは「一部のお客様にて」となっていて食い違っている。
【9日23時追記】実際には、接続できたお宅もあったので、「一部のお客様」の方が正しかったことになる。
“接続しにくい”じゃないってば!

また、天気チャンネルでは「一部の地域を除きテレビ視聴ができない地域がございます」とも表示されていた。
テレビは見られない地域の方が多いってことか?
って言うか、テレビで「今テレビが見られません」って案内しても、その情報を必要とする人はテレビが見られないわけで、意味がないよ…

今朝になって、我が家のネットは復旧していた。
天気チャンネルでは、ネット障害が「8日12時頃~23時」に接続しにくくなっていたことのお詫びの告知が出ている。
テレビの障害については触れていない(告知画面自体がなくなった)。

上記の通り、データ放送では上の写真と同じ「お待ちください」「調査中」のまま。
公式サイトにはお詫びが出ていて、障害原因が「ケーブルモデムリンクアップ処理の輻輳による」だそうだ。
なんだそりゃ? イミガワカリマセン。

ケーブルテレビ局にとって、これらの状態は非常事態だ。
それなのに、天気予報チャンネルの告知は、他の広告に混じってループで表示されていた。
「SEIBU『秋田の男市』」
データ放送の方も、奥深い階層に掲載されていたし、上記の通り復旧しても障害中のままの画面。目立たないし誠意が感じられない。
それに、そもそもつながりにくくじゃなく、つながらないんだってば!
せめてコミュニティチャンネルの画面にずっと表示し続けるくらいはしてほしかった。

【10日追記・画像追加】10日の夕方時点でも、コミュニティチャンネルのデータ放送は、まだ「接続しにくい」「お待ちください」「調査中」のまま。
データ放送の画面(10日17時28分)
もっと迅速な情報提供をお願いしたい。
【11日追記】11日22時現在も変わりなし…
【12日追記】12日になって、データ放送画面のその項目自体が消去され、一覧画面は「お知らせはありません」に変わった。お詫びもせずになかったことにしたのか?
自然災害による電力会社の停電の復旧後なので、つながらなかったこと自体は仕方ない。CNAも努力したのだろう。だから料金を日割りして割り引けなどと言うつもりもない。でも、謙虚な説明とお詫びをして、もう少し誠意を示してほしいな。


・8日朝は市内のガソリンスタンドやスーパーやホームセンターには行列ができたという。商品の配送は正常に行われ、各店舗は非常電源や手作業の会計で販売したそうだ。
買いだめする人はおらず、整然と並んでいたようだったが、雨の中スーパーの玄関に並んでいた人、カゼを引かなかっただろうか。

・呆れたのは選挙期間中である秋田県議会議員秋田市選挙区に立候補している某候補。(名指ししたいくらいだが、今の時期だと公選法に触れそうだからやめときます)
停電で信号機が停止して車の通行がスムーズかつ安全とはいえず、多くの市民が停電して暖房も不充分な環境にいる中、
「◯◯でございます。皆様どうぞお気をつけてお過ごしください。◯◯でございます。」
と、余計なお世話の連呼をして行った! 必死なんですな…
【11日追記】この候補は落選した。

秋田市選挙区では、19名が立候補している。
告示前に、選挙運動の自粛について立候補予定者が話しあったが、話がまとまらなかったという。そのため、自転車や徒歩で回っている候補もいれば、いつも通りの選挙カーでの連呼を行う候補もいる。いつもよりは少ない印象だが、少なくとも4~5名は選挙カーを使って無意味なことをわめき散らしている(時間を短縮してはいるのかもしれないけど)。
報道によれば、昨日は選挙運動を中止した候補も少なくなかったそうだが、上記のような候補がいたのも事実。(由利本荘市選挙区にもいたとのこと)
こんな身勝手な人たちに、秋田県政を任せていいものだろうか。

秋田県選挙管理委員会では、昨日、開票集計作業のリハーサル(各市町村からのデータをまとめる)を実施する予定だったが中止した。今日、簡単な確認作業は行ったようだが、ぶっつけ本番になるようだ。
やっぱり今はまだ、選挙を行う時期ではなかったと思う。


●「秋田市の震度」と言っても…
さて、今までの地震でも「秋田市の震度」としていろいろ書いてきたが、マスコミで報道される震度というのは、「その地域内の観測地点で観測した震度のうち、最大のもの」を使うことが多いみたいだ。
「秋田市の震度」と言っても山王の秋田地方気象台だけで計っているわけではない。

秋田市内だけでも、6か所に地震計がある(気象庁のデータベースで過去の震度を検索できる)。地点名としては次の通り。

秋田市山王:これが山王にある国の第二合同庁舎内の秋田地方気象台。
秋田市雄和女米木:これも気象庁の震度計のようだ。具体的な場所は分からないが、旧雄和町。
秋田市八橋運動公園:気象台の向かいにある公園だが、ここには「独立行政法人防災科学技術研究所」が地震計を置いているようだ。具体的にどこにあるのかは分からないが、以前は秋田地方気象台も同公園内にあった。
八橋運動公園は丘陵地を平らにした公園なので、地盤が硬く、震度が低めに出るという話を聞いたことがある。実際、データを見てみると、たしかに気象台や消防庁舎(下記)の中では、いちばん低い震度を観測している場合が多い。


以下は、自治体設置であり秋田市役所の関連施設に設置されていると思われる。総務省消防庁が、各自治体ごとに地震計の設置を推進しており、これに対応したものだろう。

秋田市消防庁舎:これも所在地としては秋田市山王。秋田市役所正庁裏、八橋運動公園の向かいというか脇の秋田市消防本部が入る建物。
秋田市雄和妙法:おそらく秋田市の雄和市民センター。(5月16日からは雄和市民サービスセンター、合併前は雄和町役場)
秋田市河辺和田:雄和と同様に河辺市民センター。(同様に河辺市民サービスセンター、河辺町役場)


以上のように、平成の合併前の秋田市にある震度計は3つで、しかも極めて近くに設置されていることが分かる。

3月11日の地震の震度を改めて検索すると、
5強:雄和妙法、5弱:消防庁舎、河辺和田、4:山王、雄和女米木、八橋運動公園
であった。
昔(20年くらい前?)は震度を人間が体感で決めていたので、バラつきがあっただろうが、機械で観測する今でもやっぱり各種条件で違うものだ。
【2019年9月15日追記】その後の雄和妙法の震度について。
2019年9月5日付秋田魁新報で「雄和妙法は揺れる? 震度計が軟弱地盤に、移設→他と同じに」として報道された。妙法は軟弱地盤のため「「地震で揺れやすい」として防災関係者らに知られた」場所だそうで、2000年以降に秋田県内で震度4以上の地震は33回あったが、妙法ではそのうち21回観測し、秋田市内の他の4地点では4~7回に留まったという。
問題視されたのか、現在は雄和新波に移設(2018年1月?)され、以後は一般的な観測データが出ているようだ。秋田市内のいずれかで震度4以上を観測すると、秋田市役所職員はすぐに登庁しないとならないが、それも少なくなったそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする