【15日追記】
東北観光博サイトの誤訳が報道されたこともあり、当ブログへ多数のアクセスをいただいています。
当ブログでは誤訳に関して複数の記事をアップしています。
以下の各記事ですので、余裕のある方は順番にご覧いただくことをおすすめします。
4月7日 → 4月8日(この記事) → 4月12日 → 4月13日 → 4月25日
東北観光博サイトの誤訳が報道されたこともあり、当ブログへ多数のアクセスをいただいています。
当ブログでは誤訳に関して複数の記事をアップしています。
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4月7日 → 4月8日(この記事) → 4月12日 → 4月13日 → 4月25日
昨日に続いて、「東北観光博」英語ホームページの著しく低レベルな大量の誤訳について。※昨日の記事を先にご覧ください。
昨日アップした後、続々と新しい誤訳を見つけ、おかしいやらあきれるやら。
東北人としては、このような事態になって怒るべきなのだろうし、実際に、日本政府が後押しした観光イベントがこの程度かと悔しい思いがある。
今回も紹介しますので、そのひどさ(とおかしさ)をお確かめください。
・続・セリ
秋田県湯沢市三関(みつせき)地区は、セリ(芹)の産地。「三関のせり」として紹介されていた。
この翻訳システムは、昨日アップしたように秋田市の「ポートタワー・セリオン」を「芹ON」と訳すほどの芹好きらしいから、これは正しく「Japanese parsley」と訳すかと思えば、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/45/3dcc7b864a99e6f7f8ac9d1c0d3ad93f.jpg)
え? オークション??
そう、「競り」と解釈したらしく、「三関の競り」。
・ふとした観光案内
秋田県男鹿市(旧若美町)に「払戸」という地区がある。「ふっと」と読む。
そこにある「男鹿ふっと観光案内所」が掲載されていた。
「ふっと」を「foot」と解釈して、「足の案内所」とか? いやいや、そんなモンじゃありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/34/b22103f1eba38931497cef5152f7ec3d.jpg)
なんか文章になっている。
「incidentally」は「偶然に」という意味。「それはたまたま男鹿の観光案内所です。」?
「ふっと」を「ふとした」と解釈したのか?
・保険屋さん御用達
仙北市田沢湖に「生保内(おぼない)」という地名があり、「生保内神社」がある。それは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/24/48ffa942ba0a121b68588e688a009375.jpg)
「生命保険の神道の神社」
「生保」が「生命保険」、「内」が「in」ですか。
・おさかな天国
青森県の「鰺ヶ沢町」。その名の通り、魚のアジが由来なのかもしれない。
「鰺ヶ沢相撲館」は「Ajigasawa sumo building」などと、地名としてローマ字化されている。
しかし、「リゾートしらかみ15周年記念鯵ヶ沢駅歓迎イベント」では、「Horse mackerel ka Sawa Station~」。
「Horse mackerel」が「アジ」だそうだ。「鰺カサワ駅」。
秋田県横手市十文字に「梨木水かぶり」という行事があるそうだ。
それは「Nashiki water or yellowtail」。
「yellowtail」は「ブリ(鰤)、ハマチ」。「梨木/水/か/鰤」。
もちろん、鰤とは関係ない行事。
青森県むつ市の「ヤマメつかみどりまつり」。
「ヤマメ」に相当する英語はないのかもしれないが、「Yamame-tsuka Green Festival」。
「Green」? 「ヤマメつか/緑/まつり」。
福島県いわき市で恐竜が発掘された場所があり、それが「フタバスズキリュウ発掘地」。
発見された地層の名前「双葉」と発見者の姓「鈴木」にちなむのだが、「Futaba Industrial sea bass Ryu excavation place」。
「sea bass」は魚の「スズキ(鱸)」で「フタバ/鱸/リュウ/発掘地」。「Industrial」の脈絡は不明。
・動物も登場
福島県いわき市の植田という所で開催される「うえだ街なか軽トラ市」は、「ueda street naka light tiger city」。
案の定、「軽トラ」は「軽い虎」。
・またもや蚊
青森市の八甲田の「萱野(かやの)高原」に「かやの茶屋」がある。
「Teahouse of mosquito net」。また出たmosquito!
蚊のネットだから「蚊帳」。「蚊帳の茶屋」。蚊に刺されなくて済みそうだけど…
・吸血動物も
青森市浪岡の「道の駅「なみおか」アップルヒル」。もちろん「リンゴの丘(hill)」という意味。でも、
「Roadside station "namioka" apple leech」
「leech」は血を吸う動物の「ヒル(蛭)」。気持ち悪い道の駅だ。
ほかにも道の駅は珍妙な訳が多い。マイナーな地名をさらにひらがなにしたものが多いからだろう。
また、道の駅の愛称をカギカッコで囲ったり囲わなかったり、スペースの有無が統一されていないのも、誤訳を助長しているかもしれない。「道の駅」自体は「Roadside station」としているが、それも怪しい。いくつか。
・性別不詳
秋田の上小阿仁の「道の駅かみこあに」は、「Roadside station or medium older brother」。
「older brother」は「兄」、「medium」は「中ほど」などの意味のほか「霊媒、巫女」という意味(プログレッシブ英和中辞典では7番目に掲載)があった。
すなわち、「道の駅/か/巫女/兄」だ。「道の駅でなければ、巫女の兄である」ということで、男なのか女なのか?
・その他まとめて
福島県古殿町の「道の駅「ふるどの」おふくろの駅」は、「Roadside station "fall; which", is station of Momma」。「道の駅「降る、どの?」はお母ちゃんの駅」か。
岩手県花巻の「道の駅とうわ」は「We ask roadside station」。「道の駅問うわ」。道の駅の存在意義を問いただされているのか?
岩手県久慈の「道の駅 くじ「やませ土風館」」は、「Roadside station lottery "we let you stop dust storm building"」。
「lottery」は宝くじなどの「くじ(籤)」。「dust storm building」は「土風館」を1文字ずつ直訳か。よく分からないが、それを「we let you stop」、「やめさせられ」ているらしい。
・これはひどい
岩手県八幡平市の「道の駅にしね」は
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/4b/55a3e23056d321197584400123b88db3.jpg)
「道の駅で死ぬ」。
「道の駅に/死ね」だろうが、縁起でもないし、ひどすぎる。
以下適当に。
・擬音や感動詞
「It is poco mountain Park park center pop」ですって。秋田の方なら知っているかも。
「それはポコ山公園公園センターポップ」?
八峰町峰浜の「ポンポコ山公園 パークセンター」のこと。
山形県余目(あまるめ)の「あまるめ植木金魚まつり」は、「Oh, we round and enshrine garden plant goldfish」。
「ああ、私たちは庭の植物の金魚を丸めると祭る」? 「あ! 丸め~」か。
山形県三川町の「アトク先生の館(三川町文化交流館)」。阿部徳三郎という建築家が「アトク先生」と呼ばれて親しまれたようだ。
「Oh, hall (Mikawa-machi cultural exchange building) of advantageous teacher」。
「advantageous」は「都合のよい、有利な」などの意味だが、ここでは「トク(得)」だろうか。「あ! 得先生の館」。
・有名な地名だけど
いわき市中心部の「平(たいら)」地区で行われる「平七夕まつり」は、「Flat Star Festival Festival」。
「平ら/七夕のおまつり/まつり」
青森市の雲谷(もや)でお盆にかがり火(篝火)を燃やしたりする行事「雲谷かがり」。
これは「We sew Moya」で「我々は雲谷を縫う」?
あまり使わないが、縫い付けることを意味する「縢り(かがり)」という言葉があるから、これと間違ったか。
東北有数の温泉地、宮城県の「鳴子」は、ほとんどが「Clapper」と訳されてしまっている。楽器とか映画のカチンコなどのようになってしまっている。
鳴子にある「かんけつ泉」(間欠泉・間歇泉)は「Concise spring」。これでは「簡潔泉」。
同じく鳴子にあり、松尾芭蕉が訪れた「尿前(しとまえ)の関跡」は、「Seki trace before urine」。「小便前の~」…
「奥の細道」自体も「Back narrow path」…
・これもひどい
福島では「福島de福結び」という観光コースがあるようだ。(水引を作る体験コース)
これは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/17/2c2eb4c2849b16ab1bd80d24d11a1bb7.jpg)
「福島の幸運の終わり」………
「結び」を「結束する」ではなく「物事の終わり」と訳してしまったわけだが、あまりにもひどすぎる。
おもしろおかしく書いてしまったが、途中で腹立たしくなった。まだまだ誤訳はあるが、ここで終わりにさせていただく。
観光庁や国土交通省や日本政府は、どこまで本気で東北観光博を開催し、東北を復興させようとしているのだろうか。
この件を一部の関係自治体にお知らせし、国へ抗議するべきではないかとのメールを送らせてもらった。
※本件は観光庁とその委託を受けた業者が勝手に誤訳のページをアップしたものだと考えられます。したがって、関係自治体や団体・企業等の当事者が関与する機会はなかったと思われ、責任はないと思われます。
東北観光博の完全なホームページが見られる日は、いつだろうか。
【10日追記】またまた、あんまりな誤訳を見つけたので、追記します。
岩手県北上市に詩人・作詞家のサトウハチローの記念館がある。
記念館は以前は東京にあったが、サトウハチロー氏の妻の死後、妻の出身地であり、アクセスや環境を考慮して北上に移転したそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/c3/5dac0ff2e1166aa6bcd7d9b199c64f56.jpg)
今までのヒドイ誤訳をご存知の方々には察しがつくかと思いますが…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/bb/065705a5a33991a258691c3599f844e6.jpg)
「砂糖/蜂/ロー/記念(館)」だそうです。甘そう…
人名を間違うとは、失礼なことだ。
ちなみに、福島県二本松市の「智恵子抄詩碑」は「chimegumikoshoshihi」と、文字単位で音読み。
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