今年は春の訪れが遅いと思っていたら、やはり時期が来れば暖かくなるもの。
秋田地方気象台では、秋田市で4月10日にウグイスの初鳴き、12日にツバメの初見、20日にイチョウの発芽を観測。平年より5日前後遅いものが多いが、ツバメだけはなぜか6日早い。
ソメイヨシノは平年より6日遅く、昨年より1日遅い24日に開花。
通常なら満開まで1週間ほどかかるが、今年はわずか2日後に満開(平年より4日遅く、昨年より1日早い)になった。過去にこんなに早く満開になった記憶はない。連日、平年より5度ほど高い20度前後まで気温が上がったためだろうか。
さて、秋田市内の桜の名所といえば、千秋公園は別格として、楢山~牛島の太平川、高清水公園そして新屋の水路沿いが有名で、いずれも小規模ながらさくらまつりが開催される。
千秋公園より若い木が多かったり、人出がそれほど多くなかったりして、桜を楽しむだけなら、これらの会場のほうがいいかもしれない。
この記事では、意外にも当ブログでは初登場となる、新屋の桜をご紹介します。
「あらやさくら公園観桜会」というイベント名だが、そのような名称の公園はなく、正式には「大川端帯状近隣公園」という。
「帯状公園」というだけに細長い公園で、「延長約1kmにわたり、400本近くのソメイヨシノが咲き誇る」という。
実はこの公園、以前は製紙工場の排水路だった。
現在の西部工業団地の場所には、かつて「十條パルプ」の工場があった。(1940年頃の操業開始で、運営企業は「十條製紙」、さらに古くは「東北パルプ」だった期間が長く、古い秋田市民は旧称のほうが通じるはず)
その排水路は、工場から羽越本線をくぐり、ほぼ真北へ住宅地を流れ、秋田西中脇で県道56号線(旧国道7号線)をくぐり、秋田大橋と雄物新橋の間から雄物川へ流れていた。線路から雄物川までは約1.2キロ。
1986年の工場閉鎖後、1989年から整備に着手し、1997年に公園として指定されたようだ。
排水路当時から、両岸にソメイヨシノの並木はあったが、水はきれいではなかったし、狭い道路から眺めることしかできなかった。
公園としての整備後は、従来水路だった部分にも人が下りられるようになり、散策や遊んだりできるようになり、下から桜を見上げることもできるので、花見スポットとして賑わっている。
当ブログでおなじみの冬の雪まつり会場である羽越本線新屋駅と美術工芸短大を結ぶ遊歩道は、帯状公園と「T」字型の位置関係になり、今はここにもソメイヨシノが植えられている。
この記事冒頭の写真は、羽越本線を背に下流側を見たもの。
かつて水路だった部分の全幅が芝生(水路は暗渠化?)になっていて、散策のほか、子どもが遊んだり、お弁当を広げるグループには特に人気の一角。
下流側へ進んで、
秋田西中前の歩道橋から上流側。右端奥が大森山
西中付近では、かつて排水路だった部分の中央に細くて浅い水路があり、その周辺にブロック敷きの通路やベンチがある。水路は水が枯れていたり汚かったりして、水遊びは難しいかもしれない。
さらに下流
西中付近より下流では、水路が幅広く深くなり、遊歩道とは柵で隔てられている。
写真でお分かりの通り、満開の一歩手前だった。
駐車場はないものの、両岸が交通量の多くない車道であるため、複数の老人施設もしくは親孝行の方々が、車でお年寄りを連れてきて、車に乗ったまま、あるいは車から降りて花見を楽しんでいた。
先日の強風で折れたのか?
大部分の幹が折れてしまった桜が1本あったが、残った細い枝は花を咲かせていた。
ところで、最近、NHKで「秋田市新屋の桜」としてここのライブ映像が流れている。全国放送でも使われたそうだ。
人が出て中継しているのではなく、遠隔操作で動く、いわゆるお天気カメラ、リモコンカメラ、ロボットカメラのようだ。
NHKでは、期間限定で観光地などにリモコンカメラを設置することがあるから、その一環だと思われるが、角館とかじゃなく新屋とは、ずいぶんと思い切った場所を選んだものです。
どこに設置されているのか探してみた。
カメラの位置は、目の前が桜の花といった感じで、樹冠と同じ位の高さ。
ほとんど桜しか映らず、場所の特定はしにくいが、ちらりと見えた水路は下流側の深いタイプだったので、それがヒントになった。
発見!
大きなカメラなので、わりと見つけやすかった。
2階建ての某老人福祉施設の屋上に設置されていた。
反対側から
カメラはキヤノン製の「U-4SP」という機種。「汎用ロボカメ(No.1)」「NHK秋田」というシールが貼ってある。
向かって右にある筒状のものはマイクか。レンズの前にワイパーらしきものも見える(左側の黒い縦長のもの)。
「U-4SP」は2002年に発売された「リモートコントロールパン・チルトシステム」の機種で、価格は640万円(当時・税抜)とのこと。現在は後継機種が出ている。
カメラの下の道路からはこのような光景
このカメラは、360度パン(回転)が可能なようだが、設置位置からして桜並木側しか絵になる映像にならないと思われる。西向きなので、午前中が順光か。夜は明るさが確保できるだろうか。
カメラがある建物の下の道路あるいは公園内の水路沿いの遊歩道にいる人は、カメラに映ってしまう可能性がある。
カメラの前の道路などには、カメラがあることの告知はない。カメラが目に入ったとしても、カメラ本体のNHKのシールは小さく、NHKのものであると気づく人は少ないはず。
まさかこんな地元の人しか来ないような桜並木を歩いていて、その姿が全国放送されてしまう可能性があるとは、思いもしないだろう。
ここで、以前のアルヴェに設置されたNHKのカメラの一件の時と同じことを考えた。
公道や公共の公園を写しているのだから、そもそも、問題はないのだろう。
NHKでは渋谷のスクランブル交差点や仙台駅前の交差点など、人の顔が判別できるような低い位置に、高画質・高倍率ズームのリモコンカメラを設置しているケースもある。
しかし、新屋のここは人通りの少ない住宅地の中なのだし、防犯カメラでさえ「設置・録画していること」を明示するケースもあるご時世。
この設置方法だと、隠し撮りされているようで、あまりいい気がしない。
例えばNHKから近隣の町内会などへの説明などはあったのだろうか。
以前の補足。
雄物新橋の堆雪場(雪捨て場)の雪の減り具合。※3月下旬はこの程度
現在は、
上流側の秋田大橋から。川の水が増えている
橋の下の黒いのが雪。
かなり減って、橋の路面よりは低い位置だけど、まだけっこう残っている。
先日、秋田市内の消火栓の位置を示す旗が、今年は4月になったのに撤去されていないことを取り上げたが、その翌週くらいには、撤去されたような気がしていた。
新屋地区は秋田消防署新屋分署の管轄だと思うが、住宅地の中の消火栓の旗はなくなっていた。
しかし、大きな通りの少なくとも2か所では、まだ旗が残っていた。
風が強くて勢い良くはためく
火災警報機の啓発入りの旗は、まだ1シーズンしか使っていないわけだが、端がほつれている。樹脂系の素材で、耐久性はイマイチのようです。
【5月3日追記】牛島・仁井田など秋田南消防署管内でも、5月1日現在で相当数の旗が残っていた。
【5月25日追記】5月24日現在、変化なし。秋田消防署管内でも残っている。
昨晩から風が強く、今日は午後から雨。
明日以降は晴れる予報なので、散る前に早く桜を楽しみたいものです。
※翌2013年の新屋の桜やカメラについてはこちら
秋田地方気象台では、秋田市で4月10日にウグイスの初鳴き、12日にツバメの初見、20日にイチョウの発芽を観測。平年より5日前後遅いものが多いが、ツバメだけはなぜか6日早い。
ソメイヨシノは平年より6日遅く、昨年より1日遅い24日に開花。
通常なら満開まで1週間ほどかかるが、今年はわずか2日後に満開(平年より4日遅く、昨年より1日早い)になった。過去にこんなに早く満開になった記憶はない。連日、平年より5度ほど高い20度前後まで気温が上がったためだろうか。
さて、秋田市内の桜の名所といえば、千秋公園は別格として、楢山~牛島の太平川、高清水公園そして新屋の水路沿いが有名で、いずれも小規模ながらさくらまつりが開催される。
千秋公園より若い木が多かったり、人出がそれほど多くなかったりして、桜を楽しむだけなら、これらの会場のほうがいいかもしれない。
この記事では、意外にも当ブログでは初登場となる、新屋の桜をご紹介します。
「あらやさくら公園観桜会」というイベント名だが、そのような名称の公園はなく、正式には「大川端帯状近隣公園」という。
「帯状公園」というだけに細長い公園で、「延長約1kmにわたり、400本近くのソメイヨシノが咲き誇る」という。
実はこの公園、以前は製紙工場の排水路だった。
現在の西部工業団地の場所には、かつて「十條パルプ」の工場があった。(1940年頃の操業開始で、運営企業は「十條製紙」、さらに古くは「東北パルプ」だった期間が長く、古い秋田市民は旧称のほうが通じるはず)
その排水路は、工場から羽越本線をくぐり、ほぼ真北へ住宅地を流れ、秋田西中脇で県道56号線(旧国道7号線)をくぐり、秋田大橋と雄物新橋の間から雄物川へ流れていた。線路から雄物川までは約1.2キロ。
1986年の工場閉鎖後、1989年から整備に着手し、1997年に公園として指定されたようだ。
排水路当時から、両岸にソメイヨシノの並木はあったが、水はきれいではなかったし、狭い道路から眺めることしかできなかった。
公園としての整備後は、従来水路だった部分にも人が下りられるようになり、散策や遊んだりできるようになり、下から桜を見上げることもできるので、花見スポットとして賑わっている。
当ブログでおなじみの冬の雪まつり会場である羽越本線新屋駅と美術工芸短大を結ぶ遊歩道は、帯状公園と「T」字型の位置関係になり、今はここにもソメイヨシノが植えられている。
この記事冒頭の写真は、羽越本線を背に下流側を見たもの。
かつて水路だった部分の全幅が芝生(水路は暗渠化?)になっていて、散策のほか、子どもが遊んだり、お弁当を広げるグループには特に人気の一角。
下流側へ進んで、
秋田西中前の歩道橋から上流側。右端奥が大森山
西中付近では、かつて排水路だった部分の中央に細くて浅い水路があり、その周辺にブロック敷きの通路やベンチがある。水路は水が枯れていたり汚かったりして、水遊びは難しいかもしれない。
さらに下流
西中付近より下流では、水路が幅広く深くなり、遊歩道とは柵で隔てられている。
写真でお分かりの通り、満開の一歩手前だった。
駐車場はないものの、両岸が交通量の多くない車道であるため、複数の老人施設もしくは親孝行の方々が、車でお年寄りを連れてきて、車に乗ったまま、あるいは車から降りて花見を楽しんでいた。
先日の強風で折れたのか?
大部分の幹が折れてしまった桜が1本あったが、残った細い枝は花を咲かせていた。
ところで、最近、NHKで「秋田市新屋の桜」としてここのライブ映像が流れている。全国放送でも使われたそうだ。
人が出て中継しているのではなく、遠隔操作で動く、いわゆるお天気カメラ、リモコンカメラ、ロボットカメラのようだ。
NHKでは、期間限定で観光地などにリモコンカメラを設置することがあるから、その一環だと思われるが、角館とかじゃなく新屋とは、ずいぶんと思い切った場所を選んだものです。
どこに設置されているのか探してみた。
カメラの位置は、目の前が桜の花といった感じで、樹冠と同じ位の高さ。
ほとんど桜しか映らず、場所の特定はしにくいが、ちらりと見えた水路は下流側の深いタイプだったので、それがヒントになった。
発見!
大きなカメラなので、わりと見つけやすかった。
2階建ての某老人福祉施設の屋上に設置されていた。
反対側から
カメラはキヤノン製の「U-4SP」という機種。「汎用ロボカメ(No.1)」「NHK秋田」というシールが貼ってある。
向かって右にある筒状のものはマイクか。レンズの前にワイパーらしきものも見える(左側の黒い縦長のもの)。
「U-4SP」は2002年に発売された「リモートコントロールパン・チルトシステム」の機種で、価格は640万円(当時・税抜)とのこと。現在は後継機種が出ている。
カメラの下の道路からはこのような光景
このカメラは、360度パン(回転)が可能なようだが、設置位置からして桜並木側しか絵になる映像にならないと思われる。西向きなので、午前中が順光か。夜は明るさが確保できるだろうか。
カメラがある建物の下の道路あるいは公園内の水路沿いの遊歩道にいる人は、カメラに映ってしまう可能性がある。
カメラの前の道路などには、カメラがあることの告知はない。カメラが目に入ったとしても、カメラ本体のNHKのシールは小さく、NHKのものであると気づく人は少ないはず。
まさかこんな地元の人しか来ないような桜並木を歩いていて、その姿が全国放送されてしまう可能性があるとは、思いもしないだろう。
ここで、以前のアルヴェに設置されたNHKのカメラの一件の時と同じことを考えた。
公道や公共の公園を写しているのだから、そもそも、問題はないのだろう。
NHKでは渋谷のスクランブル交差点や仙台駅前の交差点など、人の顔が判別できるような低い位置に、高画質・高倍率ズームのリモコンカメラを設置しているケースもある。
しかし、新屋のここは人通りの少ない住宅地の中なのだし、防犯カメラでさえ「設置・録画していること」を明示するケースもあるご時世。
この設置方法だと、隠し撮りされているようで、あまりいい気がしない。
例えばNHKから近隣の町内会などへの説明などはあったのだろうか。
ついでに、秋田ケーブルテレビが市内数か所に設置して、「道路LIVE情報」を撮影しているカメラも紹介しておきます。
こちらは4:3サイズで画質も悪く(しかもレンズが汚れているし)、広角側でほぼ固定アングル(実は時々、ちょっとだけ動くことがある)なので、人が映っても顔までは判別できない。
秋田大橋茨島側
NHKのよりかなり小さい。
やはりCanon
こちらは4:3サイズで画質も悪く(しかもレンズが汚れているし)、広角側でほぼ固定アングル(実は時々、ちょっとだけ動くことがある)なので、人が映っても顔までは判別できない。
秋田大橋茨島側
NHKのよりかなり小さい。
やはりCanon
以前の補足。
雄物新橋の堆雪場(雪捨て場)の雪の減り具合。※3月下旬はこの程度
現在は、
上流側の秋田大橋から。川の水が増えている
橋の下の黒いのが雪。
かなり減って、橋の路面よりは低い位置だけど、まだけっこう残っている。
先日、秋田市内の消火栓の位置を示す旗が、今年は4月になったのに撤去されていないことを取り上げたが、その翌週くらいには、撤去されたような気がしていた。
新屋地区は秋田消防署新屋分署の管轄だと思うが、住宅地の中の消火栓の旗はなくなっていた。
しかし、大きな通りの少なくとも2か所では、まだ旗が残っていた。
風が強くて勢い良くはためく
火災警報機の啓発入りの旗は、まだ1シーズンしか使っていないわけだが、端がほつれている。樹脂系の素材で、耐久性はイマイチのようです。
【5月3日追記】牛島・仁井田など秋田南消防署管内でも、5月1日現在で相当数の旗が残っていた。
【5月25日追記】5月24日現在、変化なし。秋田消防署管内でも残っている。
昨晩から風が強く、今日は午後から雨。
明日以降は晴れる予報なので、散る前に早く桜を楽しみたいものです。
※翌2013年の新屋の桜やカメラについてはこちら