広く浅く

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陸屋根でない体育館

2013-02-05 23:19:54 | 秋田のいろいろ
おとといの記事の通り、秋田市立の学校(雄和、河辺地区を除く)には、昔ながらの丸いカマボコ屋根の体育館はなくなってしまったかと思われる。

しかし、私立高校や民間企業、県立秋田中央高校(元市立高校だったので、建設は秋田市が行ったと思われる)、国立秋田高専などには、カマボコ屋根の体育館がまだ存在するようだ。
中には、カマボコ屋根の体育館を2つ所有する施設がある。
2005年に千秋公園から撮影
2つのカマボコ屋根が仲良く直線上に並んでいる。屋根はグレー系だが、赤だったら、まさに蒲鉾に見えそう。

この2つは、秋田大学教育文化学部附属中学校(秋大附中)の体育館。
上の写真左側の南側のほうが、長さ、幅とも若干小さいようだが、道路からはよく見えないので、長ーい体育館が1棟しかないように見えなくもない。

同校の沿革によれば、1つは昭和39(1964)年5月落成。もう1つは「第二体育館」と呼ばれるらしく「平成9年4月 第二体育館および部室棟整理替により使用開始」とある。「整理替」という役所用語の意味がよく分からないが新築ではないようで、いつ建てられたかは不明。

北側の大きいほう

この丸さが懐かしい(けど秋田市立学校のとはどこか違う)
どっちがどっちか分からないが、1964年築だとすれば、まもなく築50年。補修や改修は行なっているようだが、ずいぶん物持ちがいい。
市立保戸野小や市立山王中のそれぞれ先代体育館は、どちらも40年弱で改築されている。


秋大附中の隣にある同附属小学校は、1997年に校舎・体育館とも改築された(上の「整理替」と同年)。近くにある陸屋根体育館の市立保戸野小と1年違い。
附小の校舎と体育館は、渡り廊下でなく直結されて一体化しているように見え、外壁もサーモンピンクで統一されている。でも、その形は、
切妻屋根
何か仕掛けがあるのかもしれないが、屋根の仕様としては秋田市立学校より10年は遅れていることになる。【6日追記】←あくまで屋根の見かけの話。壁部分の構造を見ると、昔のような鉄骨造(S造)ではなく、秋田市立の陸屋根体育館と同じ鉄筋コンクリート造(RC造)のように見えるので、まるっきり旧来のやり方というわけではなさそう。
【2019年12月12日追記】秋大附属小学校の屋根には「雪止め」が設置されているようだ。雪が一気に滑り落ちないように受け止める(?)金属製の部品。絶対に雪を止めるということではなく、落ちる時は落ちるし、雪を屋根に留めておけば重さや融けた水が雨漏りのようになる(すが漏り)といったマイナスもある。秋田市内の民家の屋根では雪止めがあるのが一般的だが、市立学校の切妻屋根の体育館にはないと思う。秋大なりに、いちおう対策はしていたということか。(以上追記)
こういうところに発注者の方針や、設計者の考え方の違いが現れていると感じる。


ところで、以下は聞きかじった噂を基にした憶測なので、あまり信じないほうがいいかもしれません。
国立大学では、建物の仕様が細かく決められていたという。その1つに、「北海道と北東北にある大学の講義室には、冷房を設置しない」というのがあったとかなかったとか。だから、弘前大学(と岩手大学、秋田大学)には冷房がなかった(コンピュータ室や特殊な実験室等、ごく一部を除いて)のだそうだ。本当かどうかは知らないが…
今は、国立大学法人化されたことだし、北国でも一般に冷房が普及しているから、大学にも設置されてきているのだろうが、北海道はともかく「北東北は夏はけっこう暑い」ということを知らない、霞が関の文部省の役人が決めたことだったのかもしれない。

その調子なら、もしかしたら体育館の屋根についても、落雪の問題など知らない霞が関によって「体育館の屋根はカマボコ屋根または切妻屋根とする。それ以外の構造は、いかなる理由であっても認めない」とかいう決まりを作られ、秋大としては陸屋根にしたかったのに、切妻屋根にせざるを得なかったのかもしれない。(繰り返しますが憶測です)

ちなみに、弘前大学教育学部附属小学校・中学校は2008年に改築され、体育館も新しくなった模様。
法人化後だし、最新の体育館はどんな屋根なのか気になって、Googleマップの航空写真を見てみたが、薄雲が浮いている状態で撮影された写真で、学園町付近は雲の下でよく分からなかった。

※弘前大学などの体育館についてはこちら
※新潟県の体育館については、この記事後半
コメント (2)
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