広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

体育館の落雪・津軽編

2013-02-23 20:47:49 | 津軽のいろいろ
先日、秋田市の学校の体育館の屋根の構造と落雪について記事にした。
カマボコ型や切妻式の屋根では、積もった雪が下へ落ちて危険なため、秋田市立の学校では20年ほど前から、屋根が平らで雪が落ちない「陸屋根」の体育館に切り替えているようだった。
一方、15年前に建てられた秋田大学附属学校の体育館は切妻の屋根で、体育館の落雪対策に関しては、国立大学のほうが遅れているようにも見受けられた。

この記事では、弘前市の状況を紹介しますが、まずは秋田市の続きを少々。
1976年築の切妻屋根の市立秋田東中学校の体育館。
2階がアリーナのようだ
体育館の屋根って、すぐに落雪するから、つららができないようなイメージがあったが、ここには盛大につららが下がっていた。
これは怖い


東中近くの秋田大学手形キャンパス。
体育館は、正門から道路を渡った所に2棟ある。
正門寄りに小さくて古いものが、その隣(東中・線路側)に新しくて大きいのが建っている。
それぞれ「小体育館」「大体育館」という名で、大学のホームページ(http://www.akita-u.ac.jp/honbu/info/in_settlement.html)によれば、それぞれ2591平方メートル、650平方メートル。大学の沿革にも、いつ竣工したのかは出ていない。
小さい方はかなり小さそうに見えるが、実際、一般的な小学校の体育館よりも狭い。大きいほうは、秋田市立小学校の新しい体育館(保戸野小や港北小)のちょうど倍。
秋田大学大体育館
大体育館は、わりと新しそうで、大きくて立派。背が高いから、やはり2階がアリーナだろうか。そして切妻屋根。
コンクリート打ちっぱなし(?)だから、それが流行った、ひと昔前くらいの建築だろうか。
切妻屋根だから屋根の下には、
雪山ができていた
高さもあるため、落ちてきたら怖い。
テニスコート越しに。屋根にはまだ雪が残る
以上、秋田。



ここから弘前市。
まず、弘前市立の学校。1999年頃にできた市立第三中学校の体育館。
やっぱり陸屋根
2002年にできた市立大成小学校の体育館も陸屋根だった。
外から見た限りでは、窓の配置や外壁の色が違うものの、形状は秋田市立学校の体育館によく似ている。
秋田市も弘前市も、雪国の自治体として落雪対策を重視し、陸屋根を採用しているのだろう。
※弘前市立学校などの校舎に関しては、後日別記事にて


弘前大学。
最近建てられた、学園町の附属学校の体育館は陸屋根になっているようだが、本部がある文京町地区(キャンパス)の2棟の体育館は、新しくない。
古い「第一体育館」が文京町1番地の教育学部に隣接、「第二体育館」が3番地の理工学部向かい・グラウンドに隣接してある。
ホームページ(http://www.hirosaki-u.ac.jp/zaigaku/kagai.html)によれば、どちらも鉄骨(S)造で一部2階建て。面積は第一体育館が1828平方メートル、第二体育館が1566平方メートル。竣工年は不明。

面積を見る限り中学校の体育館程度で、思っていたほど大きな体育館ではないようだが、第一体育館を改めて見ると、
でかい!
今まで見たカマボコ屋根体育館の中では、最大の気がする。(トレーニングルームなどもあるようだが)
また、古さは感じるが、どこか懐かしいような、そしてダイナミックな印象を受ける。短辺がガラス張りになっているのが、珍しい。

弘前大学では、入学式や卒業式(学位記授与式)は、弘前公園内の弘前市民会館で開催するのが恒例。
しかし、今年丸1年かけて市民会館が改装工事中のため、今年度の卒業式と来年度の入学式は、第一体育館で2回に分けてそれぞれ実施するというから、それくらいの収容力はあるわけだ。
(304名しか入らない、立派な「50周年記念会館」よりも役に立ちそうだ。医学部以外は大学から式場までの移動もしなくて済むから、文京町で式典を行うのも悪くないのではないでしょうか)

カマボコ屋根でもやっぱり、
落雪

それにしても、側面にあるつっかえ棒みたいなのが気になるし、昔は外壁がこの色じゃなかったような…
大学の施設環境部のホームページ「弘大キャンパス案内(http://shisetsu.jm.hirosaki-u.ac.jp/out/campusmap.html)」に、昔の写真があった。
白い壁、赤い屋根
そうそう、これこれ! いかにも「学校の体育館」という外観だった。つっかえ棒はない。
外壁は、ここ10年ほどで弘大の各学部の建物の外壁も同系色に揃えられているので、その一環だろう。つっかえ棒は耐震補強か。(内部でも補強しているのだろうが、ある意味、分かりやすい補強だ)
この記事末尾も参照

次は、
第二体育館
装飾的なものがくっ付いていたりバブリーな感じが漂うから、昭和末期か平成初期の建築だろうか。
上の写真では分かりにくいが、屋根のてっぺんにトサカみたいなチョンマゲみたいなのが付いているものの、切妻屋根。ということで、やはり、
落雪
道路(1番地と3番地を隔てる市道)沿いに、防風柵みたいなのが設置されている。落雪で道路に迷惑を掛けないためのものだろうか。

さて、第二体育館には珍しいものがある。
第二体育館の側面
側面の窓の形に注目。
これって?
こけしの頭ではないでしょうか。(という話を聞いたことがある)

ただ、なんでこけしなの? という気はする。
弘前の隣の黒石市はこけしの産地ではある。さらに、恥ずかしながら知らなかったが、大鰐町や弘前市でも、こけしが作られているそうだ。

でも、弘前あるいは津軽・青森=こけしと連想されるほどの特産品ではなく、弘前大学の体育館の窓のモチーフに採用されたのは、唐突な気がする。
リンゴとか岩木山とか桜の花とかもあるだろうに。(窓枠の加工や施工が面倒そうだけど)
当時の文部省が、思い付きでこけしで設計したのが採用されてしまったのだろうか。


結論。雪国の体育館は、陸屋根に限る。
コメント (3)
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