広く浅く

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国鉄色つがる

2013-02-12 23:18:21 | 旅行記
10日・日曜日に弘前へ出かけた。
3連休中だから、ある程度混雑しそうだし(他に諸般の事情もあって)、特急「つがる3号」の指定席を取った。
つがるといえば、E751系電車の4両編成がすっかり定着した。指定席は1号車と2号車(1号車の半分はグリーン車)。

しかし、ネット上の情報によれば、前日の9日から「つがる」の一部列車が、485系電車6両編成で運転されているという。しかも、リニューアル車のほか、新潟の車両基地所属の国鉄時代の塗装(通称・国鉄色)の車両も使われているという。
E751系には予備がないため、1本でも点検や故障で使えない時は、旧来の485系電車(4両編成)が代走することはよくある。それに2両を増結して6両編成にするのも、3連休だと思えば分からなくはない。
でも、新潟の国鉄色の車両がつがるに使われるとは、信じられないような、ちょっと期待するような気持ちで秋田駅へ。


青森からの「つがる4号」が秋田駅に到着後、わずか20分で折り返し3号となる。
穏やかな天候ではあるが、構内放送では「4号の到着は数分遅れるものの、3号は時間通りに発車予定」とのこと、さらに「本日は6両編成で運転します」と言っている。
ということは…
485系国鉄色!(5番線から撮影)
普段は、特急「いなほ」で他の塗装の車両に混ざって使われている、新潟の「T18編成」だ。
先日のE6系の報道向け試乗会の日にも来ていたから、秋田駅ではさほど珍しくはない車両ではあるが、これが奥羽本線で、定期列車に使われるとなると、とても珍しい。
さすがに「つがる」のマークがセットされているわけはなく、真っ白い幕。

反対側の先頭車(1号車・半室グリーン車)。連結器カバーが緑色なのが残念(他の塗装の車両用の使い回し)
上の両端の先頭車の写真を見て、わずかに違いがあるのがお分かりでしょうか。
6号車側は、屋根の上の前照灯(ヘッドライト)が2灯ある。これは、かつて北海道向けに製造された(けれど耐えられなくて本州に戻された)「1500番台」と呼ばれる車両だけの特徴。もう1点、尾灯が出っ張っている(他は平ら)のも特徴。
雪で隠れにくいように出っ張っている
1500番台の先頭車(クハ481形)はわずか8両しか製造されず、現在もそのままの出で立ちで活躍するのは、このT18編成の6号車「クハ481-1508」だけ。(他は廃車や改造された)
T18編成は、国鉄色だからというだけでなく、貴重な1500番台も組み込まれていることもあって、鉄道ファンには人気のある車両。
秋田駅。左奥にE3系こまち。右端3番線のいなほはリニューアル車だった

久々の485系国鉄色の旅となった。4~5年前に、いなほで、同じT18編成に乗って以来か。
この日の6両の内訳は、1・2号車が指定席、3~6号車が自由席。つまり増結された分は、自由席として使われる。
「特急」表示はあるものの
側面の行き先表示も白幕で、これが「つがる 青森行き」であることは分からない。
秋田駅では、放送のほか、ホームに駅社員を配置して案内に当たっていた。車両変更に伴う座席配置の関係で、「指定された席がない」お客さんがいたようだ。


僕の席は、2号車。東急車輛製の「モハ484-1082」。天井のクーラーは、プロジェクターみたいな形のもの。交換したのだろうか。以前乗ったのもこの車両だったような気がする。
内装は国鉄時代とそう変わっていないものの、座席はリニューアル車両と同じ、座面がスライドする黒系統のシートに換えられている。(自由席側の車両はスライドしないシートかもしれない)
座席の枕カバーは、布ではなく、「JR東日本」ロゴ入りの不織布。盛岡支社(青森車両センター)はこれを使っている。

青森運輸区の車掌は「本日、車両が急遽変更になりまして」と車内放送で説明していた。
さらに「6号車のトイレが故障している」とのこと。リニューアル車では、水回りは2両に1か所くらいに集約されているが、国鉄設計のままのこの編成は全車両にあるから、1つくらい使えなくても問題はないでしょうけど。


長年、東北地方を走り続けている485系電車だけに、国鉄色「つがる」は、雪の奥羽本線を快調に進んだ。
でも、若干ぎこちない加減速、天井のクーラーがビリビリと振動する音、床下から時々「ビヨヨン」とバネみたいな音がするなど、やっぱり新しい車両には見劣りしてしまう。

指定席の車内はそんなに混雑してはいなかった。でも、自由席はもっと空いていたはず。いつもの4両編成でも収まる範囲だったと思う。
510円とはいえ指定席料金を余計に払っている客を通常通りの1両半に押し込めておいて、自由席を4両も付けるのは腑に落ちず、ちょっぴり不満だった。


この翌日・11日も同様に4号→3号でT18編成が使われていた。結局3日とも同じダイヤで使われたことになる。(3日も使うのなら、側面だけでも「特急つがる 青森←→秋田」という表示をパソコンで作ってラミネートして張るぐらいしてほしい)
一方で、2号→1号では青森の485系リニューアル車6両編成が使われ、通常ならそのまま回るはずの6号→5号には、E751系(4両編成)が使われていた。大館折り返しの臨時つがるは485系リニューアル車4両だった。
弘前駅に到着する11日の3号
わざわざ新潟から借りてまでして、一部列車を6両編成にし、しかも指定席ではなく自由席を増やした意図は何だったのか。

この3連休には、青森の485系リニューアル車両を使う、臨時「白鳥」が運行されたので、青森の485系の運用が1つ増えていた。
それに、悪天候で遅延が生じた場合に備え、予備の車両を多めに確保したかったのかもしれないから、これらの解決策として余裕のある新潟から借りたのか。

秋田往復「つがる」の一部が6両になったのは、リニューアル車では「白鳥」との運用の兼ね合いや、たまたま新潟から借り入れたのが6両編成だったからに過ぎず、つがるは別に4両でも6両でもどっちでも良かったのかもしれない。それで、臨機応変に対応できるように増結分を自由席にしたのではないだろうか。(以上、憶測です)

ちなみに、とある鉄道情報サイトで、T18編成の代走が「9・10日の2日間」で「大館アメッコ市に伴う輸送量増加に対応するため」などとあるが、上記の通り、11日も代走し、アメッコ市は10日までだったから、正しくないと考えられる。

指定席に乗った客としてはやや不本意だったものの、雪景色の中の国鉄色を見る分には、とても美しかった。



翌日の帰りは、大館から秋田まで普通列車を利用した。
平日なら下校時間帯で混雑しそうだが、祝日でしかも5両編成。空いている車両を選べば、ほぼ貸切状態。
この日は、時折雪が激しく吹き付け、ホワイトアウト状態の区間もあった。
吹雪が車体を取り囲む
鷹ノ巣駅で、ドアが閉まらなくなり(雪や氷を挟んだのか)、3分ほど遅れ。反対列車の遅延もあって、秋田駅には10分ほど遅れて着いたが、この程度の遅れなら優秀。
華奢そうな701系電車だけど、こういう状況にはけっこう強く、力強く秋田まで運んでくれた。
先頭だった車両
雪が中央の幌部分にだけ、四角く付いているのがおもしろい。(関連記事

ということで、これから弘前の話題をアップしていきます。
コメント (3)
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