広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

震災2年/通町周辺3題

2013-03-11 22:53:22 | 秋田の季節・風景
東日本大震災から、今日で2年。
今日の秋田市は、冬に戻ったような寒くて雪が降る1日。最低気温マイナス5.7度、日中もマイナスだった。積雪は17センチで昨日と変わらないが、朝は一時、車道も白くなった。

3月11日は、1年前も2年前も、こんな天気だった。
2年前のほうが濡れ雪で気温は高かったはずだが、停電で寒い一夜を過ごしたのが思い出される。

復興へ向けてはまだまだやるべきことがあり、今やっていることが正しくないように感じることもある。
東北観光博なんか、誤訳騒動(当ブログに多数のアクセスを頂戴しました)の印象しかなく、駅などでのぼり旗を見て、まだやってたのかと思うだけ。

あとは、次の大地震や噴火が心配。今、日本に生きている我々は、おそらく一生、その恐れとつきあっていかなければならないと思う。正しい情報で正しく備え、正しく対処したいもの。
「ここの地面は海抜6m」
震災を受けて、全国各地の自治体などが、いろんな場所に標高を示す表示板を設置している。
最近、秋田でも国土交通省が道路の案内標識の柱に設置したと聞いていたが、写真のように避難場所であることを示す表示板にも設置されていた。秋田市が設置したのだろう。上の写真は、県庁第二庁舎裏の市立山王中学校。

仮に、この山王中付近で大きな地震に遭遇したとする。「海抜6m」を目にした後は、どう行動すればいいんだろう。
この辺は海沿いではないがそう遠くもない、平坦な秋田市だから大きい津波ならここまで押し寄せるだろうか? 幸い、山王中校舎や第二庁舎のほか、周辺には多数の高いビルがあるから、そこに避難すればいいのだろうか?
特に、地理を知らない旅行客などがそういう立場になったら、迷ってしまうに違いない。

秋田市では、津波ハザードマップの見直しや、避難ビルの選定を行なっていて、まだ途中のようだが、秋田市総務部防災安全対策課のホームページ(http://www.city.akita.akita.jp/city/gn/ds/t_map/default.htm)によれば、山王地区はとりあえずは安全なように見える。※今後の見直しにより変わる可能性もあります。最新の情報で各自ご確認ください。
海抜だけ示したこの表示板からは、そういう情報が得られない。

津波関係だけでも、国交省、県、市と設置者や作成者がまちまちだし、洪水対策はまた別。ややこしい。※洪水ハザードマップでは、たしか山王一帯も少々浸水することになっていたはず。
設置者に関わらない共通の1つの内容で、1つを見ればすべてが簡潔に分かる表示や地図を整備してほしい。



秋田市中心部の通町や大町近辺の話題を、続報も含めて3つ。
●やっぱりニューシティ跡?
先日明らかになった(リンク先後半)、秋田県民会館と秋田市文化会館を統合した、新しい大型文化施設を造る構想。
現知事と現秋田市長が、4月の選挙で揃って再選されればという前提で、具体的な建設場所は明言されていなかった。

その後、3月9日に、遅ればせながら朝日新聞秋田版が伝えたのだが、その中で
「県と市は、同市大町2丁目の商業施設「秋田ニューシティ」跡地の約7千平方メートルを建設候補地としている。」
と、初めて候補地が具体的に示され、(想像はついたが)秋田ニューシティ跡であることが明らかになった。
やはりここが候補地か…
「知事選、市長選があるため、新年度以降、県と市は地権者らを交えた協議を本格化させる。」
ともあり、最初の報道よりも話が進んでいるようにも受け取れる。

これより前の3月5日の県議会予算特別委員会総括審査において、知事が
「交通の便などから整備する場所は秋田市の一街区全体を巻き込んだ形にまで派生するかもしれない」(AABより)
と述べていた。
「街区」を言葉通り・行政用語通りに受け取れば、道路で囲まれた一区画で、住居表示の「番」に相当する。ニューシティ跡に当てはめれば、「大町二丁目3番地全体を巻き込んだ形にまで…」、ということになる。
大町二丁目3番地は、ニューシティ跡のほかは、日本銀行秋田支店しかない。
(再掲)手前が日銀、奥が在りし日のニューシティ
そういえば、だいぶ前に日銀秋田支店が移転するという話もあったが、いつの間にか立ち消えている。
もしかしたら、その話も復活して…ということなのだろうか?

秋田市長選は対立候補が出そうな感じだけど、知事選は立候補者説明会に現職しか来なかったそうで、無投票になりそう。
※ニューシティ跡地のちょっとした使い道について、この記事中ほど

【12月31日追記】この後、年末にかけて計画の検討が行われている。
しかし、設置場所についてはいろんな話が出ているらしく、ニューシティ跡地に建てることについて29日付秋田魁新報社説では「素案が描く施設規模に対して「狭すぎる」との芸術文化関係者の指摘もある」としている。

※続き(場所決定)はこちら


●セブンイレブン開店準備進む
この続きで、秋田市に5店同時に開店するセブンイレブン1号店。
その後、アルバイト募集情報から、3月28日・木曜日にオープンすることが分かった。
【12日追記】12日付秋田魁新報経済面によれば、11日にセブン-イレブンから発表があり、28日朝7時に一斉オープンするとのこと。

秋田通町店のその後の模様。
外観はすっかり完成

通町から見ると、駐車場があるのでけっこう奥まった位置。後ろのビルと同化しそう
残っていた月ぎめ駐車場の看板は3月初め(2日?)に撤去され、新たな看板が立った。
「経営してみませんか」
今週中頃までの設置当初は、「この場所で経営してみませんか」だったのに、週末には「この場所で」が隠されてしまった。
「この場所で」があったからには、ここは本部直営店舗で、ゆくゆくは経営を任せるオーナーを探しているのかと思ったが、それが消されたということはオーナーが決まったか、単に間違いだったか。

店の配置上、2面から出入りできる構造になるかと思っていたが、入口は通町側にしかない。大町通り側やサンパティオ側には窓すらない。
大町通りから。こちら側は壁しか見えない
以前の光景。
再掲)2013年2月

再掲)2011年4月

※続き(開店直前)はこちら


●ホテルはくと
通町から通町橋を渡った、橋の北東のたもと、所在地としては千秋矢留町に「ホテルはくと」というビジネスホテルがある。
3月21日に、その名前が「アパホテル」に変わる。(3月9日秋田魁新報経済面より)
通町橋越しにホテルはくとを見る
ホテルはくとは、かつて秋田市役所や関係施設があった場所に、1967年に「ホテルハワイ」としてオープン。
(ホテルハワイはその後、駅前や土手長町にも開業するも、2009年に営業を止めて今に至る)
1979年には、ホテルハワイから地元のスーパー(?)「協働社」の経営に変わって、「ホテルはくと」となった。協働社はウサギがロゴマークだったので、それにちなんで「白兎」なのだろうか。
※この辺りの経緯は、2006年6月15日「二〇世紀ひみつ基地・「ホテルはくと」は「秋田のハワイ」だった(http://20century.blog2.fc2.com/blog-entry-190.html)」に詳しい

協働社が経営破綻し、1999年に札幌市の分譲マンション販売「フナコシヤ」が買い取り、「クルーザーバレー・ホテルはくと」として営業を継続。2006年5月から一時休業し、2007年7月には鉄骨造り10階建て134室の新たな建物で営業を再開していた。
「フナコシヤ」は秋田がルーツらしく、現在のホテル支配人は、同社東北支店長も兼ねる船越谷さんという人。同社は山王十字路バス停の所(旭北栄町)の「ホテルアルファイン秋田」も経営する。
上流の保戸野川反橋から通町橋とホテルはくと

ホテルはくとは、東日本大震災以降は稼働率が1割程度の日もあり、フナコシヤの不採算部門になっていたそうで、チェーン拡大を行なっているアパグループに売却することになり、21日からは「アパホテル秋田千秋公園」として営業する。

アパホテルの進出は秋田初(提携ホテルは能代市にある)。今後は客室のテレビの大型化やベッドの更新などを順次行ない、同ホテル標準仕様にしていく。
現在の従業員12人のうち10人は、アパホテルで継続して雇用。旭北栄町のアルファインは引き続きフナコシヤが経営。
この表示もあとわずか

僕は物心ついた時から「はくと」として存在していたし、経営や建物が変わっても「はくと」の名前は受け継がれたので、なじみと親しみを感じるホテルだった。泊まったことも入ったこともないけれど。
車で出張や旅行する人や部活動の遠征での利用が多かった印象がある。
駅から歩くにはちょっと遠く、バス停や横断歩道の位置関係から、バスでのアクセスや川反の飲食店街へのアクセスも、ベストではなかった。
でも、今はネットエージェント経由でシングル4000円で素泊まりできる(公式ホームページの表示では5000円)し、建物が新しいことを考えれば、悪くないとも思う。

アパホテルについては、5年くらい前だろうか、東北地方の店舗数を増やす方針であるという話を聞いていたから、いずれ秋田にもできそうだと思っていたが、こういう形になるとは。
アパといえば、独特の女性社長とか、なぜか外国人女性が踊るテレビCM。少し前なら、耐震偽装やタモガミ関連。
昔、何店かに宿泊したことがある。駅からのアクセスが良く、天然温泉大浴場があったり(一部店舗のみ)、新しくてきれいなのはいいが、部屋がとても狭かった(ベッドは通常サイズだし、寝るだけなら問題はないけれど)。値段は高くはないが、格安でもなかった。
アパホテルとしての新築でない旧はくとでは、部屋はそれなりに広いだろうから、その点では得かもしれない。でも、公式ページでは現行の5000円に対して「シングル8000円~」となっているから値上がりするのだろうか。

店舗名の「秋田千秋公園」のように「都市名+何か」というのは、最近のアパホテルの命名方法のようだが、今後、秋田市内に2店舗目以降が出現しないとも限らない。
本件についてアパホテルからは2月22日付で発表されているが、そこでは「(仮称)アパホテル〈秋田中央〉」となっている。「秋田中央」よりは「秋田千秋公園」のほうが具体的でいいけれど、「ホテルはくと」の名が消え、秋田とは無関係の経営に変わってしまうのは、寂しい。

※続きはこちら(リンク先後半)
コメント (2)
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