広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

徐行/E5系乗車

2013-09-14 21:12:57 | 旅行記
前回に続いて、E6系初乗車。
秋田新幹線(田沢湖線)では、秋田・岩手県境付近において大雨により土砂が流出したため、8月9日から11日まで運休した。その後は、その箇所で徐行運転が行われていて、若干の遅れが生じている。

上りこまちの車内では、秋田駅発車時から「復旧工事は終わっているが安全確認のため、田沢湖-赤渕間で徐行運転を行うので、盛岡到着は3~5分程度遅れる見込み。すれ違う反対列車の関係で、さらに遅れる可能性もある。」といった放送がされていた。
「田沢湖-赤渕間」と言っていたが、仙岩トンネルを含み県境を越える両駅間は18.1キロもあり、北海道以外の在来線では最も駅間距離が長い区間。そこを全部徐行するわけではない。【26日追記】秋田駅改札口の到着案内では、徐行区間を「雫石~田沢湖駅の一部区間」と案内している。赤渕駅は秋田新幹線が停車しないためか。

実際には、岩手県側に入ってから、赤渕駅直前の数キロほどの区間で徐行した。
線路の左側が山の斜面、右の木々の向こうに志戸前川という川が見え隠れする場所。
 
復旧工事跡らしき箇所が複数あり、流木が多数集まっているのも見えた。

予定通り、3分ほど遅れて盛岡着。
車内放送では「仙台には時間通りに到着する」と案内していた。盛岡の停車時間で取り戻せるのだろうか。ホームページや各駅(首都圏の駅や車内でも)では、「下り盛岡~秋田の一部」に遅れが生じているとだけ案内している。

盛岡では、前に停まっている「はやて」と連結するため、2度停車して3度目の停車時にドアが開くのは、E3系と同じ。
盛岡駅ホームの停車位置目標
「秋」がE3系、「Z」がE6系用の停止位置だと思われる。

盛岡駅には、
E3系が前照灯を点けて停まっていた
このE3系は「R3」編成だから、初期に製造された車両。検査期限の関係か、古いものから廃車というわけでもないようだ。
E3系の後ろには、
E5系U21編成が連結されていた
※連結部の中間に当たるE3系↓とE5系↑の尾灯がそれぞれ点灯しているので、厳密には連結を解除した状態のようだ。
なんとも奇妙な組み合わせ
E3系は「回送」、E5系は盛岡止まりの「やまびこ」の表示を出していた。

この後、僕が乗る「やまびこ」もこのホームから出るのだが、いったん改札を出た。
再びホームに戻ると、さっきから停まっているE5系が折り返し上り「やまびこ」となり、E3系はいなくなっていた。
改めて、乗車したE5系「U21」編成
E6系とは似ているようで違うが、どちらも鼻が長い。向こうのホームのE2系が、まるで昔の丸鼻の0系新幹線かのように時代遅れに見えてしまった。

E5系の側面
最近の新幹線は、パンタグラフは小型化され、その周りに騒音防止のカバーが付いている。
上の写真の通り、E5系はでっかい板みたいなカバー。シンプルな構造だが、色がグレーで車体に不釣合い。色をなんとかすれば良さそうな感じ。

車内へ。
E5系の先代に当たるE2系の車内は、良くも悪くも特徴がないシンプルなものだった。E3系と比べると、無機質。でも、フル規格サイズの大柄な車体と相まって、すっきりして広々としていた。
それでは、E5系は、
フル規格車両は長い!
E2系と比べると落ち着いた雰囲気。照明が柔らかいのと、座席の色ためか。
でも、全体的にはシンプルな印象だし、E6系と比べると無機質。
E5系でも可動式枕が装備
座席の色はグレーで統一されているが、濃いグレーと薄いグレーが互い違い(?)に配置されている。
E6系と同じ、ファスナーの原理で上下する枕が装備され、枕カバーは白からE6系と同じベージュに変わった。


先代のE2系の座席は、こういうのだった。
八戸開業時に製造された「J51」編成
E2系の座席の柄は、暗めの色(青、紫、緑など)に不規則な柄が入るカジュアルというかどことなく毒々しいもの(でもうるさいとかドギツイ感じはしない)。座席形状はE3系と異なり細長い感じで、腰から背中にかけての湾曲が大きくて包み込まれるような感覚がして、わりと好きだった。
3人掛けの大きな座席を回転させるため、標準で座席がやや前のめり気味になっていて、特に3人掛け中央のB席は前傾角度が大きく、ボタンを押さなくても座って背もたれに力をかけるだけで、自動的に少しリクライニングする機構を備えていた。
※E2系は製造時期や使用路線によって、内装に差異がある。

E5系の座席
E6系と同じく、やはり窓の小ささが目立ってしまう。
あと、背もたれがとても薄っぺら。
写真では分かりづらいけれど、E5系で画期的なのが、座席間隔が104センチに広がったこと。
東海道・山陽新幹線は国鉄時代の100系で既に104センチだったが、JR東日本の各新幹線車両は98センチであり、E6系でさえ同じ。わずかな差ながらも、たまに東海道新幹線に乗ると、足元がとても広く感じられるものだったが、ついにJR東日本の新幹線でもそれが味わえる。
座席の3人掛け各席の横幅も拡大されたそうで、真ん中のB席は46センチ(E2系は43.5センチ)、A、C席は44センチ(同43センチ)になったとのこと(2人掛けD、E席は44センチ)。

座り心地は、E2系から受け継いだ背もたれの湾曲によるホールド感は多少あるが、やはりE6系同様にどこか安っぽい座り心地。ぺらぺらしたような。
E6系同様座面スライドはしないリクライニング。E6系と違うのは、リクライニングすると連動して座布団が前にせり出して来ること。
昔の特急(485系など)の「簡易リクライニングシート」を連想してしまった。(簡易リクライニングはON/OFFだけで途中で止められないが、E5系はどの角度でも止まるフリーストップリクライニングです)

背もたれの装備
キノコみたいな突起状の取っ手、小物掛け、テーブル、網袋、ペットボトルホルダー。窓下の壁には、コンセントが1つある。
E6系と違うのは、取っ手の形状と網袋に輪っか状の紐がないこと程度。
E2系では、テーブルと網(上のほうの写真で分かるが、底が抜けていて「袋」ではなかった)しかなかったので、充実した。

荷棚はE2系、E6系同様、板状。E6系と同じく、荷物の置き忘れを防止するであろう金属の帯(荷物が映って見える)が天井にある(E2系ではなかった)。棚から天井までの高さは、E6系よりある。
テーブルの裏に貼ってある注意書きは、E6系と同じく座席回転時にテーブルをたたむこととキーボード操作音などで迷惑かけるなというものと、「枕は上下に動かすことで高さを調節できます。」。
なんでE6系には枕の使い方を表示しないんだろう。


現時点の最高運転速度は、E5系単独で走る「はやぶさ」は320km/h、「スーパーこまち」連結時は300km/hで、それ以外(はやてややまびこ)は従来と変わらない275km/h。
だから、「やまびこ」運用では余力があるのかもしれないが、乗り心地はなかなか良かった。
新しく採用された車体傾斜機能はよく分からなかったが、高速走行時も安定して静かに感じた。発車時が滑らかかつ力強いのは、E6系と同じ。
※乗ったやまびこはE3系やE6系を連結しない、単独走行だった。E3系を連結した場合は、E3系の性能に合わせて起動時の加速度を抑えるシステムになっている。

というわけで、E5系とE6系を比較すれば、なんといっても足元が広いのは大きなメリット。選択できるのなら、僕だったらE5系を選びます。


上野駅にて。
E6系Z2編成とE5系U16編成の連結列車(回送)
地下駅で見ると、ボディの光沢が妖艶。特にE6系のライト周りの銀色の辺り。
ホームに入線するときの音は、従来の車両よりも派手で鋭く未来的(?)だった。

さらに上野では、
久々に「East i」に遭遇!
ホームの発車標には表示されなかったが、自動放送と肉声放送では「回送列車」と呼ばれていた。少なくとも10分ほど停車して、下り方向に出発していった。

East iはE3系がベース。
2001年製造なので、時期的には秋田新幹線用E3製の後期導入分(2002年以降)の直前。発車時のインバータ音からすれば、前期型に分類できそう。
E3系の前期導入車両が廃車になれば、E3系一族(East iは厳密にはE3系ではなく「E926形」だけど)でいちばん古いのがEast iということになるだろうか。
コメント (3)
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