バスの日便乗記事。今回は北海道旅行記(前回の記事)の続きとして。
「札幌市交通資料館」という施設がある。札幌市交通局に関する資料や車両の実物を展示・公開する。札幌市交通局は、路面電車、地下鉄、バスの3部門があったが、バス事業は2004年に民間移管して撤退しているが、資料館にはバスに関する資料もいくつか展示されている。
資料館は、地下鉄(が地上を走る区間)の高架下を利用した細長い土地で、車両の実物は、路面電車10両、地下鉄5両、そしてバス4両。他の資料も含めて、バスの展示はさほど多くない感じだったけれど、全体的になかなか見応えのある施設だった。
施設全体や地下鉄関連の展示については後日(来月の鉄道の日あたり?)別記事にするとして、この記事ではバス関係を紹介します。
※天気の悪い日に高架下で撮影し、他の入館者もいたため、写りの悪い写真があります。
交通資料館の門を入って、最初に出迎えてくれるのは電車ではなく、バス。
丸っこいマイクロバス
昭和38(1963)年11月三菱重工(当時は三菱自動車はなかった)製。27人乗り。
郊外や山間部の輸送用として4台導入したうちの1台。その後増備して23台になったものの、昭和49年でなくなったという(この車両自体も昭和49年3月廃車)。
Wikipediaによれば、「新三菱重工」製。現在に続く「ローザ」の初代モデルで、そのデザインから「だるまローザ」と呼ばれたそうだ。
丸っこくておもちゃみたいでかわいらしい
現行のローザもどちらかと言えば丸みを帯びたデザインだし、屋根に突き出た行き先表示なども同じで、通ずるものを感じる。
ちなみに弘南バスのローザ「31906-5」。2007年式(現行モデルと同じかな)
薄れた行き先表示は「円山動物園」と書いてあったようだ
星は札幌市章。ガラスの下には「FUSO」の表示があったのだろうか?
一方、後部は
かなり独特。人の顔(頭)みたいだし、切れ長のランプは初めて見た
車内にも入れた。

運転席も客席もシンプル。床は板張り、座席はビニール張りのコの字配置(三方シート)、つり革なし。
入り口ドアには「ワンマンカー」の表示があったので、これでワンマン運転していたこともあったのだろう。小さいバスとはいえワンマン機器がなくては大変そう。
秋田市交通局では、道路が未整備の住宅街向けとして小型バスを1975年に導入し、現在も運行されている。弘前の弘南バスでは、現在はローザをはじめとする小型バスが主流となって活躍している。
その次は、
ボンネットバス
昭和30(1955)年5月いすゞ・川崎航空機工業製。62人乗り。
※現地の解説板にある「川崎航空機工業」製は誤りで、正しくは「金沢産業」製だそう。金沢産業は後の日野車体工業。川崎航空機は後のいすゞバス製造。現在は両者は統合して「ジェイ・バス」になっている。
運行された期間は長くなく、サービスカー(事業用車ってこと?)に転用されたものの、昭和39年に廃車された。
これはどこかで見たことがあるような典型的なボンネットバス。濃い青とオレンジの塗装が独特。
車体に「402」と数字が書いてあるけれど、あまり古くなさそうな書体。秋田市営バスのに似ている。
ボンネットのフタに丸に「ISUZU」の見慣れぬマーク
後部。このライトの形はなじみがある
市章は側面に付いていた。
車内。

こちらもシンプル。運転席の横(ドアまで)だけロングシートで、他は2人掛けでつり革なし。
床は前が板張りで、後方は鉄板。2人掛け座席の形状は現在のものとさほど違いはないが、よく見ると肘掛けや取っ手の配置がおかしい。
元サービスカーだったとのことなので、いったん座席が撤去されたり床が張り替えられたりして、廃車・展示に当たって、復元したのかもしれない。現役当時とは違っている可能性がありそう。
残り2台。以前は、ステンレスボディに天窓が付いた独特の貸切車両が展示されていたそうだが、状態が悪く、2006年に撤去。
代わりに、札幌市営バス最後の日まで走っていた2台の大型路線車両が展示された。
おなじみ「いすゞLVキュービック」
塗装は1990年代中頃以降に使われたものらしい。市章はなく「ST」のロゴが入る。
この車は1994年式だそうで、秋田市営バスから中央交通に譲渡されて今も走っている車両と同年代。内外の仕様もよく似ている。「低床車」と表示されているが、ツーステップ。
真四角で一枚窓が特徴
行き先表示は「貸切」。秋田市営バスの「貸切」と同じ書体のようだ。
「IK COACH」製(上は「ISUZU」のはずだけど剥がれた?)
上のほうで出てきた「川崎航空機」はその後、川崎車体→アイ・ケイ・コーチ(いすゞが出資した)→いすゞバス製造→ジェイ・バス(日野と統合)と変遷した。LVキュービックは、川崎車体~いすゞバス製造にかけての3つの時代に製造されているはず。
もう1台は、
日野ブルーリボン。向かって右側のミラーが大きいのが札幌市バスの特徴か?
キュービックより古い1987年製で、最初のマイクロバスと同じ塗装。これも市営バス最終日まで走っていた。
時期的には、秋田市営バスで塗装が変わった頃だから、202~204号車と同型だろうか。
長くなるので、今回はここまで。続編で車内などを紹介します。
※旅行記としての次の記事はこちら
「札幌市交通資料館」という施設がある。札幌市交通局に関する資料や車両の実物を展示・公開する。札幌市交通局は、路面電車、地下鉄、バスの3部門があったが、バス事業は2004年に民間移管して撤退しているが、資料館にはバスに関する資料もいくつか展示されている。
資料館は、地下鉄(が地上を走る区間)の高架下を利用した細長い土地で、車両の実物は、路面電車10両、地下鉄5両、そしてバス4両。他の資料も含めて、バスの展示はさほど多くない感じだったけれど、全体的になかなか見応えのある施設だった。
施設全体や地下鉄関連の展示については後日(来月の鉄道の日あたり?)別記事にするとして、この記事ではバス関係を紹介します。
※天気の悪い日に高架下で撮影し、他の入館者もいたため、写りの悪い写真があります。
交通資料館の門を入って、最初に出迎えてくれるのは電車ではなく、バス。

昭和38(1963)年11月三菱重工(当時は三菱自動車はなかった)製。27人乗り。
郊外や山間部の輸送用として4台導入したうちの1台。その後増備して23台になったものの、昭和49年でなくなったという(この車両自体も昭和49年3月廃車)。
Wikipediaによれば、「新三菱重工」製。現在に続く「ローザ」の初代モデルで、そのデザインから「だるまローザ」と呼ばれたそうだ。

現行のローザもどちらかと言えば丸みを帯びたデザインだし、屋根に突き出た行き先表示なども同じで、通ずるものを感じる。


星は札幌市章。ガラスの下には「FUSO」の表示があったのだろうか?
一方、後部は

車内にも入れた。


運転席も客席もシンプル。床は板張り、座席はビニール張りのコの字配置(三方シート)、つり革なし。
入り口ドアには「ワンマンカー」の表示があったので、これでワンマン運転していたこともあったのだろう。小さいバスとはいえワンマン機器がなくては大変そう。
秋田市交通局では、道路が未整備の住宅街向けとして小型バスを1975年に導入し、現在も運行されている。弘前の弘南バスでは、現在はローザをはじめとする小型バスが主流となって活躍している。
その次は、

昭和30(1955)年5月いすゞ・川崎航空機工業製。62人乗り。
※現地の解説板にある「川崎航空機工業」製は誤りで、正しくは「金沢産業」製だそう。金沢産業は後の日野車体工業。川崎航空機は後のいすゞバス製造。現在は両者は統合して「ジェイ・バス」になっている。
運行された期間は長くなく、サービスカー(事業用車ってこと?)に転用されたものの、昭和39年に廃車された。
これはどこかで見たことがあるような典型的なボンネットバス。濃い青とオレンジの塗装が独特。
車体に「402」と数字が書いてあるけれど、あまり古くなさそうな書体。秋田市営バスのに似ている。


市章は側面に付いていた。
車内。


こちらもシンプル。運転席の横(ドアまで)だけロングシートで、他は2人掛けでつり革なし。
床は前が板張りで、後方は鉄板。2人掛け座席の形状は現在のものとさほど違いはないが、よく見ると肘掛けや取っ手の配置がおかしい。
元サービスカーだったとのことなので、いったん座席が撤去されたり床が張り替えられたりして、廃車・展示に当たって、復元したのかもしれない。現役当時とは違っている可能性がありそう。
残り2台。以前は、ステンレスボディに天窓が付いた独特の貸切車両が展示されていたそうだが、状態が悪く、2006年に撤去。
代わりに、札幌市営バス最後の日まで走っていた2台の大型路線車両が展示された。

塗装は1990年代中頃以降に使われたものらしい。市章はなく「ST」のロゴが入る。
この車は1994年式だそうで、秋田市営バスから中央交通に譲渡されて今も走っている車両と同年代。内外の仕様もよく似ている。「低床車」と表示されているが、ツーステップ。

行き先表示は「貸切」。秋田市営バスの「貸切」と同じ書体のようだ。

上のほうで出てきた「川崎航空機」はその後、川崎車体→アイ・ケイ・コーチ(いすゞが出資した)→いすゞバス製造→ジェイ・バス(日野と統合)と変遷した。LVキュービックは、川崎車体~いすゞバス製造にかけての3つの時代に製造されているはず。
もう1台は、

キュービックより古い1987年製で、最初のマイクロバスと同じ塗装。これも市営バス最終日まで走っていた。
時期的には、秋田市営バスで塗装が変わった頃だから、202~204号車と同型だろうか。
長くなるので、今回はここまで。続編で車内などを紹介します。
※旅行記としての次の記事はこちら