広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

車内放送広告

2013-09-11 23:17:09 | 秋田市営バス
6月下旬から、秋田のバスの車内放送の広告に「今でしょ!」が登場した。
バスの車内放送広告は、広告主は地元のお店などローカル色にあふれ、その内容は個性的なものが少なくない。(労働相談の「一人で悩んでいませんか。行こうよ連合に」のように、全国共通のものもたまにあるけれど)

最近は、昔に比べて車内放送の広告が減っている(経済状況のほか、放送がテープから音声合成に替わったという技術的な理由もあるはず【末尾※印参照】)けれど、かつての秋田市営バス時代も含めて、放送広告の話題です。
※市営バスの放送そのものについては、いずれ別記事にしたいと考えています。この記事は放送広告のこと限定で。
※記憶に基づくので、細かな言い回しは違っているものがあるかと思います。時期によって微妙に異なっていたこともあります。

全国的に、バス停名の案内に続いて流れる広告は、ある程度パターンが決まっている。
神奈川中央交通(小田急系列)グループの広告会社「アドベル」のホームページ(http://www.advel.co.jp/advertising/busstop/index.html)によれば、「~前でございます。」「~へおいでの方はこちらが便利です。」「~においでの方は○○○でお降りになると便利です。」などがあり、たしかに秋田でも似たようなもの。


先日、「今でしょ!」を確認する時、添川線下りに秋田駅から桜町まで、放送に耳を傾けて乗車した。
9つのバス停のうち広告があったバス停(カッコ内は広告主)のは、千秋公園入口(山田相談薬局、西東北日野自動車)、通町(通町クリニック)、通町二区(山田相談薬局)、桜町(矢野薬局)の4停留所・5広告主だけ。(同じルートの神田線でも同じ内容のはず)
市営バス時代は、木内前やすわ町でも広告があったのになくなっているし、通町はスポンサーが替わって(昔は高砂堂や金物の通町山下など)いる。時の流れを感じずにはいられなかった。

本格運行化に伴って中心市街地循環バス「ぐるる」でも広告が流れるようになったが、全バス停中、千秋公園入口(笹原内科医院)と木内前(松岡内科クリニック)の2つだけ。
上記の神田線・添川線と重複する区間でも、広告はそれとは違うし、一般路線の放送広告や車内掲示広告はあり、前を通るようになった中通病院の広告がないのは意外。
運行本数(=放送回数)や広告料金の都合なのだろうが、車内放送広告の仕組みはけっこう複雑なようだ。


では、広告の内容を見て(聞いて?)みましょう。
●交通安全キャンペーン
まず、秋田市のバスの放送広告の常連、バス会社にしてみればお得意様。通町の商店街(厳密には大工町。所在地は大町一丁目)の「山田相談薬局」。
最寄りバス停は「通町二区」としているが、バス停が移動する前の通町二区にしてもわりと離れているし、道路拡張によるバス停移動で、今はさらに遠くなっている。(通町のバス停の変遷)むしろ将軍野線の旭北栄町のほうが近い。

山田相談薬局では、20年以上前、通町二区を将軍野線しか通っていなかった(後に泉秋操線が運行開始され、バス停移動で神田線なども通るようになった)当時から、放送広告をしていたと思う。
「次は通町二区」に続く放送のほか、秋田駅前の次・通町二区の3つ手前の千秋公園入口(旧・公園前)で流れる、交通安全キャンペーンの提供もしていて、通町二区を通らない一部路線でもその名を聞くことができ、そちらの印象が強い乗客も多いかもしれない。(千秋公園入口は一方通行区間なので、片道しか流れない)

※過去にさかのぼって、常に通町二区と公園前の両方で広告していたかは不明。(どちらか片方だけの時期があったかもしれない。)それに、市営バスがあった当時、中央交通でやっていたのかは乗ったことがないので知らない。
千秋公園入口も通町二区も、市営バスがなくなる最後まで通っていたバス停ではあるが、市営バス最後の一時期(1年半とか1年?)は、放送広告そのものがまったくなかった。(広告費の精算の問題か)中央交通移管後、広告放送は再開されたが、上記の通り広告が減ったり、広告主が替わったりしたものも多い中、数少ない、市営バス当時とほとんど変わらない広告が今も流れている。
今はこんな内容。
・通町二区
みなさまの健康に奉仕する『山田相談薬局』へおいでの方はこちらが便利です
・千秋公園入口
『青だけどきちんと見ようね右左』この標語は、みなさまの健康を応援する通町二区『山田相談薬局』の提供でございます」(これに続いて西東北日野自動車)

千秋公園入口の広告は、通町二区を通る路線のほか、新屋線など通町二区は通らない(けど通町は通る)路線でも流れている。
一方、中心市街地循環バスの千秋公園入口では、こう替わっている(西東北日野自動車はなし)。
『手をつなごうみんなの願い交通安全』この標語は、みなさまの健康へのお手伝いをする大町二丁目下車『笹原内科医院』の提供でございます
おそらく、通町を通らない路線では、こちらが使われている(循環バス以外の一般路線では、西東北日野自動車も流れるはず)のではないだろうか。昔は全部山田相談薬局だったような気もするが…

交通安全標語の部分は、更新のたびに違うものが使われてきた。他のバス会社でも、同様の標語の放送がある所があるようなので、広告代理店が絡んでいるのだろう。
どうも、全日本交通安全協会と毎日新聞社が毎年公募している「交通安全年間スローガン」の過去(だいぶ以前のものもある)の優秀作から選ばれるものが多いようだ。
現行の「青だけど~」は昭和62年のこども部門警察庁長官賞、「手をつなごう~」は出自不明。

ここ数十年で他に記憶にあるのは、
「よく見たね車来ないね渡れるね」平成元年総理大臣賞歩行者向け
「手をかそう小さな子どもとお年寄り」昭和50年総理大臣賞歩行者向け(※オリジナルは「ちっちゃな子ども」だが、小さなと言っていたはず)【下の追記参照】
「安全は目から耳から心から」昭和62年佳作こども部門
「安全は人と車でつくるもの」昭和42年佳作運転者向け

現在は、「この標語は~」と「~の提供でございます」と言っているが、市営バス時代は「このキャンペーンは~」、「この交通安全キャンペーンは~」、「~がお送りしています」、「~のご厚意(ご協力?)でお送りしています」など言い回しが異なっていた。

【2016年6月11日追記】2016年6月11日の神田線では引き続き「応援する山田相談薬局の提供でございます」で、標語が「手をかそう小さな子どもとお年寄り」に変わって(昔に戻って?)いた。日野の広告はそのまま継続。
【2019年10月28日追記】2019年10月27日の新屋西線[通町は通らない]では、「この標語は」「応援する山田相談薬局の提供でございます」、標語はまた変わって「青だけど~」。※2019年10月から「発車します。ご注意ください」「バスが停まるまで席を立たないでください」が「発車します。おつかまりください」「バスが停まってから席をお立ちください」にそれぞれ変わるなど、決まり文句の差し替えが実施された。
【2025年1月15日追記】2024年末に気が付いた。いつの間にか山田相談薬局の放送広告がなくなっていた


●気になる言い方
言い回しの変化といえば、中央交通移管後に始まったと思われる千秋公園入口の西東北日野自動車の広告。今は、
降りたバスのすぐ前や後ろの横断は非常に危険です。横断歩道を渡りましょう。『西東北日野自動車』からのお願いです
以前は、交通公社前で流れていた(したがって、通町や有楽町経由では流れなかった)ように記憶しているが、「横断歩道を渡りましょう」ではなく「横断歩道を渡る習慣を身につけましょう」だった。
「身につけましょう」だと、お前らはそんな常識も知らんのかとバカにされているように感じたから、表現を変えたのかもしれない。
【2015年4月2日追記】2015年4月に県庁経由大川反車庫行きに乗ったところ、県庁市役所前で「渡る習慣を身につけましょう」という「秋田いすゞ自動車からのお願い」が流れた。コメント欄の通り、昔はいすゞで身に付けましょうだったそうなので、いすゞと日野の違いなのかもしれない。【追記】2018年1月時点、2024年7月でも同じ。
【2018年11月22日追記】2018年10月には、どこのスポンサーか忘れたけど「バスが発進してから横断歩道を渡りましょう」に変化。

他にもちょっと気になる言い回しで、(最近は放送自体聞かなくなったが)中央交通の身内の秋田中央観光社(旅行代理店)の「土曜、日祝日も営業しております」(「土曜、日“曜”、祝日も」もしくは「土日祝日も」とするべきじゃないのか)や、同じく身内の中央タクシーで時期によって「GPS自動配車システム」と「GPS自動”車”配車システム」があり、聞くたびにもやっとしてしまった。


●懐かしの@市営バス
なぜか記憶に残ってしまっている、市営バス当時の広告から。いずれも現在は流れない。
豊富な品揃えの『まるい呉服店』前でございます」(牛島東一丁目?)
『ハッピーレンタルでおしゃれに変身』あなたの衣装室『レンタルブティック セシリア』前でございます」「カルテによるきめ細かい指導。『新星ゼミナール』へおいでの方はこちらが便利です」(すわ町)
『カラオケジャンボ』、『焼肉レストラン大昌苑』前でございます」(有楽町)
※正しくは「カラオケ広場ジャンボ」らしいが、1990年代の放送ではたしかに「カラオケジャンボ」と言っていた。また、関西のチェーン「ジャンボカラオケ広場」とは無関係と思われる。

●懐かしの@弘南バス
ここで秋田を離れて、同様に放送広告が減っている弘前の弘南バスから。
なお、弘南バスでは「~へおいでの方はこちらが便利です」に相当するのが、「~へご用の方はこちらでございます」。
アパート、マンションのことなら『よつば不動産』。不動産のエキスパート『よつば不動産』へご用の方はこちらでございます」(住吉入口。ひょっとしたら下りだけ?)
音声合成化以前の弘南バスでは、車内放送を自前で録音していたらしく、津軽なまり気味のような独特の節回しのアナウンスが特徴だった。よつば不動産の広告では、それが顕著に感じられた。

●弘前でも秋田でも
最後に、ローカルなスポンサーなのに、秋田と弘前で同じ広告主のものが流れていたことがあった。内容は異なった。(どちらも現在は流れていない)
秋田(市営バス)では10年少し前の一時期だけ流れていたかと思う。
美容形成、医学レーザー脱毛の『はらクリニック』は、弘前駅前にございます」(木内前)
なんと、秋田とは無縁の弘前のクリニックが秋田に広告を出し、それがなぜか木内前で流れていた。初めて聞いた時は、驚いた。

これが弘前では、
皮膚科、美容形成外科『はらクリニック』へご用の方はこちらでございます」(弘前バスターミナル前のはず)
弘前では、皮膚科であることを最初に述べており(「皮膚科」のアクセントが独特だった)、弘前駅前の1つ先のバスターミナル前にあるとしている。(イトーヨーカドー西側の並木通りを渡った所にあるので、駅前よりも「バスターミナル前」が妥当だろう)
秋田市から皮膚科治療のために弘前に行く人はいないだろうし、秋田の人に弘前バスターミナルと言っても分からないから、ターゲットに応じて内容を変えていたのだろう。

※2014年頃になると、弘南バスでの放送広告が復活し、大幅に増加していた。広告が減ったことに関して、音声合成の技術的制約はなかったようで、単に各社の方針・営業努力のせいだったのだろうか。

ほかにも忘れているユニークな広告があるはず。どんな放送広告があったか、覚えている方はいらっしゃるでしょうか。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする