ヌプリ号の旅を終えて札幌に到着。ここからほぼ丸2日間の北海道滞在。順不同で記事にします。
僕が旅行する時の宿泊先は、(カプセルホテルとかネットカフェは別として)できるだけ安く、公共交通機関でのアクセスが良い場所が第一条件。だから、駅前や市街地のビジネスホテルになることが多い。
でも、今はネットの宿泊サイトで念入りに検索すれば、こんな宿もあったのかと発見できることがある。たまにはそんな場所にも泊まってみる。
今回、札幌市内の宿を探したが、トップシーズンは過ぎたとはいえ夏休み中。(だから強気な価格設定にしてあることもあるだろう)安いところは見つけられなかった。ただのビジネスホテル素泊まりで7000円とか。
そんな時に見つけたのが、「定山渓(じょうざんけい)温泉」。札幌市南西部にあり「札幌の奥座敷」と呼ばれる温泉地。
20数年前の中学校の修学旅行では、留寿都村のルスツリゾートに宿泊した。そこから札幌市へ向かう途中、バスガイドさんが「ここが定山渓温泉(の入口)です」と案内してくれたのは記憶に残っていた。
その時は、けっこうな山奥で、札幌市街地まではわりと距離がある地点だと思っていたが、所在地は札幌市南区。(秋保や作並も仙台市内なのと同じことか)
今回は、朝食付きで7000円台のプランを予約(貯めに貯めたポイントを使ったので、支払額はもっと安い)。宿の無料送迎は時間的に合わないため、往復の足代がかかってしまい、トータルでは市街地よりは高くつきそうで本末転倒のような気もしたけれど、のんびりできそうなので決めた。
定山渓温泉への公共交通機関は、路線バスのみだが、こういう温泉地にしては本数が多い。
「じょうてつバス」が、札幌駅・すすきの方面から毎時ほぼ2本(70分強、750円)と市営地下鉄真駒内駅から毎時1~2本(40分強、600円)を運行している(他社による空港や都市間バスの一部も乗り入れ)。
どちらも、車両は一般路線バス仕様だという。
札幌駅からだと1時間以上かかり、秋田駅前から五城目までと同じ。さすがにツラい。また、札幌市街地で渋滞に巻き込まれることもあるらしい。
札幌から市営地下鉄南北線で終点の真駒内まで移動(約20分)して、バスに乗り継げば、バスの乗車時間は少なくて済む(それでも40分だから、秋田駅から追分三叉路くらい)ので、そのルートで行くことにした。
運賃は高くなるが、地下鉄とバスの乗継割引制度があって、後に乗るほうの運賃が80円引きされ、計800円で済むらしい。
いざ、定山渓へ。
今春から、札幌市営地下鉄でも、乗り継ぐバスでも、Suicaで乗車できるようになった。ICカードでは、普通にタッチするだけで自動的に乗継割引が適用されるのも便利。
札幌市営地下鉄は相変わらず急加速。冷房がない(送風機はある)けれど、開け放たれた窓からトンネルの空気が入ってきて、快適。荷棚がないのは、ちょっと不便。
南北線は全駅にホームドアが設置され、今春からワンマン運転になっていた。昔は、車掌と運転士の間で「チン」とベルで合図していたものだった。
シェルターに覆われた地上へ出て、真駒内着。
ホームドアは邪魔だけど安全になった。地上だから当然だけど地下鉄の駅にしては明るい
真駒内駅のホームの窓の外は、
うっそうとした林?! 網戸があるのが家庭的。虫がたくさんいるんでしょう
駅前は、アパートやマンションが多くて店は少なく、あっさりした感じ。でも地下鉄のターミナルだけに人は多く、分散した乗り場にはバスが多く発着していた。
真駒内駅。後ろがホームから見えた林
中学校の修学旅行では、自由行動の出発地点がこの真駒内駅だった。(集合地点は中心部のテレビ塔)
真駒内出発にした理由について、「真駒内の近くにある『札幌芸術の森』に、多くの生徒に訪れてほしいから」だと話していた先生がいたけれど、それ以外に札幌市街地での渋滞を避けたい意図もあったのかもしれない。
ところで、上の写真中央に写っている、札幌オリンピックのマーク付き時計塔を見て、はっとした。
この時計塔付近でのスナップ写真が、中学校の卒業アルバムで修学旅行の1シーンとして掲載されていたのだが、どこでいつ撮影されたのか疑問だった。それが解決したのだ。バスを降りて自由行動に向かおうとするシーンだったことになる。
定山渓行きのバス乗り場は、横断歩道を渡らず、駅舎からすぐ。
事前の調べでは、すぐにバスがあることになっているが、なんとそこには、30人ほどの行列ができていた!
果たして乗り切れるか不安になっていると、大型バス・日野ブルーリボンシティ(日野純正の最後の車で、秋田にはない)がやって来た。(人の多さにおののいたので写真はありません)
当然席は埋まって、通路にも多くの人が立ったけれど、意外にも余裕があった。ぎゅうぎゅうではないので、これなら耐えられる。
道が広い北海道の大型バスは、本州のより少し長い仕様のものがあるそうで、この車がそうなのかは分からないけれど、大型バスの収容力を実感。
車内を見渡せば、温泉に行くような人はほとんどいない。用事を終えて帰宅するような人ばかり。
バスはすぐに片側2車線の国道230号線へ出て、ひた走る。郊外型店舗が並び、その裏に住宅街が続き、バス停ごとに車内が空く。
途中で国道を外れて集落に入ってまた復帰したりしつつ、真駒内駅から30分近く走って、車内の立ち客が解消。車窓はいくぶん郊外っぽくなったが、まだ家が多い。
さらに進んで、片側1車線になった(拡幅工事らしきものが行われていた)と思っていると、いつの間にか国道を外れて、「定山渓温泉へようこそ。これより温泉街に入ります」と放送が流れた(白糸の滝)。
幹線道路から、突然、温泉地にワープしたような感じ。短くはなかったけれど、あっけない移動だった。中学校の修学旅行の頃より、開発が進んだのだろう。
【7日追記】昔は、地下鉄を真駒内から定山渓方面まで(温泉までということでなく、途中の住宅地まで)延伸する構想があったらしい。具体的になっていないのは、おそらく、地形、沿線人口、財政面がネックになっているのだろう。ただ、バスの利用状況を見ると、さすが大都市札幌だと感心するとともに、地下鉄(あるいは何らかの鉄道)がもっと先へ続いていたら…と想像してしまった。
定山渓行きのバスは、温泉街の中をぐるりと周って終点の車庫へ入るようだが、泊まる宿の最寄りバス停はその名も「定山渓湯の町」。
温泉街は谷状になった川沿いで、カーブした坂(秋田のバス路線で例えれば、手形山団地線の秋田高校の坂よりは短く、新屋西線の栗田神社前の坂よりは長いけど、似ている)を下って入る。
冬はたいへんそうな坂ですな
ほぼ定刻で到着。降りたのは2人だけだった。夕方なのに、札幌市街地へ向かうバス停には5人ほどが待っていた。温泉街で勤務して帰宅する人とかだろうか。
「定山渓湯の町」(上り側停留所)
バス停にあるマークは、東急のロゴ。(ローマ字は「JOTETSU CORPORATION」)
この「じょうてつ」は、元は定山渓鉄道といって、札幌と定山渓を結ぶ鉄道を運行していたが廃止(線路跡の一部は地下鉄南北線に転用)。鉄道時代から東急傘下にあった。バス事業を廃止した札幌市交通局(札幌市営バス)の路線の一部が移管されていて、乗ってきた真駒内-定山渓の路線もその1つのようだ。
バスは大型バスばかりで、4メーカーが揃っているようだが、日野と三菱が多い印象。特に日野(いすゞと同設計を含む)が圧倒的に多い気がした。東急や小田急の中古車もあるとのこと。
日産ディーゼルのバスはこの1台しか見なかった
さすが都会のバスだけに新しい車が多かったが、ノンステップよりワンステップをよく見かけたのは、積雪地だからか。運賃箱はICカードに磁気カード、自動計数機能付きと重装備。
昼間もヘッドライトを点灯し、すれ違う時の挙手はしていなかった。
豊平川沿いが温泉街で、26の宿泊施設がある。収容人数が多い宿が多く、修学旅行や団体旅行に使われるそうだ。
近くには、ライオンズマンションがあったりする町もあるのだが、温泉街からは見えない。
河童の伝説があり、イメージキャラクターとしてカッパがあちこちにいる。
少し歩けば、自然の風景が広がる。
林の中の遊歩道は一部通行止めになっていたし、けっこう険しかったので、すぐに戻ってきたが、その気になればいい運動ができる。
ミンミンゼミが鳴いていた。(旅行中、ほとんどセミの声を聞かなかったけれど、定山渓は大合唱だった)
宿泊した宿は、団体客向けの古い部屋を、空いたシーズンに安く個人向けに売っている感じ。川沿いだけど眺めは悪い。でも、8畳の部屋を独り占めできるし、広い温泉に何度ものんびり入れるのが何より。
温泉はなかなか。塩化物泉に分類されていて、無色透明で湯の花が漂う、優しいお湯。
川から冷たい風が吹いてきて、気持ち良かった。(その真上の部屋では風を感じなかったのが不思議。谷の底を川風が流れてるから?)
団体客とかち合ったりするとうるさくなりそうだけど、そうでなければ個人的には悪くないと思う。
帰りも、真駒内までバス。今度はいすゞエルガとの共通車種「日野レインボー2【2014年11月30日訂正・レインボーは中型。これは大型なので】ブルーリボン2」のワンステップ。
温泉街からは5人ほど乗って、白糸の滝を過ぎると「このたびは定山渓温泉においでいただき、まことにありがとうございました」と放送。
以後は、来た時の逆でバス停ごとに人が乗ってくる。
真駒内まで行かずに途中で降りる人もちらほら。定期券や高齢者向けバスカードの利用者が多く、ICカードを使う人は少なかった。
札幌のバスでは、降りるバス停に近づくと、到着前の走行中に席を立って前方に歩いて来る人が、よく見受けられた。秋田とか土地によっては運転士に怒られそうな状況だし、実際問題として車内事故の可能性があり、日本バス協会の呼びかけにも反している(車内にもシールは貼ってあった)。客が多く、長い車体なので、スムーズに降車するための地域性だろうか。
そんな調子で立ち客が増えるかと思っていたら、途中から直前に別の真駒内行きのバスが合流。2台で客を分けあって、さほど混雑せずに、真駒内駅に到着した。
後ろにいるのがもう1台のバス
ただ泊まっただけだったけど、満足できた定山渓温泉だった。札幌の宿泊地の1つとして候補に入れておいて、また泊まってみたい。
最後に、ここに限らず、温泉宿の部屋におけるタオルの扱いについて、僕はいつも迷うというか困る。
一般に、宿泊客1人に対して、フェイスタオルとバスタオルが1枚ずつ割り当てられる。(温泉宿はフェイスタオルは持ち帰って良い所が多いが、今回の宿は持ち帰れなかった)
部屋には、タオル掛けが1部屋に1台置かれている。
これ
このタオル掛けは、フェイスタオルを掛けるものだろう。まず困るのは、多人数で泊まると、誰のタオルがどれか分からなくなること。【2016年2月29日追記】この点については、タオルを掛ける棒を色分けしている宿があった。この記事最後参照。
もう1つ困るのは、バスタオルってどこに掛ければいいんだろう。
今回は1人だったので、このタオル掛けに掛けてみたけれど、なんかしっくり来ない。
バスタオルはある程度乾いていたほうが気持ちいいし、湿ったタオルを例えばクローゼットのハンガーに吊るしておくのも、良くなさそうで気が引ける。
そういえば、ビジネスホテルのユニットバスでも、フェイスタオルのタオル掛けはあるけれど、バスタオルを掛ける場所がない所が多い(新品はたたんで洗面台の上の棚に置いてある)。結局、バスタブの縁に掛けてしまっている。
宿泊業界の皆さん、バスタオルのちゃんとした置き場所を設けてもらえないでしょうか。
※北海道旅行記の続きはこちら
僕が旅行する時の宿泊先は、(カプセルホテルとかネットカフェは別として)できるだけ安く、公共交通機関でのアクセスが良い場所が第一条件。だから、駅前や市街地のビジネスホテルになることが多い。
でも、今はネットの宿泊サイトで念入りに検索すれば、こんな宿もあったのかと発見できることがある。たまにはそんな場所にも泊まってみる。
今回、札幌市内の宿を探したが、トップシーズンは過ぎたとはいえ夏休み中。(だから強気な価格設定にしてあることもあるだろう)安いところは見つけられなかった。ただのビジネスホテル素泊まりで7000円とか。
そんな時に見つけたのが、「定山渓(じょうざんけい)温泉」。札幌市南西部にあり「札幌の奥座敷」と呼ばれる温泉地。
20数年前の中学校の修学旅行では、留寿都村のルスツリゾートに宿泊した。そこから札幌市へ向かう途中、バスガイドさんが「ここが定山渓温泉(の入口)です」と案内してくれたのは記憶に残っていた。
その時は、けっこうな山奥で、札幌市街地まではわりと距離がある地点だと思っていたが、所在地は札幌市南区。(秋保や作並も仙台市内なのと同じことか)
今回は、朝食付きで7000円台のプランを予約(貯めに貯めたポイントを使ったので、支払額はもっと安い)。宿の無料送迎は時間的に合わないため、往復の足代がかかってしまい、トータルでは市街地よりは高くつきそうで本末転倒のような気もしたけれど、のんびりできそうなので決めた。
定山渓温泉への公共交通機関は、路線バスのみだが、こういう温泉地にしては本数が多い。
「じょうてつバス」が、札幌駅・すすきの方面から毎時ほぼ2本(70分強、750円)と市営地下鉄真駒内駅から毎時1~2本(40分強、600円)を運行している(他社による空港や都市間バスの一部も乗り入れ)。
どちらも、車両は一般路線バス仕様だという。
札幌駅からだと1時間以上かかり、秋田駅前から五城目までと同じ。さすがにツラい。また、札幌市街地で渋滞に巻き込まれることもあるらしい。
札幌から市営地下鉄南北線で終点の真駒内まで移動(約20分)して、バスに乗り継げば、バスの乗車時間は少なくて済む(それでも40分だから、秋田駅から追分三叉路くらい)ので、そのルートで行くことにした。
運賃は高くなるが、地下鉄とバスの乗継割引制度があって、後に乗るほうの運賃が80円引きされ、計800円で済むらしい。
いざ、定山渓へ。
今春から、札幌市営地下鉄でも、乗り継ぐバスでも、Suicaで乗車できるようになった。ICカードでは、普通にタッチするだけで自動的に乗継割引が適用されるのも便利。
札幌市営地下鉄は相変わらず急加速。冷房がない(送風機はある)けれど、開け放たれた窓からトンネルの空気が入ってきて、快適。荷棚がないのは、ちょっと不便。
南北線は全駅にホームドアが設置され、今春からワンマン運転になっていた。昔は、車掌と運転士の間で「チン」とベルで合図していたものだった。
シェルターに覆われた地上へ出て、真駒内着。
ホームドアは邪魔だけど安全になった。地上だから当然だけど地下鉄の駅にしては明るい
真駒内駅のホームの窓の外は、
うっそうとした林?! 網戸があるのが家庭的。虫がたくさんいるんでしょう
駅前は、アパートやマンションが多くて店は少なく、あっさりした感じ。でも地下鉄のターミナルだけに人は多く、分散した乗り場にはバスが多く発着していた。
真駒内駅。後ろがホームから見えた林
中学校の修学旅行では、自由行動の出発地点がこの真駒内駅だった。(集合地点は中心部のテレビ塔)
真駒内出発にした理由について、「真駒内の近くにある『札幌芸術の森』に、多くの生徒に訪れてほしいから」だと話していた先生がいたけれど、それ以外に札幌市街地での渋滞を避けたい意図もあったのかもしれない。
ところで、上の写真中央に写っている、札幌オリンピックのマーク付き時計塔を見て、はっとした。
この時計塔付近でのスナップ写真が、中学校の卒業アルバムで修学旅行の1シーンとして掲載されていたのだが、どこでいつ撮影されたのか疑問だった。それが解決したのだ。バスを降りて自由行動に向かおうとするシーンだったことになる。
定山渓行きのバス乗り場は、横断歩道を渡らず、駅舎からすぐ。
事前の調べでは、すぐにバスがあることになっているが、なんとそこには、30人ほどの行列ができていた!
果たして乗り切れるか不安になっていると、大型バス・日野ブルーリボンシティ(日野純正の最後の車で、秋田にはない)がやって来た。(人の多さにおののいたので写真はありません)
当然席は埋まって、通路にも多くの人が立ったけれど、意外にも余裕があった。ぎゅうぎゅうではないので、これなら耐えられる。
道が広い北海道の大型バスは、本州のより少し長い仕様のものがあるそうで、この車がそうなのかは分からないけれど、大型バスの収容力を実感。
車内を見渡せば、温泉に行くような人はほとんどいない。用事を終えて帰宅するような人ばかり。
バスはすぐに片側2車線の国道230号線へ出て、ひた走る。郊外型店舗が並び、その裏に住宅街が続き、バス停ごとに車内が空く。
途中で国道を外れて集落に入ってまた復帰したりしつつ、真駒内駅から30分近く走って、車内の立ち客が解消。車窓はいくぶん郊外っぽくなったが、まだ家が多い。
さらに進んで、片側1車線になった(拡幅工事らしきものが行われていた)と思っていると、いつの間にか国道を外れて、「定山渓温泉へようこそ。これより温泉街に入ります」と放送が流れた(白糸の滝)。
幹線道路から、突然、温泉地にワープしたような感じ。短くはなかったけれど、あっけない移動だった。中学校の修学旅行の頃より、開発が進んだのだろう。
【7日追記】昔は、地下鉄を真駒内から定山渓方面まで(温泉までということでなく、途中の住宅地まで)延伸する構想があったらしい。具体的になっていないのは、おそらく、地形、沿線人口、財政面がネックになっているのだろう。ただ、バスの利用状況を見ると、さすが大都市札幌だと感心するとともに、地下鉄(あるいは何らかの鉄道)がもっと先へ続いていたら…と想像してしまった。
定山渓行きのバスは、温泉街の中をぐるりと周って終点の車庫へ入るようだが、泊まる宿の最寄りバス停はその名も「定山渓湯の町」。
温泉街は谷状になった川沿いで、カーブした坂(秋田のバス路線で例えれば、手形山団地線の秋田高校の坂よりは短く、新屋西線の栗田神社前の坂よりは長いけど、似ている)を下って入る。
冬はたいへんそうな坂ですな
ほぼ定刻で到着。降りたのは2人だけだった。夕方なのに、札幌市街地へ向かうバス停には5人ほどが待っていた。温泉街で勤務して帰宅する人とかだろうか。
「定山渓湯の町」(上り側停留所)
バス停にあるマークは、東急のロゴ。(ローマ字は「JOTETSU CORPORATION」)
この「じょうてつ」は、元は定山渓鉄道といって、札幌と定山渓を結ぶ鉄道を運行していたが廃止(線路跡の一部は地下鉄南北線に転用)。鉄道時代から東急傘下にあった。バス事業を廃止した札幌市交通局(札幌市営バス)の路線の一部が移管されていて、乗ってきた真駒内-定山渓の路線もその1つのようだ。
バスは大型バスばかりで、4メーカーが揃っているようだが、日野と三菱が多い印象。特に日野(いすゞと同設計を含む)が圧倒的に多い気がした。東急や小田急の中古車もあるとのこと。
日産ディーゼルのバスはこの1台しか見なかった
さすが都会のバスだけに新しい車が多かったが、ノンステップよりワンステップをよく見かけたのは、積雪地だからか。運賃箱はICカードに磁気カード、自動計数機能付きと重装備。
昼間もヘッドライトを点灯し、すれ違う時の挙手はしていなかった。
豊平川沿いが温泉街で、26の宿泊施設がある。収容人数が多い宿が多く、修学旅行や団体旅行に使われるそうだ。
近くには、ライオンズマンションがあったりする町もあるのだが、温泉街からは見えない。
河童の伝説があり、イメージキャラクターとしてカッパがあちこちにいる。
少し歩けば、自然の風景が広がる。
林の中の遊歩道は一部通行止めになっていたし、けっこう険しかったので、すぐに戻ってきたが、その気になればいい運動ができる。
ミンミンゼミが鳴いていた。(旅行中、ほとんどセミの声を聞かなかったけれど、定山渓は大合唱だった)
宿泊した宿は、団体客向けの古い部屋を、空いたシーズンに安く個人向けに売っている感じ。川沿いだけど眺めは悪い。でも、8畳の部屋を独り占めできるし、広い温泉に何度ものんびり入れるのが何より。
温泉はなかなか。塩化物泉に分類されていて、無色透明で湯の花が漂う、優しいお湯。
川から冷たい風が吹いてきて、気持ち良かった。(その真上の部屋では風を感じなかったのが不思議。谷の底を川風が流れてるから?)
団体客とかち合ったりするとうるさくなりそうだけど、そうでなければ個人的には悪くないと思う。
帰りも、真駒内までバス。今度はいすゞエルガとの共通車種「日野
温泉街からは5人ほど乗って、白糸の滝を過ぎると「このたびは定山渓温泉においでいただき、まことにありがとうございました」と放送。
以後は、来た時の逆でバス停ごとに人が乗ってくる。
真駒内まで行かずに途中で降りる人もちらほら。定期券や高齢者向けバスカードの利用者が多く、ICカードを使う人は少なかった。
札幌のバスでは、降りるバス停に近づくと、到着前の走行中に席を立って前方に歩いて来る人が、よく見受けられた。秋田とか土地によっては運転士に怒られそうな状況だし、実際問題として車内事故の可能性があり、日本バス協会の呼びかけにも反している(車内にもシールは貼ってあった)。客が多く、長い車体なので、スムーズに降車するための地域性だろうか。
そんな調子で立ち客が増えるかと思っていたら、途中から直前に別の真駒内行きのバスが合流。2台で客を分けあって、さほど混雑せずに、真駒内駅に到着した。
後ろにいるのがもう1台のバス
ただ泊まっただけだったけど、満足できた定山渓温泉だった。札幌の宿泊地の1つとして候補に入れておいて、また泊まってみたい。
最後に、ここに限らず、温泉宿の部屋におけるタオルの扱いについて、僕はいつも迷うというか困る。
一般に、宿泊客1人に対して、フェイスタオルとバスタオルが1枚ずつ割り当てられる。(温泉宿はフェイスタオルは持ち帰って良い所が多いが、今回の宿は持ち帰れなかった)
部屋には、タオル掛けが1部屋に1台置かれている。
これ
このタオル掛けは、フェイスタオルを掛けるものだろう。まず困るのは、多人数で泊まると、誰のタオルがどれか分からなくなること。【2016年2月29日追記】この点については、タオルを掛ける棒を色分けしている宿があった。この記事最後参照。
もう1つ困るのは、バスタオルってどこに掛ければいいんだろう。
今回は1人だったので、このタオル掛けに掛けてみたけれど、なんかしっくり来ない。
バスタオルはある程度乾いていたほうが気持ちいいし、湿ったタオルを例えばクローゼットのハンガーに吊るしておくのも、良くなさそうで気が引ける。
そういえば、ビジネスホテルのユニットバスでも、フェイスタオルのタオル掛けはあるけれど、バスタオルを掛ける場所がない所が多い(新品はたたんで洗面台の上の棚に置いてある)。結局、バスタブの縁に掛けてしまっている。
宿泊業界の皆さん、バスタオルのちゃんとした置き場所を設けてもらえないでしょうか。
※北海道旅行記の続きはこちら