広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

黄色い帽子/カーブミラー

2014-04-03 23:47:10 | 秋田のいろいろ
まもなく入学式シーズン。
入学式に先立って、秋田のローカルニュースでは「『黄色い帽子』贈呈式」が報道されるのが恒例で、今年は今日だった。
毎年、秋田市で行われるもので、秋田市内の各小学校から新入生が1名ずつ保護者同伴で一堂に会し、秋田市長から「黄色い帽子」をかぶせてもらう行事。(他に警察官のお話やワッペン等の配布もある模様)
他の新入生には、各学校での入学式において配布される。今年は2479名分。【下記追記参照】
※全学校といっても、秋田大学附属小学校は制帽があるし、県立特別支援各学校の小学部もある。それらは対象外なんだろうか。

【4日追記】
初回アップ時には(面倒なので)触れなかったのだが、各報道では、贈呈式には市内「43校」の新入生の代表が出席したことになっている。
しかし、秋田市立の小学校は44校存在する(勝平小学校千秋分校は含めない)。
ということで、昨日の贈呈式には、秋大附小や県立各支援学校からの出席がなかったばかりか、市立のどこか1校からも来なかったことになる。
「今年は新入生がゼロ」という学校なんだろうか。統廃合が進んだ今もあるのかな?
【7日追記】7日放送の秋田朝日放送「スーパーJチャンネルあきた」によれば、秋田市の小学校1校で新入生がいないため、入学式を行わないとのこと。(以上7日の追記)【9日追記】新入生がいないのは、雄和地区の種平小学校だった。

また、読売新聞秋田版やいただいたコメントによれば、少なくとも秋大附小には黄色い帽子が贈られている。(本来の制帽とダブることになる)

黄色い帽子の贈呈人数「2479人」は、秋田放送の報道「市内すべての新1年生2479人に配られます。」から。
4日付秋田魁新報秋田市地域面では「秋田市教育委員会によると、本年度の新入学児童は2382人」。と100人近く違う数字。
ABSは「帽子が配布される人数」、魁は「新入学児童数」なので、一致しなくても間違いではないが、差が大きすぎる。秋大附小や各支援学校の新入生がカウントされていない可能性があるのではないか。
読売新聞秋田版では「秋田大学付属小の新入生を含め約2500人に贈られる。」と大雑把。
どっちにしても入学式の9日までに、多少の増減があり得るだろうから、どの数字も確定値ではない。(以上4日の追記)


今年のニュースで初めて知ったのが、この黄色い帽子を寄贈しているのが「一般社団法人 秋田市駐車場公社」であること。公社から秋田市へ贈呈する形らしい。
公社は秋田市の外郭団体で、駅前の「公営駐車場」を運営する組織。

公社のホームページによれば、設立は1979年で、「交通安全を目的とした寄付事業」の1つとして「小学校新入学児童用交通安全黄帽子」を行っている。1985年度から2012年度の間で、63084個配ったようだ。【4日追記】魁によれば、駐車場公社は1993年度から贈っているとのこと。
余談だが、「都市機能の向上を目的とした寄付事業」として、同じ期間で125基のカーブミラーや、ぽぽろーどの壁掛時計2台(交番の上付近にある電気時計のことか)なども寄贈している。


黄色い帽子の贈呈は「50年以上続いている」という。
たしかに、僕が入学した時ももらった(クラスで2人だけ、頭がデカくてはまらず、後から交換してもらった…)。

秋田市の広報紙「広報あきた」を調べてみると、52年前の1962年3月15日付186号に「小学校新入生全員に黄色帽子」が掲載されていた。
「このほど、魁新報社と市交通安全協会から交通安全色の「黄色い帽子」五百ずつ、計千個が小学校新入学児童へ贈るよう申し出がありました。 」そうで、(駐車場公社発足前だから当然だけど)当初は別の所からの寄贈だった。
寄贈分だけだと1000個なので、足りない分は秋田市が負担している。「このたびの寄贈分に合わせて新入学児童三千五百八十六人全員にこの交通安全帽を(略)贈りました。」
※同年4月15日の188号では「小学校入学児童3,758人全員」となっている。

この時の新入生は、今、還暦前の人たちだが、今年の新入生と1000人ちょっとしか違わない。その頃は河辺・雄和が含まれていないが、その程度の差なのか。


秋田市では黄色い帽子は、小学校1年生しかかぶらない。
僕の頃は、おそらく1年生の2学期(夏休み明け)頃には、ちらほらとかぶらない子が出てきたような気がする。さらに冬になると、防寒用の帽子をかぶるから、おのずと誰も黄色い帽子はかぶらなくなる。
学校側からは、必ずかぶれとか、もうかぶらなくていいという指導はなかったはず。
冬の防寒のこと、6年間で成長して買い替えが必要になることもあるのだろうか、秋田市立学校では「通学帽」は特に制定されないのが一般的。

全国的には、1年生以外でも黄色い帽子で通学する所がある(あった)ようだ。
代表例が「ちびまる子ちゃん」。小学校3年生のまる子とそのクラスメイトは、みんな黄色い帽子をかぶっている。タマネギ頭の永沢君も、とがった先端にちょこんとかぶっている。さらに6年生のさきこお姉ちゃんもかぶるはず。
舞台である1974年度の清水市では、小学生はみんな黄色い帽子をかぶっていたのかもしれない。


秋田市で他に新入生に配られるものをあと2つ。
まず、今日も配られていた「黄色いワッペン」。
薄手のビニールに「横断歩道(学童バージョン)」の道路標識の柄が描かれているはず。穴が開いていて、安全ピンで留める。
これは、みずほフィナンシャルグループと保険会社3社が全国の小学校1年生に交通事故傷害保険付で配布しているもの。今年で50回目で、のべ6000万枚前後配られているという。
1967年4月10日の広報340号では「富士銀行からは黄色い腕章」が贈られたとあるので、その流れだろう。(富士銀行は2002年に第一勧銀と合併)

もう1つは「黄色い手帳」。
秋田テレビ(AKT)が主導して協賛企業を募り、県内の全新入学児童に交通傷害保険が付いた手帳を送るのが「黄色い手帳運動」。年が明けた頃から、その年の干支をキャラクターにした、交通安全啓発のアニメCM(過去の使い回し)も流れる。今年で33回目。

僕たちの時は、表紙が黄色い厚紙製の名刺大の手帳。中身は保険内容や交通安全のことでも書いてあったのだろうか。(手帳と言っても、メモした記憶はない)
ランドセル側面のフックにぶら下げるようになっていて、僕はボロボロになるまでそうしていた。
今年のAKTのサイトの写真を見ると、現在もサイズや使い方は変わっていないようだ。

ネットで調べると、「黄色い手帳運動」は全国的ではないが、同じように地元マスコミによって実施されている所が他にもいくつかあった。
テレビ静岡では今年で35回目、鳥取・島根の山陰中央新報社と山陰中央テレビでは40回目。他にも北陸放送や富山テレビも実施しているらしい。



交通安全つながりでもう1つ。
たまに通る秋田市内の生活道路で、以前から気になっていたものがあった。
このカーブミラー
カーブミラーの縁の部分に、帯状のものが宙ぶらりんに付いていて、風が吹けばパタパタと動くのだ。
縁の他の部分は本来オレンジ色であるはずなのに、剥がれて地色が出ているようだ。ミラー(鏡)としての機能はほぼ問題なし。

カーブミラーの材質や構造はよく知らないが、このままではミラー自体が落下したりしそうな気がしなくもない(その可能性は低そうなことが後に分かります)。通学路でもあるし、比較的車の通行量もある地点。パタパタしていては、見栄えも良くない。
念のため、秋田市道路維持課へ報告しておいた。※公道上のカーブミラーは道路管理者の管轄
数日後に通ると、
きれいになっている!
オレンジ色の縁が鮮やか。素早い対応に感謝。
てっきり縁の部品だけを交換するのだと思っていたら、ミラーそのものが別のものになっている。

裏面に「部材品質表示票」という銘板のようなシールが貼ってあった。
2005年の「燕振興工業」というメーカー製。各部の材質は、鏡面はメタクリル樹脂、枠はアルミニウム、バックプレート(裏から見える面か)は亜鉛鉄板、フードはステンレス。
まっさらの新品ではないようにも見える(シールが汚れていた)から、どこかで撤去して保管していた中古品なのかもしれない。

調べてみると、カーブミラーは正式には「道路反射鏡」といい、1960年代に登場した。日本独特のものなんだろうか。鏡面の材質は強化ガラス製もあるが、樹脂や金属製が主流のようだ。
メーカーはたくさんあって、「道路反射鏡協会」の正会員だけで11社。同協会の基準を満たした製品に「部材品質表示票」が貼付される。
「燕振興工業」は、食器製造で有名な新潟県燕市のメーカーで、食器や道路標識も製造している。


新しくしてもらったカーブミラーを改めて観察すると、僕の印象にある一般的なカーブミラーとはどこか違う気もしなくない。
隣のカーブミラーを観察
これこそ見慣れたカーブミラーって感じがする。
どこが違うかというと、縁のオレンジ色の部分の幅と、フードの深さが異なる。新しいほうが、縁が狭く、フードは浅い。

こんなカーブミラーも発見。
どちらも新しそうだけど、左右で微妙に違う
裏面も違う!
正面から見て右のミラーはフードが浅く、裏面はオレンジ色。左はやや深く、銀色。
部材品質表示票によれば、右は2011年海道工業製、左が2012年日本ポリエステル製。
材質はどちらも同じで、鏡面がメタクリル樹脂、バックプレートがFRP-S、フードがポリカーボネート、枠がアルミニウム。

信号機のフードは浅くなる傾向で、メーカーによる差もあるけど、カーブミラーの世界も同じ傾向にあるのだろうか。


でも、考えてみれば、カーブミラーにフードって必要だろうか。
光や雪を防ぐ目的だとすれば、もっと深くないとほとんど意味がないように感じる。
「道路反射鏡設置指針」というのがあるそうなので、それでフードを取り付けることが義務づけられていたりするのかもしれない。
(再掲)
青森県弘前市などには、リンゴの実の形をしたカーブミラーが公道上に立っている。あれもいちおう既成品のようだが、あれにはフードは最初からなかった。

改めて秋田市内の他のカーブミラーを見てみれば、新しいタイプもけっこう設置されていた。
一方で、フードや縁が破損しているのもままある。縁やフードがなくても差し当たって支障はない(それが原因で落下したりはしなさそう)し、数が膨大で管理者も細かく対処していられないのが実情なんだろうけど…
あの程度の破損で通報して、交換させてしまったのが、ちょっと申し訳なかったようにも思ってしまった。

でも、住民や道路利用者がもう少し注意を払い、管理者と連携するべきだと思う。取付金具や支柱が劣化・破損していれば、大きな事故につながりかねない。やはり、気付いて伝えるべきです。
もっと関心を持ちましょう
3月7日付「広報あきた」1812号「市役所からのお知らせ」の中に、「道路の穴などを見つけたらご連絡ください」というのが掲載されていた。
発見した時の連絡先として、建設部道路維持課の電話番号、ファクス番号、メールアドレスが記されている。※電話は、3月15日までは転送されて除排雪コールセンターで受付。
「みなさんからのいち早い通報が事故を未然に防ぎます。」とあり、まったくその通り。秋田市だけでなく、県や国も含めて、各道路管理者はもっともっとPRするべきだ。

広報では触れていないが、秋田市道路維持課ではホームページ内に「道路パトロール依頼入力フォーム」というのがあり、そこからも通報できる。(通報者の個人情報をいろいろと入力する欄があるが、僕は名前とメールアドレスしか入れていない。その代わり、場所や状況は分かりやすく書くように心掛けている)
今回のカーブミラーもそこから通報したし、別件で歩道に小穴が開いている(小さいけれど、運悪く足を入れてしまったら確実に転ぶ)のも連絡したら、こちらも迅速に埋めてくれた。
フォーム入力後「送信」を押すと、確認画面や受付完了画面が表示されずに、課のトップページヘあっさりと戻ってしまうのだが、迅速に対処されたことからも、動作は正常のようだ。【5月19日追記】その後、受付完了の画面が表示されるようになった。実は、フォーム内にある要望欄にその旨を入力したので、それを受けて対応してくれたのだろう。

【14日追記】これも広報で触れていなかったが、秋田市では、軽微な道路の補修については、建設部ではなく、市民生活部の各市民サービスセンターの権限で対処できるようになったはず。(中央地域など市民サービスセンター未開設のエリアは、もちろんできない)
個人的には、市民サービスセンターは専門外でいろいろな業務をやらなければならないだろうし、最終的な補修業務(発注または作業)はどっちみち建設部がやるのだろうから、最初から専門家である道路維持課に伝えて対処してもらったほうが、スムーズなような気がするが…(上記の通り、道路維持課の対応にはまったく問題がないし)
また、広報にこのことが掲載されないということは、建設部と市民生活部の意思疎通が取れていないのではないかとも思ってしまう。


新入生や引っ越してきて土地に不慣れな皆さんが多い季節。
そうした人たちが安心して通行してもらえるように、我々前から住んでいる者の心がけが大事でしょう。特にドライバーは余裕を持って安全運転を!
コメント (6)
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