広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

帰ってきたE3・青い510

2014-04-13 18:16:31 | 秋田の季節・風景
気温は低めながら、晴天が続いて春らしくなってきた、最近の秋田。
今日の秋田市は、最低気温はマイナス0.1度まで下がって、昼は10度を超えている。
先週からツバメを見るようになった。秋田地方気象台では8日に初見を観測(平年と昨年はいずれも18日なので、だいぶ早い)。
12・13日は秋田市の星辻神社のだるま祭り。開催中は、多少なりとも雨がぱらつき、雨が降らなかった年は火事が多いという言い伝えがあるのだが…
夜もいい天気だから、星空を楽しめる。早い時間だと西の空にまだオリオン座が見える(20時くらいまで)。その上に見えるのが「ふたご座」であることを、初めて知った。

バッケ(ふきのとう)も伸びた。もう食べられないね
上のふきのとうとE6系・Z10編成の写真は、金照寺山と一つ森公園の谷間・楢山の秋田車両センターにて。(だから電車は止まっています)

このように車両センター・線路と並行する道路の境には、枯れ草の中にふきのとうやスイセンが芽吹いて彩りを添えていた。
こちらは黄色い水仙
スイセンの後方に注目。昨年でなく今年(先週)の撮影です。
なんとE3系が来ている!
E3系とE6系
パンタグラフは上がり、尾灯が点灯していた。

3月14日をもって、秋田新幹線から引退した初代「こまち」のE3系電車。
廃車や山形新幹線への転用される車両は既に姿を消したが、最後まで残った車両は、その塗装のままで東北新幹線東京-盛岡間で引き続き運行されている。
いずれにしても、E3系が秋田に来ることはもうないと思われた。

しかし、実際には、盛岡以南を走っている車両は、今もちょくちょく秋田車両センターへ来ているようだ。
盛岡-秋田をわざわざ回送扱いしてまで秋田へ来る目的はなんだろう。
考えられるのは、定期的な検査を行っていることぐらいだが、そんなの仙台(新幹線総合車両センター)でもできそうに思える。仙台に余裕がないのか、機器や人員の都合なのか。

秋田新幹線用としては最後に製造された「R26」編成だった

側面の「こまち」ロゴが撤去されて空白になったのが寂しい
引き続き秋田でE3系が見られるのは、うれしいことではあるが、乗ることはできない。
※その後、E3系を使った団体列車が設定された。この記事後半参照。

このようにタイミングが合えば、車両センター周辺の道路からフェンス越しに見ることができます。その際は、近隣への迷惑、溝への転落等にはご注意を。もちろん、
「線路内立入り禁止」!
上の写真は車両センターのフェンスに出ている看板。
怖い顔の列車は初代山形新幹線「つばさ」だった400系電車っぽい。塗装もその初代塗装に似ているが、窓回りは200系っぽい。屋根上に「検電アンテナ」が出ているのはリアルだが、パンタグラフはない。
蝶ネクタイを着けて、汗をかいてびっくりしている(?)のは、頭の上に耳が出ていて肉球があるので人間ではない。顔はNHKおかあさんといっしょ「にこにこぷん(1982~1992年放送)」の「じゃじゃまる」に似ているが、ヒゲはない。
※じゃじゃまるの本名は「ふくろこうじ・じゃじゃ丸」、種は「うらおもて山猫」

【2020年7月21日追記】その後、2019年春にE3系(R21、R22編成の2本)は秋田から仙台へ転属。引き続き東京-盛岡で運用され、秋田へ来ることはなくなったようだ。



さて、以前も少々触れたが、昨年から、いわゆる日本海縦貫線(秋田では奥羽本線~羽越本線)の貨物列車をひくEF510形電気機関車に、青い塗装のものが登場している。

EF510形電気機関車は、JR貨物が国鉄時代から使ってきたEF81形電気機関車の後継として2002年(量産は2003年)から導入している。「ECO-POWER レッドサンダー」という愛称が付けられたように、ボディカラーは赤。現在まで23両が製造され、富山機関区を拠点に大阪と青森の間を中心に活躍している。
(再掲)赤いEF510形 ※関連記事

一方、JR東日本でも寝台列車やJR貨物から受託した貨物列車などでEF81形を使っていて、当然それも老朽化して更新が必要になった。
イチから新型を設計するのも非効率的だから、EF510形をJR東日本仕様にしたものを2009~2010年に導入。製造番号が飛んで501番から始まる15両が、東京の田端運転所に配置されていた。
これは、赤いボディではなく、ブルートレイン(寝台特急北斗星)の塗装に合わせた青(501~508、511~515号機)と寝台特急カシオペアに合わせた銀色(509、510号機)。

ところが、2013年のダイヤ改正で田端運転所の貨物列車受託が廃止。同所のEF510形に余剰が発生してしまった。
その余った分がJR貨物が売却され、富山へ転属して日本海縦貫線の貨物列車用に使われることになった。それが塗装変更されずにそのまま走っているので、青いEF510が貨物列車をひくことになった。
※JR東日本にしてみれば、JR貨物の都合に振り回されているようにも感じなくもないけど…

売却されたのは501~508、511号機。509と510が譲渡されなかったのは、その2両がカシオペア塗装であるためだと思われる。
転属後、おそらく最初に日本海縦貫線を走り始めたのが、511号機。2013年12月下旬には、赤いEF510に混ざって秋田にも姿を現し始めたそうだが、1両だけなのでなかなか見るのが難しかった。
僕が511号機を初めて見たのは、3月に入ってからだった。
その後、ちょうどダイヤ改正頃から511号機以外の青いEF510も見るようになった。その結果、日本海縦貫線のEF510形は計32両となり、3分の1弱が青なわけで、沿線で見る感覚としてもそんな感じだ。
ただし、EF510には、秋田を深夜・早朝に通過したり、北陸方面だけを行ったり来たりする運用もあって、一定の確率で赤や青が見られるわけではない。

青い504号機がひく貨物列車
秋田に住む鉄道が好きな者としては、秋田を“青い機関車”が走るのには、違和感とまではいかなくても、隔世の感を覚える。
なぜなら、旧国鉄では、機関車の車体色は、その形式が対応する電源によって決められていたから。
青は直流電源専用を示す色であり、交流電化区間である秋田では走れないから見られなかった(土崎工場に出入りする時には、他の機関車にひかれて通るけど)。
子どもの頃はそんな規程など知らなかったので、「どうして秋田の機関車は赤いのばっかりで青がないんだろう?」と思いながら、青い機関車の写真を本で見ていたものだった。
青い機関車が青いブルートレインをひくのは、統一感があって憧れていた。(一方で、日本海やあけぼのといえば、赤い機関車がブルートレインをひく姿が連想され、それはそれで親しみのある光景ではある)
秋田でやっと見ることができた“青い機関車”は、金色の帯も入っていて、ブルートレイン牽引用にふさわしい塗装だが、今はそれが貨物列車をひくとは皮肉。

青いEF510は、国鉄時代の青い機関車(「青15号」という色が指定されていた)よりも、明るいブルーに感じる。
これは汚れていないピカピカの頃で、天気も良かったので特にきれいに見える

JR東日本からJR貨物への転属に当たって、側面の流れ星のペイントと「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」の文字は消された。
501号機。側面は型式だけ
側面はほぼ青一色になってしまい、「こまち」が消されたE3系と同じく、少々寂しい。とりあえず「JRF」のロゴでも入れとけばいいのに。
将来的には赤に塗り替えられて、「RED THUNDER」ロゴが入るのだろう。(ちなみに「ブルーサンダー」は上越線などを走るEH200形の愛称なので使えない)

「富山」の所属表記。保安関係の機器は一部交換されているようだ

今後、長距離の過酷な運用が続けば、
511号機
汚れが付着し、青がくすんでしまう(赤でも同じことですが)。

※この後、北海道新幹線が開業し寝台列車がなくなった2016年春までに、JR東日本に残っていたすべてのEF510がJR貨物へ売却された。カシオペア塗装機も含まれているが、今後団体列車で運行されるカシオペアは、貨物から機関車を借りて運行するとのこと。この記事にて。


最後に、土崎駅・改札口上の発車標。
秋田駅の発車標よりも新しいため、LEDが明るくて見やすい。列車の時刻などはゴシック体だが、案内文は明朝体でスクロール表示できるようだ。かつてのワープロ専用機や魁新報号外(簡易作成版)でおなじみのモトヤ明朝かな?
「ご就職・ご入学おめでとうございます」
土崎駅も心憎いメッセージを流すなと思ったら、続けて「定期券を自動改札機に入れたら、取り忘れないでね」という趣旨のご忠告でした。(ホーム上の発車標にも表示されていた)
コメント (6)
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