広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

祭りの正式表記

2013-07-03 23:35:25 | その他もろもろ
秋田市の「竿燈(かんとう)まつり」まであと1か月。
このお祭り(8月に開催されるイベントとしての)の現在の正式表記は「秋田竿燈まつり」。「竿“灯”」ではない。
秋田竿燈まつり公式サイトの表示
※公式サイトでは、タイトルは「秋田竿燈まつり」で、その下には「秋田“市”竿燈まつり実行委員会~」とあり、イベント名と実行委員会の名称で「市」の有無が異なる。これは「秋田“市役所内に設置された”竿燈まつり実行委員会」という意味だと思われる。「秋田市秋田竿燈まつり実行委員会」という名称のほうがより正確ではあるのだろう。


ただし、以前の一時期は「竿灯まつり」が公式表記だったことがあった。
「燈」が常用漢字でないために「灯」にしたようだが、本来の表記に戻そうということで再び「燈」に変えられた経緯がある。過去の広報あきたを調べると、おそらく1993(平成5)年から「竿燈」に戻ったらしい。また、確認できた中で最古の1957(昭和32)年には既に「竿灯まつり」となっている。
【4日訂正】コメントでご指摘いただいたように、当用漢字に代わって「常用漢字」の制度ができたのは1981年で、その時に「燈」が「灯」に変わった。それ以前から「竿灯」表記だったので「“燈”が常用漢字でないので“竿灯”表記にした」という理由では、時系列的に合わなくなり、正しい理由ではなかったことになる。
※竿“灯”最後の1992年に、テレビドラマのロケが行われた

「竿燈」に戻って今年で20年になるようだが、いまだに「竿灯」と表記されることが多い。
さすがに秋田市役所関係では「竿燈」に統一されているが、2010年に紹介した(リンク先中ほど)ように、秋田県庁や地元メディアでさえ、「竿燈」と「竿灯」が混在しているのが見受けられる。

その文書作成者(あるいは情報を公開している組織)が、常用漢字しか使わないという意志を持って「竿灯」に統一しているのならいいが、混在しているのだから、そういうわけではないはず。
パソコンでは「灯」も「燈」もOSやフォントに関わらず表示できてしまい、一部のかな漢字変換システムでは「かんとう」でどちらも候補として表示されてしまうことが原因だと思う。


さて、JTBパブリッシングが「ノジュール」という月刊誌を出しているそうだ。
「50代からの旅と暮らし発見マガジン」で書店では扱わず、定期購読のみ。
その7月号の広告が、6月29日の新聞に出ていた
その第2特集が「一度は見ておきたい日本の夏祭り」。
いくつかの祭りの名称が掲載されている
秋田の竿燈も出ているが、「竿灯」表記になってしまっている。残念。
他には、京都“ぎおん”祭と博多“ぎおん”山笠が出ているのだが…
ぎおんの「ぎ」は、「しめすへん」に「氏」。この文字のしめすへんは「ネ」のようなのと「示」の両方とも使われることが多いように感じる。現在のパソコンでは「ネ」のほうは表示できず「祇」だけだが、昔は(ワープロ専用機当時?)は逆に「ネ」で「示」のほうが表示できなかったはず。【4日追記】WindowsではXPまでが「ネ」、7以降で「示」になる模様。
広告では、京都と博多で「ぎ」の文字が違っている。京都は「示」で、博多は「ネ」。あえて文字を変えたということは、公式表記にのっとったのだろうか? でも竿燈は「竿灯」だし…
【4日訂正】よく見たら、新聞広告の京都の「ぎ」は、示に氏の「」でもなく、示で氏の下に横棒が1本入る「」だった。「祗」は「シ」と読み、「祇」とは別の文字(混同・誤用されることは多い)。したがって「祗園祭」は完全な間違いということになる。(以上訂正。以下は訂正前のまま残します)

確認するためにそれぞれの祭りの公式サイトを見ようとしたが、意外にも京都祇園祭には、明確な公式サイトは存在しないようだ。京都市役所ホームページからリンクされている、京都観光オフィシャルサイトでは、
「ネ」
他のホームページでは、「示」を使っていたり、ページ内で「ネ」と「示」が混在したりしている。
ホームページで見る限り少なくとも、京都のぎおん祭は必ずしも「示」ではないようだ。

博多のほうは公式サイトがあった。
「示」
博多は「示」で統一されている。一部は、いかにも手作業で「示」に変えたような「祇」もある。
右の小さい「祇」
トップページ下の問い合わせ先の「博多ぎ園山笠振興会」だけは「ネ」だったけど。


となると、ノジュールの新聞広告は、むしろ公式表記の逆に近い。
また、ノジュール公式ホームページの「最新刊のご紹介」では、博多を「示」と正しく表記している。(京都祇園祭や竿燈は出ていない)
ノジュール公式ページより

新聞広告では他にも、「ねぶた」「阿波踊り」とあるのも引っかかる。「ねぶた」という祭りは各地にあるし、徳島は「阿波おどり」が正当。(ホームページでは「青森ねぶた祭」「阿波おどり」と正しく表記)


どうも本誌は大丈夫で、新聞広告の表記だけに問題があるようだ。
JTBの出版物といえば「るるぶ」をはじめ、観光情報にとても強いイメージがあり、その分野の草分けでもあろう。広告だけとはいえ、それがこうではいただけない。立ち読みできない雑誌だけに、新聞広告の役目は大きいだろうし。

※2015年7月の同誌の広告にも竿燈が出ているが「竿燈まつり」と正式表記になった。
コメント (8)
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工事その後

2013-07-01 23:31:43 | 秋田のいろいろ
秋田市中心部の各種工事のその後。
まずは4月17日の続きから2つ。
●トゲビル
山王の検察庁の建物の耐震工事「秋田法務総合庁舎(11)建築その他改修工事」。
既存建物の外側に構造物をくっ付ける工法。おそらく先週中にその覆いが取れて、新たな外観が姿を現した。
北側
ところどころに入っている筋交いは、工事途中では白かったのが、黒く塗装されたのであまり目立たない。
出っ張った部分は、既存部分とうまく融合して違和感がない。出っ張った部分には柵らしきものがあるので、ベランダのようになっているのかもしれない。
正面。向かって左の南面も北と同じ構造・状態


●牧野ビル
山王十字路近くの「牧野ビル」の解体。
完全に更地になって、向こうの公園が見通せる

東隣の三井住友海上秋田ビルの側面が丸見え
跡地がどうなるのかは、不明。
【12月30日追記】2013年12月末時点では、空き地のまま。
【2014年3月28日追記】2014年初めに秋田市役所の新庁舎建設工事が始まったが、その関係者用駐車場に使われている模様。
※その後はこの記事後半


●産業会館跡地
二丁目橋の向かい、中通の秋田県産業会館跡地の片隅(東側)でちょっとした工事が行われていた。
工事看板がもう1枚追加(左側)されていた
右と同じく6月25日までで、「樹木植栽とベンチ設置しています。」「植栽・休養施設整備工事」。←「休養施設」っていうと温泉施設でも作るみたいに感じる。「休憩」では?

工事の進捗は、
こうなっている
立ち入りできないようになっているが、おおむね完成しているようにも見える。
通路部分に敷かれたのは「インターロッキング舗装」とあるが、秋田市道の滑り止め付きブロックの色違いのようにも見える。
ベンチが数台置かれたのはいいけど、屋根があったほうが良さそう。夏は暑いし、冬はどうなるの?

何気なく裏(東側)へ回ってみると、そこにも工事看板があった。
こっちは例の「建築工事の表示」の緑看板。発注者は他と同じ県出納局財産活用課
「県有施設再生可能エネルギー等導入事業工事(旧産業会館ソーラー街路灯設置)」で、5月22日から7月31日まで。
なるほど。ここにソーラー発電の照明を設置するのか。照明がない場所(道路の照明のおこぼれはある)だから、あってもいいかも。その設置をもって完成となるのだろう。
【7日追記】6日頃には通路部分の柵がなくなって、立ち入りができるようになった。街路灯は未設置で、西側は恒例の竿燈桟敷席の資材置き場となり、立ち入り禁止。
※完成後の様子はこの記事後半
コメント (11)
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