麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

1月の観劇を振り返る

2006年02月01日 | 鑑賞
                       【文中敬称略】
 一月の観劇本数は9。
 2日の新宿梁山泊から昨日の東京アナウンス学院小高ゼミまで。良かったのは『流星ワゴン』『サムワン』『性能のよい』と『霧のむこうのふしぎな町』。三番目のはブログに書いてないのでここで触れると……

「COLLOL(ころーる)」という集団[*1]の劇場初進出作品『性能のよい』。1/6~9。王子小劇場にて。
 いわゆるアート系の作品。ステージからロビーまで毛糸の編み物がはみだしていて、そのオフホワイトのニットが敷き詰められた細長い平土間が演技エリア。で両側が客席、つまり対面式。
 その一脚に女性が腰掛けて、ずっと編み物をしている。やがて俳優たちも椅子を持って出て客席のあいたスペースに座り、登場の度に席を立つ。『オセロー』を下敷きに、現代のカップルの物語を並行させた構成。
 オセロー以下デズデモーナ、イアーゴなどに、今の男と女を、複数の男優女優が性に関係なく様々な組み合わせで演じ、ある時は三組が同シーンをリフレインする。新劇の制作やってて何ですが、古典はホントにつまらない。でもこーして繰り返されたり、名場面だけ切り取られると、それで十分「面白く」感じられる。ちょっと解った気になったり、勝手な解釈に自信を深めたり…。
 余談だが、東演が05年『恋でいっぱいの森』(作・演出/福田善之)という、シェクスピアの3作品のイイトコドリをしたミュージカルは大変好評だったのダ。かのシェイクスピア先生の伝えたかったモノとは違うかもしれないが、と敢えて前置きしつつ、むしろしっかり伝わったのでは、とさえ思ったものだが『性能のよい』にも同様の匂いを感じた。
 ただ全編で編み物をしているとか、作品冒頭に『オセロー』の背景の説明をする“シカケ”は、結果的に作品と絡まず空回りだった。
 あと音楽[*2]が、舞台に近いブースからまさに物語と一体となった(あるいは作品をリードする役目を負いながらの)オペレーションで、曲のクオリティーがまず高く、音を当てる技術もまた高かったので大変印象に残ったことを、最後に述べ置きたい。
 もちろん。スタッフ欄の最後に「words&direction」としてクレジットされた田口アヤコの才能にも敬意を表したい。

  ※1=田口アヤコ(代表/劇作家/女優)、
     Lobi(女優/ダンサー/ヴォイスパフォーマー)の二人のユニット。
     今回は初の、田口の単独企画&純粋演劇だそうです。
  ※2=江村桂吾。クレジットは耳慣れない音響演出。

 トレロモラパッド改め「レトロノート」の『今、居間にて』についても、荒削りながら心に染みる作品で…あぁもう一ひねりあればナ、な作品だったのだが長くなりそうなので、また別の機会に・・・。
(最近このパターンばかりで、反省
コメント
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