麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

おもに『風待ち』のこと。その3

2015年10月30日 | 制作公演関連
連続する三つの公演の宣伝を兼ねた
ブログタイトルをそれぞれ相応しいものに
と、無い知恵を捻って考えた。

和の世界、近松の『心中天網島』は
読み方が判らない人もいるかしらんと
「てんのあみじま日記」とシンプルに。

『東京スタンピード』は、演出が
舞台そのものが《集団暴走》する
疾走感のある作品にしたいと言うので
「スタンピードしようぜ!」とした。

さて『風待ち』である。
とても文学の薫り溢るる題名だ。
悩んだ末、文学性は出せないと開き直り
「おもに~」と少しずらしめに。

また公演順で三本の真ん中になるので
野球でいうところのセットアップ的な、
繋ぎのポジションとしても活用しようと、
「おもに」と付したみた。
と、ピタパタの公演以外について
書くことを許される環境作りだ。

さて。主たる『風待ち』の話をしよう。
バブルの弾けた頃と本年、
異なる時間を同じ部屋で交差させる作品。

稽古もほぼ二組が合わさることなく進められ
(勿論、終盤の稽古となった今は一緒だが)
「新鮮さ」の保たれた座組が構築されている。

とはいえ、vol.5のピタパタ出演俳優は
半数が過去に今井ワールド参加組だから
十二分にまとまりも保ちつつ、
実に良い塩梅で芝居は熟成してきている。

稽古という話でまた脇道にそれると……
演劇界においては、ややもすれば毎日稽古、
或いは長い時間の稽古が「盲信」されている
と言えなくもない。

勿論、稽古は大事だけれど「煮詰まる」
ことも多々あったりする。
(ここでの煮詰まるは、本来の
《議論を尽くして良い結論に達する》
ではなく、今や多くの人が使用する
あっちの意味で使ってます

そこで演出家は、稽古場を活性化すべく
違った角度からのアプローチを試み、
時にはゲーム的要素を用いる等、
苦慮するのだが、ピタパタはそのあたりを、
ある意味ドライにまたはシステムマチックに
うまく処理している。

来月4日より、ほとんどの人が
降りることなく人生を終えるだろう
井の頭線「東松原」駅の小劇場にて。

と、記しているのは上野ストアハウス。
コメント
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