麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

無料公演を二本、観る。

2016年02月29日 | 鑑賞
ただより高いものはない、と言う。

無料の芝居を二本観た。土曜日の話。
昼に青年座の養成所一年生の修了公演。
正確に記せば「本科実習公演」。
夜は世田谷区民上演グループAを。

冒頭の言葉は、御馳走になった際に
頼まれたことが無理難題、てな調子で、
無料の代償がかえって大きいの意だ。
あるいは。
無料の舞台が途方もなくつまんなくて、
その時間や労力等々がまるで無駄、
てな場合もまた「高くついた」
に当てはまるだろう。

さて27日に観た二本。
前者はこれから演劇の世界に羽撃く若者、
後者はシニアを中心とした社会人、
それぞれアマチュアのお芝居だったが
技量はさておき、その志が「高く」、
まるで天をも「突く」舞台で
《ただながら「高い」ものだった》!

区民グループAには12年ほど
制作として関わっていた過去があり、
青年座本科には、知り合いが出演。
加えて演出は青年座の中堅・須藤黄英。

日本に星の数ほどいる演出家を
京都五山に喩えるなら……
別格の南禅寺にあたるのが磯村純、
須藤は万寿寺あたりに位置するぞ、
と個人的に入れ込んでいて
(^_^;)(^_^;)(^_^;)

つまりは三つのスパイスにより
辛くならずに、だいぶ甘い点数に
なっているのは否めないけれども。
・・・とにかく少し詳しく書く。

ソートン・ワイルダーの書いた
演劇界の金字塔『わが町』は
青年座本科総決算の定番作品でもある。
きっちり二回休憩の入る二時間半弱、
西島大の上演台本の舞台に
若かりし日は出演していた須藤が
今度は演出席に座る立場で初めて紡いだ。
オーソドックスに、丁寧に。
それを養成所生が、一年の学びを
咀嚼するようにしっかりと演じていた。

かたや区民Aは作品としては更に古い、
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』
ながら、ダイナミックに解体して
一役を何人もが入れ替わるスタイルで
スピーディーかつエレガントに!

天才・西沢栄治が昨年に続き指導。
リピーターの素材を完全に把握し、
適材適所を越えた適材適所(?!)の布陣。

僕と同じ回を観たある演劇人は、
余りの衝撃に翌日も足を運んだほどだ。

いやぁ良いものを二本。満足な一日。
2月27日、土曜日の話。
コメント
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