通勤電車では本を読む(担当が決まった作品や
次年度以降のレパ候補の戯曲が多い)か
スマホをいじっているか、人間観察か、
或いは寝ているかだ。
その人は、革の茶の鞄を網棚に載せ、
コートを脱いでその上に重ねてから座り、
眼鏡を外すと、ネルのシャツとセーターの間に
片側のテンプル(つるの方が解るかな)を差す。
Vネックのセーターの頂点にちょうど収まって、
こちらにアンダーブローが向く。
(下側だけにフレームがある眼鏡のこと)
までの一連の動作が滑らかで思わず見入った。
動作といえば、私の老化速度がパンパない。
自分ちの玄関で、鍵とマフラーと手袋を持って、
そのあとにバッグから何かを出そうと思う。
以前なら、鍵束を咥えて、手袋を持った方の肘に
マフラーを引っ掛けて、片手を空け、
バッグは一度床に置いて目的を果たすという流れを
考えるまでもなく自然とこなせたのに。
出る時間が迫って焦ったせいもあったが、
頭がこんぐらがって、全部を一度放り出して、
床に散らした自分自身に驚いた。
閑話休題
さて薄紫のアンダーブローの御仁は、
白髪混じりの短髪でスマホカバーが虎ってことは
阪神ファンか、寅年か・・・であれば還暦、
はたまた(僕が無類のキリン好きなように)
虎をこよなく愛する男のどれかだ。
いずれにしろ眼鏡なしでスマホを扱いはじめた。
嗚呼、僕も電車では目がを外して、
胸ポケットマネーがあれば仕舞うし、
ない時はももに置くかする……なるほど
シャツとセーターのはざまという選択肢ね。
とある通勤観察の一例でした。
ついでに。
【こんぐらがる】と書いたけれども、
個人的には【こんがらがる】派である。
あえて前者を使ってみた。
【こんがらかる】もあるみたいだ。
正誤はないのだろうが、地域性とかあるのかな?
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