学生時代はキャンパスから徒歩圏に
今はなき三百人劇場があり、
・・・劇団昴の拠点であるから
演劇を上演する小屋であったが、
映画もよく掛かっていた・・・
中国映画祭は回数券を買って通った。
中国哲学文学科に在籍しながら
肝心の漢文には当たらずに
映画ばかり観ていたなぁ
今では韓流にハマるかみさんが見る
韓国ドラマばかり見て、ご無沙汰の
〈中国〉に久しぶりに触れた。
原題『頣和園〜SummerPlace』の
邦題が『天安門、恋人たち』。
世界遺産でもある広大な庭園
頣和園(いわえん/yi-he-yuan)は
西太后が執政した場所でもあるが
日本ではそれほど有名ではなく、
天安門を謳った方が目を引くのは
間違いない。
監督ロウ・イエ(婁燁)自身、
学生として六四事件に参加。
その経験から構想を温め続けた
思い入れのある作品で、
〈1989年の天安門事件を、
弾圧された学生目線でとらえた映画。
劇的に変動する現代中国の瞬間を
一人の女性の人生の変遷とともに描く〉
と紹介もされていたから、
ある期待を持って目黒シネマへ……。
ところが
作品の中で「天安門」には
あまり触れられていなかった。
冷静に考えれば、中国映画が
がっつり描けるはずもなく、
或いは〈鬼才〉にとって
そのものを創ってもつまらなかった
のかも知れず……。
ただ確かなのは。
一編を通して、どこかでヨレる映画
(に限らず小説、演劇もだが)が
多い中で、ロウ・イエは徹頭徹尾
ロウ・イエの世界観を貫く2時間だった。
中国映画史上初の全裸のセックスシーンも
売り文句のひとつだったが、
そういった些細なことを超えた
スクリーンだった。2006年のメガホン。
昨年公開の『サタデー・フィクション』
など彼の特集が組まれていて、
平日昼ながら客足は少なくなかった。
北京、武漢、深圳、重慶にベルリンと、
ロードムービーの要素も。
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