麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

暑い五月の観劇を振り返る(急)

2015年06月04日 | 鑑賞
五月に観た九本の芝居のうち
劇団櫂人『閉まらぬカーテン』他、
川崎郷土・市民劇『華やかな散歩』、
劇団銀河ラボ『君死にたもうことなかれのオペラ』
は、いわゆる「社会人演劇」で、
女性キャストにダブルが組まれていた。

働きながら真摯に芝居に取り組む
この演劇形態の、女性上位は
一体いつからの傾向なのだろう。
弊ブログの「序」で少し触れた、
半世紀ほど前から勃興した「職場演劇」の
参加構成に男女差はなかったようだが……。

ある政治色を内在したものだったから、
それに対するアレルギーが影響しているのか。

或いは単に、現在の演劇が男性にとって
魅力のないものなのか……。
探求を続けていこう!!!

※※※

さて、その他の公演のついては、
おおむね別途個別に感想を書いている。
まだ取り上げていない二つに、
短くなるがコメントしてペンを置こう。

15周年記念公演となった劇団じゃけん
『陽が昇り、そして僕らは生きている』。
東中野のRAFTという小さな空間に
蕎麦屋を見事に再現。
2009年からこの空間で常打ちしてきた
経験値から生まれた賜物。

また、じゃけんはvol.2(02年)で
松月庵という蕎麦屋を会場にして以来
vol.14(08年)までの間に計九回、
同店で公演を打った歴史を持つ。
(04年、二八蕎麦よしみに改称)
そんな背景もあっての記念公演だった。

この蕎麦店も東中野にあり、
旗揚げはスタジオあくとれ(中野)で
他にテルプシコール(同)と
地元に根ざした活動も特筆したい。

同じくスペース雑遊という
決して広くない劇場に
平屋の家を生み出したのは
山本制作所『昭和六十四年一月七日』。
戦後七十年の節目の年に、
ある父娘の関係を描くことで
大きな時代をも俯瞰する一編。

そして今月は・・・
制作する舞台が多いのだが、
合間を縫って、主に新劇を観る予定。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

櫻と父のコードシェア(8)

2015年06月03日 | 制作公演関連
このタイトルで書くのは5/9以来。

J-Theater+東京ハイビーム
共同企画公演は先月の8ステージから
間をおいて、今月の6ステージに向け
ただいま稽古中です。

『櫻の園 Japan mix』は主に中央区で、
『父帰る2015』は渋谷区で汗をかく。

『父~』は笹塚の固定稽古場を使用。
でこの街には個人的に思い入れがある。

少し前まで「山彦の会」が事務所と
稽古場を有していた。
『母さん』と『山彦ものがたり』の
制作担当として随分と通ったのだ。

そうそう、その最終盤は駅隣接の、
老朽化したビルの解体工事中だった。

それがすっかり出来上がり、
『父~』の稽古初日(6/1)の
駅前の景観は随分と変わっていた。
新しいテナントビルには図書館も入居。


駅から徒歩二分ほどの、役目を終えた
古い図書館は閉館していた。

(移転を告げる貼紙とお疲れ様の建物)

図書館の隣りは小さな公園で、
「山彦の会」はそこと接していた。

背の高い雑草に覆われながら、
家屋はまだ健在だった・・・。
しかし主はいま埼玉にいる。

※※※

感傷に浸っている場合ではない。
『櫻の園~』と『父帰る~』は、
6/8~10、小劇場「楽園」にて
幕を開けます

【タイムテーブル】
8(月)19時~父
9(火)15時~父、19時~櫻
10(水)13時~櫻、16時~父、19時~櫻

前売券3300円
二作品セット券5500円

9日昼の父、10日昼の櫻が残席僅かです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑い五月の観劇を振り返る(破)

2015年06月02日 | 鑑賞
5月31日に観た「劇団銀河ラボ」の
『君死にたもうことなかれのオペラ』
は、作曲家・吉田隆子(1910~1956年)
の完成しなかったオペラの物語。

与謝野晶子(1878年~1942年)の
「君死にたもうことなかれ…」を
題材にしたことから、舞台は
隆子と晶子、二人の半生を描く。

5月23日の「川崎郷土・市民劇」は
地元の生んだ詩人・作詞家である
佐藤惣之助(1890~1942年)が
主人公であった。
古賀政男作曲『人生の並木路』、
服部良一作曲『湖畔の宿』などの
作詞で知られる惣之助は、
最初の妻・花枝が病死したのち
萩原朔太郎の妹アイと再婚する。

日本近代詩の父と称される朔太郎
(1886~1942年)は旧制中学校在学中、
与謝野鉄幹主宰の「明星」に短歌が載り
石川啄木らとともに「新詩社」の
同人になっているのだが……

ここで「おや?」と思った方は凄い。
晶子、惣之助、朔太郎、三人の没年が
な、なんと一緒なのだ。しかも5月。
(朔太郎11日、惣之助15日、晶子29日)

当時、ワイドショーがあったなら、
さぞかし忙しかったことだろう。

わっ!
観劇を振り返ってないな



五月は社会人演劇をたくさん見たが、
前述のような実在の人物を扱う作品が
わりと多いのが特徴の一つと云える。

後者の場合、地元の偉人を取り上げる
というそもそものコンセプトがあり、
公募で参加者を集うから当然だが、
偉人ものは、観客のよく知る、または
名前は聞いた事がある人物や事件が
観客の前に出てくるわけで
往々にして演技を助ける作用がある。

「あんな竜馬はいね~よ~
となる諸刃の刃の面もなくはないが……。

さて、「社会人」と言っても、
今や中高年の女性の割合が高いのが
また別の特異事項で。
女性キャストのみダブルという配役が
今回拝見した舞台にも多く見られた。

【急に続く】

蛇足
序破急・・・もとは雅楽の概念。
能楽、連歌や居合道などでも使用される。
三段構成を指す概念として有名。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぬ企画その11日誌(1)

2015年06月01日 | 制作公演関連
ぬ企画その11『新芝浦食肉センター』
着々と稽古は進んでおりまする。

題名にもある「芝浦」のある港区内の
ちょいと内陸に位置する「赤坂」にて
昨日は午後一時から夜九時まで稽古。



羊羹はじめ和菓子の老舗
「やらと」ではありません
創業はなんと室町時代……
「とらや」さんの本店があり、
豊川稲荷東京別院も近い場所。

さて「食肉センター」というと、
焼肉を提供する店、
も勿論あるのだけれど……
本作でいうところの「それ」は、
屠畜場(とちくじょう)である。

牛や豚、馬などの家畜を殺して解体し、
食肉に加工する施設を指す。

少し前に、妻夫木聡主演の映画
『ブタがいた教室』ってのがあった。
『豚のPちゃんと32人の小学生~
命の授業900日』(2003年、黒田恭史著)
を原案とした感動のドラマ。

本作も小学校は出てくるけれど、
豚を育てることはない。
社会科見学で何処へ行きたいか、
生徒に問うた結果、多くがパン工場、
製菓会社を望む中にたった一枚
「食肉センター」をリクエストする
投票用紙が出てくるところから
一つの話が始まる・・・。


もう一つの話は出し惜しみしつつ。

稽古初日にちょいとお邪魔して以来、
個人的には二度目の稽古場だった。
いやはや。

当然立ち稽古になっており、
ただ、もう台詞の入ってる役者と
まだ台本が離せない役者が半々。
そんな時期であった。

そして本日六月一日チケット発売。


詳しくは
http://nubupoo7.web.fc2.com/
携帯の方は
http://nubupoo7.m.web.fc2.com/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする