子供の頃、近所で一緒に遊んでいた幼馴染の従姉妹(いとこ)から 昨日 電話が有った。
父方の叔母の孫に当たる従姪(従兄弟の子供)の婿さんが 昨日早朝 亡くなったとの知らせである。
親族姻族関係からすれば かなり遠い親戚になるが
戦後 実家が北陸の山村で極貧の暮してをしていた頃、
何かにつけて世話になった恩有る家の家族である。
生年月日までは知らないが 恐らく 当方よりは 一回り以上若いはずだ。
これまで伝わってこなかったが 病魔に侵され 長年 入退院を繰り返していたらしい。
従兄弟の家(父方の叔母の家)は 昭和20年代 雪国ならではの商売をしていた。
冬季 山間部で 巨大な堀のような穴倉に 家族、親戚、近所総動員で積雪を集め
夏季に 切り出し 馬車で 隣り町の商店や家庭に配達する
「氷屋さん」だったのだ。
夏休み中、その家の従兄弟達は、大きな氷塊を鋸で手際良く 1貫目、500匁目に小刻みにし
配達先の 勝手知ったる商店や家庭の木製の冷蔵庫に収める手伝いをしていたが、
何回か 一緒に回ったことがあり 彼らの大人っぽい言動に目を丸くしたものだ。
その後 町に製氷会社が出来、その商売は廃業、
配達業務だけ 請け負っていたようだが
成り立つはずなく、「米屋さん」、「釣具屋さん」等 に転向、
その頃に 従兄弟の一人娘(従姪)が 商売継承者として婿取りした。
その婿さんが 亡くなったのである。
バブル経済以降、地方の小さな町にも大きな変化が現れ始めた。
郊外に大型スーパーが出来、古い街の商店街がシャッター通りとなる等 一気に変貌した。
「米屋さん」、「釣具店さん」に見切りを付けた従姪(従兄弟の子供)は 介護事業に転身、事業主として現在も続けているが
従姪の婿さんの方は かたくなに家業を守り ほそぼそ暮していたのかも知れない。
そんな彼に 無情な病魔がとりついたということになる。
従兄弟と従姪には
今日から 1週間、次男が出張来日滞在することもあり
通夜葬儀列席出来ないお詫びと
お悔やみの電話をしたところだ。
訃報に接するたびに その人、その人の物語を思ってしまうのは 歳のせいかも知れない。
(合掌)