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諸田玲子著 「めおと」

2023年09月02日 15時22分50秒 | 読書記

図書館から借りていた、諸田玲子著 「めおと」(角川文庫)を 読み終えた。本書には、「江戸褄の女」、「猫」、「佃心中」、「駆け落ち」、「虹」、「眩惑」の、夫婦や男と女のそれぞれの形を綴る、短編時代小説6篇が収録されている。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー 「読書記」に 書き留め置くことにしている。


「江戸褄(えどづま)の女」
▢主な登場人物
倉田勇之助、幸江(ゆきえ)、倉田市左衛門、久美、粕谷伊左衛門、矢部主膳、
▢あらすじ
駿河小島藩の上屋敷藩邸内の倉田家に、若き当主勇之助の腹違いの妹だという、江戸褄模様の小袖を着た若い女久美が身を寄せてきた。若妻の幸江は戸惑いながら迎え入れるが、疑惑にさいなまれ、悶絶する。久美とは、いったい何者?、幸江は、懐剣を握りしめ・・・、淡い月光に照らされた庭には、黒と白、二つの人影・・・、漂う殺気。「そなたのお陰で命拾いをした」、狙いは、亡父倉田市左衛門が遺した書状だったのだ。不正を暴かれた勘定頭粕谷は改易、勇之助は、江戸留守居役を引き継ぎ、はずむ足取りで夫の待つ役宅へ帰っていく幸江だった。

「猫」
▢主な登場人物
佳世(かよ)、橘新左衛門、留吉、おつま、磐城十兵衛、
▢あらすじ
病気のため御役御免となり療養中の橘新左衛門の妻佳世は、金銭が必要なためだけでなく、欲望の渇きも有って、夫を裏切っていたが、「妻敵討」・・・、もしかしたら、夫は、感づいているのかも知れない?。可愛がっていた猫が殺され、誰が?。その死骸を始末しようとした時、下僕の留吉が・・・・。急死に一生を得た佳世。何故?。留吉には、新左衛門の病を長引かせなければならない理由が・・・。雨に打たれながら、夫の待つ家へ帰って行く佳世だった。

「佃(つくだ)心中」
▢主な登場人物 
鈴江、山下半左衛門、高柳重五郎忠雄(ただかつ)、
▢あらすじ
養子に入った山下家が改易となり、追放された山下半左衛門は荒み、辻斬りの味をしめ、妻の鈴江は、不義密通の秘密をひた隠して、完璧に夫に尽くしていたが・・・。鈴江が襲われ、殺されそうになり、・・・、「今、行くぞ、お前を一人で死なせてなるものか」・・・、雑木林で、村人が、男女の死体を発見したが、それは、無理心中のようにも見えた。

「駆け落ち」
▢主な登場人物 
紀代(きよ)、庄左衛門、伊三郎、おみち、藤兵衛、

▢あらすじ
駆け落ちをし、苦労を重ね、東海道吉原宿で旅籠を開業していた庄左衛門と紀代だったが、そんな宿に駆け落ちの若い2人伊三郎、おみちが宿泊し、駆け落ちした挙げ句、世捨人のように無為に過ごす夫、商いに精を出すだけの妻になっていたが、なんとか無事に2人を追手から逃そうと血相を変えるのだった。しかし・・・・・。

「虹(にじ)」
▢主な登場人物 
小助、いね、今川義元、毛利新八、
▢あらすじ
「今川軍が織田軍に大敗した敗因の一端は、足軽小助にあった」という文節から始まる、桶狭間の戦いを題材にした物語である。なんともユーモラスな設定で、歴史上の戦いの裏には、もしかしたら、こんなことも有ったのかも知れない等と、作者の発想に感嘆してしまう。

「眩惑(げんわく)」
▢主な登場人物 
伍助、工藤泰兼(三郎太)、小夜の方(小夜姫)、
▢あらすじ
30年前、織田勢の夜襲で矢萩城は落城、城主服部正昭は切腹、小夜姫は、追手を逃れ、足軽三郎太、伍助と共に落ち延びたが、小夜姫の叔父菅原大膳が矢萩城を奪還したことで、今川方の高木勝政の側室となった。三郎太、伍助は、決別し、織田側で活躍、武将工藤泰兼となり、伍助は、三郎太の影となっていたが、小夜姫に恋焦がれていた、48歳の泰兼は、鶴瀬城の高木勝政を攻略、小夜の方(40歳)を救い出した。
しかし、「あの頃のわらわに逢いたいと言われても、昔のわらわではない」「どうしても逢いたいなら、盲目になれ」、傲慢、高飛車な小夜姫(小夜の方)は、変わっておらず、泰兼は、・・・・。

土塚を叩き、伍助は、しょぼついた目を瞬かせると、急ぎ足で山麓の茅屋へ帰って行った。


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