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内館牧子著 「老害の人」

2024年11月28日 09時53分11秒 | 読書記

1年以上も前に図書館に予約していた、内館牧子著 「老害の人」(講談社)が、ようやく順番が回ってきて、先日借り、読み終えた。
つい数年前まで、まるで読書の習慣等無かった爺さん、
当然のこと、内館牧子の著作も全く読んだことが無かったが、
昨年の6月のこと、初めて、内館牧子著の「高齢者小説」等とも呼ばれているベストセラー「今度生まれたら」を知って読み、それがきっかけで、第2弾、第3弾の、「終わった人」「すぐ死ぬんだから」を読んだ。著者独特の、これでもかこれでもかという、痛快な文体に惹かれてしまい、その第4弾とも言える「老害の人」も読んでみたくなり、予約していたのだった。

▢目次
 第一章 ~ 第九章、
 あとがき

▢主な登場人物
 戸山福太郎(85歳)・(八重)、
 戸山純市(60歳)・明代(54歳)、戸山俊(18歳)、
 戸山梨子・寿太郎、藤田聡、
 松木達夫(75歳)・美代子、克二(30歳)、林透(27歳)、佐多道彦(42歳)、
 竹下勇三(76歳)・ヨシエ・剛(22歳)、
 吉田武(90歳)・桃子(87歳)・篤・悟、
 村井サキ(79歳)、
 春子・里枝・杏奈(4歳)・翔、、

▢内容紹介・・・「講談社Book倶楽部」より拝借、引用
 迷惑なの!、と言われても。
 昔話に、説教、趣味の講釈、病気自慢に、孫自慢。
 そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。
 双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、
 娘婿戸山純市に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、
 誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
 彼の仲間も「老害」の人ばかり。
 素人俳句に、下手な絵をそえた句集を配る吉田武・桃子夫妻、、
 「死にたい死にたい」と言い続ける春子
 病気自慢の竹下勇三
 老害カルテット(四重奏)は絶好調。
 さらに、ぽっちランチの女、クレーマーの村井サキが加わり
 老害クインテット(五重奏)。
 「もうやめてよッ」、福太郎の娘・純市の妻、戸山明代は、
 ある日、たまりかねて腹の中をぶちまける。

 「終わった人」、「すぐ死ぬんだから」、「今度生まれたら」に続く、
 著者「高齢者小説」の第4弾!
 定年、終活、人生のあとしまつ……。
 自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。
 「最近の若い人は……」というぼやきが、今や「これだから『老害』は」と
 なってしまった時代。

 内館節でさらなる深部に切り込む!

「あとがき」で、著者は、
「老害をまき散らす老人たちと、それをうんざりして「頼むから消えてくれ」とさえ思う若年層。両者の活劇のような物語を書けないものかと、かなり前から考えていた」
・・・と記述しておられる。
さらに、「そんな老人たちであっても、命がある以上、どう生きたらいいのか。少なくとも、若年層に押し付けられた趣味や挑戦等の「自分磨き」ばかりでは無い。そう思います」
とある。
あくまでも物語で有り、登場人物のそれぞれは、やや極端なキャラクター?に描かれているが、その言動には、思い当たる節、多々有り、同感、共感。
「老害」・・・・・、我が身に照らして、肝に命じて、暮らしたいものだと思うところだ。

振り返り記事   「今度生まれたら」   ⇨ こちら
         「終わった人」     ⇨ こちら
         「すぐ死ぬんだから」  ⇨ こちら


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