1年以上も前に図書館に予約していた、内館牧子著 「老害の人」(講談社)が、ようやく順番が回ってきて、先日借り、読み終えた。
つい数年前まで、まるで読書の習慣等無かった爺さん、
当然のこと、内館牧子の著作も全く読んだことが無かったが、
昨年の6月のこと、初めて、内館牧子著の「高齢者小説」等とも呼ばれているベストセラー「今度生まれたら」を知って読み、それがきっかけで、第2弾、第3弾の、「終わった人」、「すぐ死ぬんだから」を読んだ。著者独特の、これでもかこれでもかという、痛快な文体に惹かれてしまい、その第4弾とも言える「老害の人」も読んでみたくなり、予約していたのだった。
▢目次
第一章 ~ 第九章、
あとがき
- ▢主な登場人物
戸山福太郎(85歳)・(八重)、
戸山純市(60歳)・明代(54歳)、戸山俊(18歳)、
戸山梨子・寿太郎、藤田聡、
松木達夫(75歳)・美代子、克二(30歳)、林透(27歳)、佐多道彦(42歳)、
竹下勇三(76歳)・ヨシエ・剛(22歳)、
吉田武(90歳)・桃子(87歳)・篤・悟、
村井サキ(79歳)、 - 春子・里枝・杏奈(4歳)・翔、、
- ▢内容紹介・・・「講談社Book倶楽部」より拝借、引用、
迷惑なの!、と言われても。
昔話に、説教、趣味の講釈、病気自慢に、孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。
双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、
娘婿戸山純市に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、
誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も「老害」の人ばかり。
素人俳句に、下手な絵をそえた句集を配る吉田武・桃子夫妻、、
「死にたい死にたい」と言い続ける春子、
病気自慢の竹下勇三、
老害カルテット(四重奏)は絶好調。
さらに、ぽっちランチの女、クレーマーの村井サキが加わり
老害クインテット(五重奏)。
「もうやめてよッ」、福太郎の娘・純市の妻、戸山明代は、
ある日、たまりかねて腹の中をぶちまける。
「終わった人」、「すぐ死ぬんだから」、「今度生まれたら」に続く、
著者「高齢者小説」の第4弾!
定年、終活、人生のあとしまつ……。
自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。
「最近の若い人は……」というぼやきが、今や「これだから『老害』は」と
なってしまった時代。
内館節でさらなる深部に切り込む!
「あとがき」で、著者は、
「老害をまき散らす老人たちと、それをうんざりして「頼むから消えてくれ」とさえ思う若年層。両者の活劇のような物語を書けないものかと、かなり前から考えていた」
・・・と記述しておられる。
さらに、「そんな老人たちであっても、命がある以上、どう生きたらいいのか。少なくとも、若年層に押し付けられた趣味や挑戦等の「自分磨き」ばかりでは無い。そう思います」
とある。
あくまでも物語で有り、登場人物のそれぞれは、やや極端なキャラクター?に描かれているが、その言動には、思い当たる節、多々有り、同感、共感。
「老害」・・・・・、我が身に照らして、肝に命じて、暮らしたいものだと思うところだ。 - 振り返り記事 「今度生まれたら」 ⇨ こちら
「終わった人」 ⇨ こちら
「すぐ死ぬんだから」 ⇨ こちら