古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ウェーブ・ファイト     鶴岡 卓哉

2020-12-15 07:03:36 | ポエム

水の中へと沈むようなウェーブ・ファイト

 

君の語学力なら僕を参らせられるのにさ

 

辛抱するのはこりごりなんだ

 

ビルの隙間から巨大な波が押し寄せるぜ

 

頭の中で白い風船が破裂するのさ

 

僕をめった打ちにする波は来ない

 

まだ、来ないんだ

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震える     鶴岡 卓哉

2020-12-14 15:52:12 | ポエム

そこがどこなのか俺にはわからない

 

俺が感じるそこは暗くいかがわしく陰鬱な場所

 

俺の中にあったのか、探してる場所なのか

 

生まれた場所なのか、思い出の場所か

 

掠れたうめき声が始終するその場所の

 

片隅で震えている

 

 

 

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ペットセメタリ―    鶴岡 卓哉

2020-12-12 09:03:15 | ポエム

俺は死んだ猫を抱え墓穴に横たえる

 

土を掬いかけてやるのさ

 

噛んだガムをピンクのムシに貼り付ける

 

弔いの儀式なのさ、とうそぶいてやるよ

 

十字架のたくさんある廃屋で遊ぶさ

 

墓堀り人のパーティーに盛装して出かけ

 

ペットセメタリ―でも見るさ

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僕の戦争    鶴岡 卓哉

2020-12-11 09:15:50 | ポエム

黒い感動をゴミ箱の中から探し出すんだ

 

そいつは腐臭を放つエレクトリック・リトル

 

僕の脳のニューロンが街の軍隊を消し去る

 

僕の望むイメージ戦争なんだ

 

簡単なのさ、黒い感動を多く見つけた方が勝ち

 

僕は必死になってたってわけさ

 

列車には僕の刻印が押される

 

それは僕の性器で

 

国旗になり国中に翻るのさ

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戦艦     鶴岡 卓哉

2020-12-08 04:50:32 | ポエム

砕けた波頭から僕の真珠が光った

 

感情の下方から真実が思わしげに宿る

 

しらけた夕日に成熟した僕の激情

 

どこかにいった僕の親友の遺書

 

砕けたガラスに僕の冷酷が映った

 

どこかで僕の性格が破綻している

 

ゲームなんかじゃなかったんだ

 

むき出しの卵のような僕の心情に

 

ただ誰かが石ころを投げただけさ

 

遠くで戦艦が波頭をあげながら通る

 

僕はクレイジーなのさ、たぶんね

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黒い邪悪     鶴岡 卓哉

2020-12-06 10:05:40 | ポエム

透明な言葉と透けてるパンツを穿いて

 

おまえを攫ってゆく

 

この街を出る頃には俺は誰からも信用される男

 

意味なんてあるはずもないのさ

 

俺の行動は心理学じゃはかれないぜ

 

迷いもなく戸惑いもない

 

俺は信念をもってる

 

黒い邪悪な塊が俺を誘う

 

そこはとてつもなくピュアだぜ

 

純粋な空気で俺は窒息しちまいそうだ

 

行列を作るリリシストの先頭に立って

 

喧騒の中、雄叫びをあげる

 

勝利だ、俺を下等な生物だと

 

罵倒したおまえは間違いだったんだ

 

俺は砂糖の入ったティーのように

 

おまえを飲み干すだろう

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マシン・シティ    鶴岡 卓哉

2020-12-05 03:07:24 | ポエム

日々、リアリティが喪失していく

 

僕がこの街に迷い込んでから

 

ショートケーキが故障中なんだ

 

なにもかも真実ではない街

 

僕は君の数字に恋をする

 

僕は取り込まれてる

 

ああ、僕がなくなってしまいそうだ

 

君のデジタルな細い薬指に夢中なんだ

 

僕はノイズから生まれたと信じ始めてる

 

僕のキスで覚醒した君は

 

(逃げて、逃げるのよ、思いっきり遠くへ)

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作戦Z      鶴岡 卓哉

2020-11-22 10:12:29 | ポエム

イエローのバウンスが俺を襲う

 

発着場からは轟音で飛行物体が飛び立つ

 

俺の脳細胞は分裂を繰り返す

 

音の跳躍が俺を引き裂く

 

分裂した自己が新たなイメージを沸騰させる

 

実験台の幼虫はバタフライとなり羽ばたく

 

俺は核心へと近づき負傷する

 

地上戦は始まったばかり

 

勝機は確かにあるはずなんだ

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死について      鶴岡 卓哉

2020-11-12 10:14:42 | ポエム

死ぬっていわれてるダイエットをしてるのよ

 

黙ってってちょうだい、あたし痩せたいんだから

 

駅の東口から南口へつづく地下道で俺は悟った

 

悟りは空で俺には意味深長だったんだ

 

やけにシンとしてたんだが壮大な音楽が聞こえた

 

死ぬときって意外と壮大なのかもな

 

ちんけに死のうとダイナミックに死のうと

 

英雄的に死のうとネズミのように死のうと

 

ああ、そうだ、死のダイエットドラッグで死のうと

 

 

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激突     鶴岡卓哉

2020-11-10 08:47:06 | ポエム

どうしたんだ……ファック、ナンバーワン

 

見失わないように慎重に後ろ側から入ってくれたまえ

 

高速回転して動く車輪から煙が吐く

 

クスリは白くきらめいて輝いてる……結晶が僕の奇跡

 

サッカーが僕の生きる目的……決勝で勝つのが僕の運命

 

壊れちまったぜ……ファック、エネミー!

 

暴力で気絶した同胞を介抱してたのさ

 

想像力を駆使して幸せについて考えてたんだ

 

どうもうまくいかねえぜ……ファック、ポインター!

 

ラジオから流れる哀しい歌でも聴いてたんだろ

 

ヤツは目から辛い涙を流しサイダーで薄める

 

東の方から空っ風が吹くホームで浮浪者が缶集めをしてるんだ

 

激烈に走ってくる列車と疾走するクルマは激突する

 

凍り付くような瞬間の後、激しく爆音がして炎上するんだ

 

俺っちは運命の踏切のこっち側でじっくりと見てたんだ

 

俺っちはダチの家に行く途中で丁度酔いが覚めてたとこだった

 

まるでピアーズ・ブロスナンの出てくる映画みたいだったぜ

 

それで、俺っちはホッと胸をなで下ろしたってわけでさ

 

 

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