古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

旅をする木      星野道夫

2016-02-13 10:14:56 | 小説の紹介
1995年8月    ……文春文庫



「南東アラスカの海を旅し、ザトウクジラの親仔を見て、子を失くした



友人O のことを想った」り、「ルース氷河に来ている。そこにどこから



か迷い込んだか狼の足跡が……誰にも話したことがない」たりする。




雪深い中をクマの発信機を付け替えに行く。小さな巣穴で春を待ってい



るクマに睡眠銃を撃って眠らせて、つけかえるときに、毛皮を撫でて、


元に戻す。



そんな事柄が、清潔な簡潔な文章でもって、鮮烈に描かれてゆく。



星野さんは96年にクマに襲われて亡くなっている。惜しい人を亡く



して、二十年になる……。
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