昭和4年、「新青年」1月号
初出時のタイトルは、「悪夢」。戦争で両手両足を失い
更に口もきけない体になった須永中尉と、時子夫人の
愛を描いたショッキングな一作。発表当時、発禁の憂目
にもあったが、「友戦的な事件を取り入れたのは、偶然、
この恋情を語るうえで好都合だった」からとイデオロギー的
なものはなかったことをうかがわせる。ヘンタイ性欲を
見事に描き切った力作と言えるだろう。
初出時のタイトルは、「悪夢」。戦争で両手両足を失い
更に口もきけない体になった須永中尉と、時子夫人の
愛を描いたショッキングな一作。発表当時、発禁の憂目
にもあったが、「友戦的な事件を取り入れたのは、偶然、
この恋情を語るうえで好都合だった」からとイデオロギー的
なものはなかったことをうかがわせる。ヘンタイ性欲を
見事に描き切った力作と言えるだろう。