古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

象の消滅   村上春樹

2023-09-30 07:12:23 | 小説の紹介
文春文庫    1985年

ありえないことが起こる。現実には象は消滅したり

しないだろう。ちょっとそういうスキみたいなもの

は、この短編にはあった、と思うんだけれど、ウソ

だろぉ、という。考えてしまうスキ、いや、短編自体

には、文章に欠陥はないと思うのだけれど、そう思う

のは自由だろ、けど、読後になんか、いや、待てよ、

そういうことが起こる世界もありえるかもしれない、と

匂わせるあたりが、この短編がうまくいっているって

ことだ、と思う。パン屋再襲撃ほど、鼻につく、技巧的な

文章もないし、ちょっと真面目に取り組みすぎている感

もある、にはあるが、A-くらいの作品だと思う。

  (読了日 2023年8・17 21:05)
                (鶴岡 卓哉)        
コメント
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