小笠原豊樹・訳 ハヤカワ文庫 1976年
火星に移住して生活する世界を描く一大スぺクタクル。
連作短編となっていて、印象的に深く刺さる短編が
連なっている。ひとつ強烈なのは、ひとり火星に
取り残されたと思っているウォルターという男
が電話が鳴るのを聞いて、きっと女だ、と思い込み
電話しまくって、美容院に電話すると、女の人が出る。
そこに飛んで行ったが、いなくて、元いた町に来た
んだ、と悟ったウォルターは戻って、探すと、そこに
いたのは、怪物のように太った女だった、という、
ボーイ・ミーツ・ガールなんだろうけど、こんなの
ありか、っていう展開に口が塞がらなかった。
もしかしたら、地球も、火星から逃げて来て、住み着いた
火星人が最初かもしれない、と妄想してしまった。
(読了日 2024年9・4(水)1:05)
(鶴岡 卓哉)
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