古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

しあわせのねだん    角田光代

2019-01-18 02:35:26 | 角田光代
新潮文庫  平成17年8月



8時に仕事を始めて、五時に仕事を終えてって、それじゃ、OL


にでもなれよ! って思う。 


しかして、おカネがあれば、しあわせになれるか、という問いだが、


その反答として、おカネがなくて、不幸せになった者はたくさんいる、


というのがある。


おカネだけあっても、モノがなければ、買えないわけで、健康じゃなきゃ


使えないわけで。


現金を嫌う人もいるし、貯金などせん、という人もいる。


この作品集だが、最後の記憶9800円×2というのが引き立っている。


記憶というのは買えないように思うが、おカネで作ることができる、という


不思議な要素だ。


日光に行って、ボロホテルに泊まることになった顛末が描かれているが、そ


れが、ハハとのいい思い出になったという。


きっと、それは今では、角田さんにとって、一万九千六百円では買えない


貴重なものであるのだろう。

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