古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

乳と卵    川上未映子

2019-08-09 00:11:47 | 川上未映子
文春文庫     2008年


芥川賞受賞作。


これを読むと、そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります、はわざと


難解に書いたのかとも思われるが、未熟だったためらしい、というのが真


相のようだ。


ずいぶん文章が巧くなっている、よどみなく、自説というか小説らしい、


理屈っぽさで責め立ててくる。それはそれで嫌いじゃない、川上さんの文体


は上手下手に限らず独特の魅力がある。音楽をやられているから、リズム的


なことなのかもしれないが、ボクの感覚と合うようで。でも、音楽をやられて


いるところを動画で見たがそっちは趣味じゃなかったので、見なかったこと


にして、動画を静かに閉じさせていただいた………………合掌。


                          (鶴岡 卓哉)  

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佐渡の三人     長嶋有

2019-08-06 22:11:33 | 長嶋有
講談社文庫    2012年


「道子」という女流作家の目を通して、一族の葬儀を三回に


わたって佐渡で行う様を描いた作品。


妙なおかしみ、というものが長嶋作品にはただよっていて、


いつものゆるーい感じと相まって、いい感じに仕上がって


いる。まあ、一度読むのをやめようかな、と思ったけど、最終


的には最後まで読めてしまった。



長嶋有さんと言えば、猛スピードで母は、という伝説的におも


しろい作品があって、是非色んなひとに読んでいただきたいで


すね。まあ、ボク、関係者じゃないんで、あれなんですけど…………


……合掌。

                        (鶴岡卓哉)
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パスタマシーンの幽霊

2019-08-03 08:06:18 | 川上弘美
マガジンハウス     2010年


このつくったはなしをリアルとして考えると、僕は不思議に思う、こんな


に世の女どもは恋愛を繰り広げていたのか、と。そりゃ、45になったら


ババアにもなるだろう。


この本はたいてい恋愛小説仕立てである、レンアイしたことのない奇特な


オレはよくわからんが、とても楽しそうであった。失恋して泣いたり、オ


レは女じゃないのでわからんが、女だったら、一度くらいは失恋でもして、


思い切り泣いてみたかった。


小さい男の人がでてきたり、とても奇妙なところのあるはなしだが、やはり


川上流ってとこか。ボクは川上さんのちょっとヘンなところがスゴく好きな


のだが。


常識から逸脱している、けど、完全な逸脱ではなく、はみだしてしまったと


いった感じの逸脱。


ボクも恋愛小説のひとつでも書いてみようかなぁ、ってしたこともないのに



ムリですかね?………………合掌。


                       (鶴岡 卓哉)
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