古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

マダム小林の優雅な生活    小林聡美

2020-07-15 22:09:59 | 本の紹介
幻冬舎文庫    1998年

その当時、三谷幸喜と結婚されていたらしく、三谷氏

がアウトドア派だ、といっていたというはなしがでて

くるが、顔を見れば、彼が、そうじゃないことぐらいわ

かりそうなものであり、ラフティングなんて柄じゃない

ことくらい妻なんだから、わかってやれよ、と男のボク

はこころの叫びとして思ってしまった。そんなわけだか

ら、九年前に関係もおしまいになってしまうのではない

か、と余計なことまで思ってしまうのだった。

優雅な生活? と思うのは、ネコのうんこ事件のはなし

がでてくるからであろう。それにていねいにネコのうん

この写真まで載せているのだぜ、うーん、見たくなかった。

痛いはなしを書かせたら、すごくうまい。クルマのドアに指

を挟まれたはなしは、ボクも尻の穴がすぼまった。

おれっちのハハもそういえば、クルマのドアに親指を挟まれて

血豆を作っていたことがあったが、へっちゃらな顔をしていた。

ハハは異常に強かったのであった……合掌。


















































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どうもいたしません      壇ふみ

2020-07-14 10:58:15 | 本の紹介
幻冬舎文庫      2004年

「ありがとうございません」の評価で、意外とこういう

ひとは優秀なのではないか、と書いたが、それはない

らしい。このひとに限って、おまぬけキャラはホントなの

だ、とこの本を読んで確信した。

といっても、甥っ子に勉強を教えたり、賢いところも垣間

見せる壇ふみ女史なのである。

けど、とことん抜けていると言っていい、チケットはなくす

ライブ会場は間違えることたびたび、しまいにはハトに

フンを浴びせられてしまう。

うん、それでいいのだ。それでこそ壇ふみ女史である、と

70編の優れた自虐エッセイを読んで思った次第であ

った。

「どうもいたしません」は「どういたしまして」と「すいま

せん」があわさったものらしい。

あたふたした感じがでていて、いい。「ありがとうご

ざいました」と言われたら、つい「どうもいたしません」と

口走ってしまいそうなおれっちだった……合掌。





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明後日     鶴岡 卓哉

2020-07-13 01:11:39 | ポエム
必ず来るという明日


いつも君はクールビューティーだ


明後日になれば


心を震わすなにかに出会えるだろう


ボクらの世界には退屈は存在しない


前進することがボクに課された使命か


ボクは絶命寸前になりながら


君の名前を叫ぶ


飴玉のように口の中で溶けていく


甘い欲望がボクを襲う


エロティシズムに魅せられた信心深い尼僧の吐息だ


苦し紛れにボクは冗談を言う


最後のハッタリさ
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マインドコントロール   鶴岡 卓哉

2020-07-12 15:18:01 | 日記、ポエム
今日は、カフェも暇なので、朝から釣りに




行ってきました。小さなナマズのようなド



ンコと呼ばれる魚と、ハゼが釣れましたね。




全部で十五匹くらいですか。



久しぶりに、詩を紹介します。まあ、釣りと



は全然関係ないですけど。



「マインド コントロール




この遠雷の果てに待つもの



言葉の先にある恐怖の盾




自由すぎるボクの死亡説の根拠



蝶の羽の動きに似て、僕の舌は動く




必ずや起こるだろう、伝説の竜巻




ライブでやる定番の歌に乗せて語る





ボクは死ななかった




魂のコントロールの方法を熟知していたから




川の流れに逆らって、アマゾン川のピラニヤさえ



怯えていた




喰っちまったのサ、卵焼きのふわふわが



心地いいスネアドラムのように、ボクの



命を攫ってくれれば良かったのに……



                       (2015    10・4)」
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庭の砂場      山口瞳

2020-07-12 14:58:54 | 小説の紹介
「せつない話」所収   光文社文庫

妹と弟が54歳で死んだ、とある。若い人はどう思うか

知らんが、54歳で死ぬということはせつないのでは

ないか。ボクなんて、あと六年しかない。六年はあっ

という間だろう。

高校野球児のバッテリーの話と絡ませて、命のきらめき

を引き立たせたり、砂場で死んだ妹のシャベルを見つけた

小二、三の男の子の書いた詩の話を絡ませたり、その手

合いは見事というほかない。

一読すると、まとまりはないが、それには何かしら一貫した

想いがあるようだ。それを読み取ろうとすることこそ、読書

の醍醐味と言えるだろう……



















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手品師      吉行淳之介

2020-07-11 02:06:20 | 小説の紹介
山田詠美編「せつない話」所収

「せつない話」をあつめた文庫の巻頭の話が、この

「手品師」である。片思いの手品つかいのボーイの

脱出劇に失恋を仮託した死となるはずだったが、至らず

倉田という作家と恋相手の英子に助け出される

という話だ。

童貞の悲哀、というか、若さ、というものの、行きつく

先のない苛立ちみたいなものは感じた。倉田という

作家は、おそらく、吉行氏のことだろう、まあ、創作

だろうが、禿げあがった50年配の男の帽子を掲げ持つ

18歳のカネで買われた女、英子、というのは、淫猥な

趣がある。

18歳かあ、手品をする19歳の川井にボクは自分を重ね

合わせはできないが、ボクが19歳のころは、ジメジメと狂

っていた。若いとき、狂っていたということは、ボクにとって

文学をやる根拠となっている。まあ、32歳くらいまでは果て

しなく狂っていたな。

思い返したくない日々だが、今ではいい思い出だ。

……合掌。





















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アロハ魂    小林聡美

2020-07-06 13:24:04 | 本の紹介
広島にも大雨警報出てるみたいで、ギャラり-は

休みなんですが、何があるか分からないので、

出られませんが、ガンバって、本をご紹介しましょう。

6・25に読了した小林女史の本ですね。

・・・・・・

ここで特に誰もいわないので、あえていわせていた

だくと、男というものは決して美人が好きというわけ

ではない、ということである。小林女史のいい感じの

ルックスとフンイキは充分このアロハ魂にもあらわれ

ているのかもしれない。

ボクは今、この本を読む直前まで、ハワイ? けっ、と

思っていたのだ。そして、今でも、ちょっとは思ってい

るが、ほんの5%くらいは、ハワイかあ、いいかもなあ、

と思っている自分がいるので、不思議である。

相撲取りの新弟子男には、ワッフルは魅力で

ある。うーん、ワッフルかあ、ワッフルなあ、と呟かず

にはいられない。おいしそう、とついデブキャラ覚醒

のおれっちだった……合掌。
























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〈ヤツ〉はどこにもいないかのように  鶴岡 卓哉

2020-07-06 00:53:24 | ポエム
〈ヤツ〉はどこにもいないかのように   


僕はヤツが嫌いだが憎んではいない

憎しみが荒くれた心を生み、次第に僕を破滅させる

それがヤツの望みなのだ

ヤツは社会の根本に根差す諸悪の根元だ

だが、僕はヤツが嫌いというだけで

ヤツが恐ろしいと言うだけで

空を切るパンチが交錯するような

消耗を嫌っているのだ





舟木保江さんの陶器 




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思考     鶴岡 卓哉

2020-07-05 07:50:38 | ポエム
№47


思考      鶴岡 卓哉


星空の向こうに僕の思考が光速の速さで飛んでいく

弱められることのない僕のエナジーは宇宙の果てへと

その思考こそ宇宙を支えているのだと

昆虫たちがジャングルの片隅で死すことにも意味があり

ただ生きることだけにも意味があり

僕は宇宙の一隅で眺めるんだ

その星の最期に辿る運命を

疾走する彗星の尾に掴まって宇宙を駆け巡るんだ

思考こそがそれを叶える要になるんだ

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新しいもの古いもの     池波正太郎

2020-07-03 12:43:57 | 池波正太郎
講談社文庫   2003年

表紙は池波氏がおそらく銀座を歩いて思われる

ところで、タバコをくわえている写真。

今なら、即罰金となるだろうが、時代を感じさせる。

池波氏は牛がお好きだったそうで、それなら、牛

田も気に入ってくれただろうか、などと思ったが

牛田は名前だけで、牛がいるわけではなかった、

しまった!!

たびたび、食事のメニューがでてくるのだが、うま

そうだ。タバコを一日に80本吸っていたというし、

なんかうらやましい。ボクもタバコを80本吸って

早死にしたかった。

言葉の選び方がいいんだろうな。なんともよんで

いて、心地よさを感じる。そういうセンスを持った

作家って少なくなったなあ……合掌。






















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