前回、ジャコウアゲハの1年間の生態サイクルについて記した。今回はサナギから一生を終えるまでを詳述したい。サナギになる場所でも不思議なことがある。サイクルの中での幼虫の多くは育ったウマノスズクサの近くでサナギになる。写真は農業用の網・スコップに付いたサナギだ。が、下記で詳述するが越冬するサナギは軒の下など多くは高い位置で手の届かない場所でサナギになる。10m以上、移動してのサナギ化は珍しくない。
サナギは10日から2週間で羽化するが羽化する2~3日前から色が変わり始める。写真は欅の幹そして葉っぱに付いていたのを蟻に狙われていたためトイレに持ってきたサナギの羽化直前の写真だ。この色になると1両日の間には羽化する。
サナギも毒性を持つウマノスズクサを食べて育っているので昆虫に襲われないと物の本には書かれている。が、しかしである。やっぱり何かに襲われる。蟻に襲われているのは時々見かける。また、ある種の蜂が内部に卵を産み付け、そのサナギの中で成長し、サナギを内部から食うと言う事象もある。この時に死んだサナギを見ると頭部に5mmほどの穴が開いている。写真は何らかの理由で死んだサナギだ。サナギの羽化率は2割ちょっとと言うところだろうか。保護しても3~4割がいい所のように思う。
ジャコウアゲハに限らず蝶にはそれぞれに好きな植物があるように思う。加えて蜜が吸いのも重要な要素かも知れない。カワミドリとブットレアの花だ。カワミドリには2羽来ている。何となく花の形が似ている。
♫ほたるのやどは 川ばたやなぎ・・・”と言う歌があるが夜、ジャコウアゲハは何処にいるのだろう、とふと思う。そんなある日、見つけた!楓の木に宿るジャコウアゲハだ。この写真では5羽いる。毎晩ではないが楓の木ではよく見かける。そして死、写真はかなり傷んだジャコウアゲハの雌だ。ジャコウアゲハは羽化してから長くて2週間と言う命だろうか。活動している間に羽の色は段々剥げ、そして傷む。
蝶の特集に因み、蝶の名が付いた花を2種、紹介する。先ずはガウラだ。春先から咲き始め長く咲き続ける。和名が白蝶草だ。
そしてクレメオ、和名は風蝶草だ。白蝶草と花の形が似ている。蜜があまりないかあるいは吸いにくいか蝶はあまり来ない。羽を大きく開き飛ぶ蝶の姿に似ている。
明日7月23日(旧6月25日)は二十四節気 大暑だ。うだるような暑さの時期だ。今年は梅雨明けが6月終わりと早く、7月初旬は正にうだるような暑さが続いた。が、その後は戻り梅雨の天候が続き今週に入り各地で線状降水帯が発生して梅雨末期の状態が続いていた。が、今日の午後から暑さがもどってきた。来週は”大暑”らしい天候になるのだろうか。七十二候は大暑初候 桐始結花(きり はじめてはなをむすぶ)だ。が、我が郷では桐の花は早く5月初めごろに咲いていた。桐の花は神聖な花と言われており、中国では伝説の鳥鳳凰が止まる木とされている。最後にもう一度、ジャコウアゲハの話に戻る。ジャコウアゲハは越冬したサナギが羽化して生んだ幼虫がサナギそして蝶になるのを1回目とし数えると5回目のサナギが越冬することになる。ここで疑問が?10月末から11月に生るサナギは越冬することを知っているようで羽化しない。更に疑問は越冬するサナギはこぞって太い木の幹・物置小屋そして家の2階の軒下などでサナギとなる。明らかに越冬することを知っている行動に見える。外気温の変化しか考えられないが不思議な行動だ。”キツネに包まれたよう”と言う言葉があるが私は”ジャコウアゲハにつままれた”気分だ
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