「ミッドナイト・イーグル」 高嶋哲夫 文春文庫
この話は、先に映画をみてしまいました 。
映画はほぼ原作どおりです。
ただ設定自体が違っていたのは、あの竹内結子が演じた西崎の妻の妹という役、
あれは、妻本人になっています。
離婚寸前の別居中の妻。
先に映画を見てしまって、ストーリーがわかっていてつまらなかったかというと、さにあらず。
映画でキャラクターや雪山のようす、銃撃戦等、いろいろなイメージが出来上がっているので、すごく入りやすかったのです。
そして、あの2時間程度の映画では説明不足でよく分からなかった点が、
詳しく書いてありまして、また改めて楽しめてしまいました。
夫婦が離婚に向かってしまった理由。
西崎が写真を撮らなくなったわけ。
伍島の自衛隊としての使命感。
無線マニア朝倉のユニークな人生観。
慶子の助手青木の意外な有能さ。
それから、これは映画には無かったのですが、西崎の非常に聞き取りにくい無線通話録音をクリアにする策。
やはり、じっくり読むことで全体像がさらによく見えてきます。
それから、西崎たちの雪山での状況は映画よりももっと過酷。
厳寒の中で、どのように生き延びるか、
敵に攻撃されることよりもまずその命題が立ちふさがっています。
ラストは、あの終わり方で無ければいいなあ・・・と、期待したのですが、
やはり同じでした。
先に映画を見てから、本を読む。
順番としては正解でした。
これは先に本を見てしまったら、映画は物足りなく感じたと思います。
今後も使える手です。
ダヴィンチ・コードなど、逆だったので最悪でした。
満足度★★★★