映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

earth アース

2008年02月03日 | 映画(あ行)

200以上のロケ地、
野外の撮影日数4500日、
契約カメラマンはそれぞれの専門分野第一人者40名
・・・5年の歳月を費やして完成したというドキュメンタリー。
地球の野生動物たちの姿をとらえたものです。
堪能させていただきました。
まずは、このような映像を見せていただいたことに感謝!です。
実際に見ようと思って見られるものじゃないです。
空からの映像。迫力ありますね。
川のシーンから突然ものすごい落差で滝になって落ち込んでいくシーンなんて、
高所恐怖症の気がある私は思わずすくんでしまいましたもの。
すごい迫力と臨場感。
鳥や動物たちが無数の群れとなってわたり歩いているシーンも、すごいですね。
まだ、こんなに動物たちが残っていたんだ・・・と、ちょっと安心したりして。
いえ、油断はできませんが。
昔、江戸の空がピンクに染まったというトキの群れはあっという間に絶滅してしまいました。

旭山動物園のシロクマは確かにかわいくて、水泳好き。
でも、大自然の中のシロクマは生き抜くためにあえて、冷たい海を泳ぐのですね。
はじめに出てくる母親と二匹の子供たち。わ~なんてかわいい!!
思わずそうつぶやきたくなるのですが、
これから生き抜いていくための厳しさを思うと、単純に喜ぶのはおこがましいです・・。
ましてや、地球温暖化で、どんどん生きにくくなっているというのに。

水場や餌場を求めて、
砂漠を越え、ヒマラヤの山々を越え、あるいは、赤道付近から南極海までの旅・・・
この営みを彼らはおそらく人類の歴史よりはるか以前から繰り返してきた。
厳しくて美しいです。

クジラのあのような姿を見せられたら、
「捕って食うとは何事だ!」と非難されても仕方のないような気になっちゃいますね。
・・・この映画にもあるように、弱肉強食は自然の摂理でもあるのですが。
まあ、今の世の中、あえてクジラは食べなくても生きていけるわけですし・・・。
そんなこというと、「美味しんぼ」なら、「それは日本の食文化だ!」とおこられちゃいますけどね。

この映画を「かつてあった、もう見られない地球」の記録にしないように、
何とかしなければなりません・・・。
しかし、いったい一個人で何ができるでしょう。
せいぜいリサイクルに努めるくらい・・・?
すごく大きくて難しい問題ですが、
多くの人がこの映画を見て、ちょっとづつ意識を高めていく、
まあ、焼け石に水でしょうけれど、なにもしないよりはマシ・・・?。

2007年/イギリス=ドイツ/98分
監督:アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
出演:アフリカ象、ホッキョクグマ、ザトウクジラ

「earth アース」公式サイト
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