映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

歓喜の歌

2008年02月17日 | 映画(か行)

立川志の輔作、新作落語の映画化です。
コメディ仕立ての群像劇。

みたま町文化会館、大晦日の夜になんとダブルブッキング。
「みたま町コーラスガールズ」と「みたまレディースコーラス」の予約を重ねて入れてしまった。
そこの主任、飯塚が、なんとも適当で無責任。
どうせ、暇つぶしのママさんコーラスだろうと、お茶を濁すばかり。
しかし、コーラス側もそう簡単には譲りません。
「ダブルブッキングなんて、”三分クッキング”とはわけが違う!」なんていきまくあたりは、さすが、笑ってしまう。
コーラスガールズ側は、まだ、結成間もないグループですが、みんなパートなど仕事をしながら忙しい合間をぬって練習してきました。
レディース側は、もう少し本格的な歴史あるグループ。

双方の間にはさまり、おろおろするだけの飯塚。

実は飯塚は更なる問題を抱えていまして、それが借金。
200万の返済を迫られ、妻からは離婚を宣言され・・・
もう夜逃げしかないと思っている・・・。

そんな時、ふと、われに返ったのは「ギョーザ。」のおかげ。
これは、中華料理店のおかみさんから、ラーメンとタンメンの注文を間違えて配達してしまったことのお詫びとしてそっとさしだされたもの。
そうだ俺たちにはこの「ギョーザ」が足りなかったんだ、とつぶやく飯塚。
突然目覚める!

最後まであきらめないで、心をこめて・・・。
この、ギョーザこそがこの映画のテーマです。
やらないで後悔するよりは、やって後悔する方がいい。
何かの決断が必要なときに、思い出したい言葉です。

さて、この決着やいかに、ということですね。
グループのメンバー、家族、会館の職員、みんなが一つになってがんばって、奇跡が起こる。
登場人物も多彩で、思いがけないところで、思いがけない人が出てくるので、楽しい。
やっぱりこういうわかりやすい展開は、ほっとします。
そもそも私、年末の第9は大好きなのです。
ラストの歓喜の歌にも感動。
やっぱり、映画ってこうでなければね!

2007年/日本/112分
監督:松岡錠司
出演:小林薫、安田成美、由紀さおり、伊藤淳史

「歓喜の歌」公式サイト